突然襲う自然災害の脅威。


 自然は、私たち自身を産み、育み、包み、沢山の恵みを与えてくれる存在だが、時に怒るがごとく、猛け狂い、私たちを飲み込む。

 九州の震災では、今もなお続く余震に怯えながら、多くの人々が避難生活を余儀なくされている。
 ご心痛は計り知れない。

 地震や津波だけでなく、火山噴火、台風、豪雨による洪水、土砂災害など、日本の歴史は自然災害とともにある。

 ここ瀬戸内は、自然災害が比較的少ないが、歴史を紐解けば、地震や津波の被害も残っている。

 四国には中央構造線も通っているし、近い将来と予測されている南海トラフを震源とする地震がどういう被害をもたらすかは全く未知である。

 普段、災害が少ないということは、災害に対する耐性も出来ていないことの裏返しである。
 物心ともに準備が出来ていないところへ災害がもたらされるとき、その何倍もの規模の災害が備えある地域を襲う場合よりも大きな被害をもたらすことは、過去の多くの事例が物語っている。

 来ないと高をくくっていた大地震や津波が、私たちの島を襲ったとき、スムーズな避難や、集落が孤立した場合やライフラインが止まった時の対処などが果たして確実に行えるであろうか?

 災害は、いつの時代も、どこにいても、いつやって来るかわからないのである。
 起こってから準備しても間に合わない。
 起こっていない今から準備をしておかなければ役に立たないのである。

 避難場所、経路、経路が遮断された場合の対処、救急救命、食糧・水の確保など、今災害が起こっても対応できる物心両面の準備が必要だ。
 ただ準備するだけでなく、実際起こった時のことをイメージし、シミュレーションしてみる。場合によっては、行政によって指定されているような避難場所が現実にそぐわないことだってありうる。
 生き延びるための、実効性のあるシミュレーションが必要なのである。

 かつて海賊たちは、海上で突然の時化や嵐に見舞われながら、自らの命をどうつなぐ方法を身につけていった。積み荷を捨てて身の安全を確保しながら、安全な島影へ命からがらたどり着いたり、難破して無人島に流され野草や魚、雨水を頼りに生き延びたりという経験が、自然に対する畏怖の念を同時に生み出し、自然に逆らわず、折り合いながら、活かし恵みを受け取り、一方で、いざというときのために、備えを怠らなかったのである。

 だからこそ『海賊の学校』では、災害に備え、災害時に生き延びるための知恵や力も養っていきたいと思う。
 
 災害時の避難方法、山野草や海藻、魚介など食料の確保、火のおこしかたや暖の取り方、野宿のポイント、けがや病気の応急処置など、まさに『海賊力=生きる知恵、力』を発揮して、いざという時に、生き延びる力を養うプログラムを企画していきたい。

 兼頭一司
 





 

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