おはようございます!お天気のよい朝です。

 

聞き書き集発行までの間、少しずつ内容のご紹介などして行きたいと思います。

 

まず、タイトルは、3月2日の編集会議で、「おら家のお茶っこ」に決定しました!

 

「おら家」は、気仙で「おらい」とか「おらえ」とか発音されます。標準語では「我が家」となりますね。(な~んかニュアンスが違うけども)

 

お茶っこ、も、気仙では「おぢゃっこ」というような発音です。

 

まさに、各家で摘んで作ってきた、気仙のお茶を表すタイトルになりました!

 

 

それから、この聞き書き集の特徴的なこと、大枠のことを、書いてみます。

(書きはじめたら、熱く長くなってしまいました。手前味噌的なことも多いかもしれません・・・。本の宣伝文だと思って、大目に見てください)

 

1 ほぼ全編、気仙のことば「気仙語」そのままに、記録しました。

 

お年寄りが語った言葉を大切にして、気仙語そのままで記載しました。気仙語でしか語れない事や思い、気仙語でしか受け止められない、そして表記できない事や思いがあると感じてきました。気仙語の響きを、文字で感じ取っていただきたい、と願っております。

 

2 語り手は、合計53人!!

 

ロングインタビュー11人、ミニインタビュー4人、お茶っこ飲み民俗学38人 合計で、53人の方から、お話を伺いました。今回は陸前高田が圧倒的に多く、 34人、大船渡4人です。ほとんどが、70代以上。80代、90代の方も多くいらっしゃいます。

 

3 聞き手は、合計11人!

 

聞き手は、気仙茶の会の、陸前高田・大船渡在住会員が7人、支援を続けてくださる龍谷大学伊達ゼミの学生さん2人、内陸・雫石町在住会員が2人。

 

龍谷大伊達ゼミの大学院生の永井さんは、生粋の関西人であるにも関わらず、陸前高田の80代の方のインタビューを担当し、とても内容の深い聞き取りをなさり、更には気仙語を細かく書き起こしました。素晴らしいです!

 

また、高田・大船渡在住会員も、それぞれ、自分の地域の、お茶に詳しいお年寄りを見つけ出したり、違う地域にも足を伸ばしたりしながら、旧式のカセットテープレコーダなど片手に、気仙語で質問し気仙語で答えるという、実に自然な聞き書き活動を展開しました。そして、さすがのヒアリング力(!)で、原稿起こしまで担当しました。

 

更に、大部分のインタビューやお茶っこ会に、撮影担当として参加した、高田在住の小野さんには、あとがきを担当いただきました。是非読んでいただきたいです。

 

 

 

4 すべて「お茶」から始まる聞き書き

 

お聞きする内容は、基本的にお茶のことですが、それ以外に脱線した話題も大変意味深いことが多かったので、そのまま載せています。「お茶」から始まる、地域の暮らしが見えてくるような聞き書きになったと思います。

 

 

 

5 地元会員のよる聞き書きの波及効果

 

手探りで進めてきた聞き書きの作業でしたが、始めると、気仙の会員は、ネットワーク、ヒアリング力が(当たり前と言えばそうですが)抜群でした!何より、この活動によって、地域の中で新しい出会いがあったり、改めてお茶について聞く・語る、という中で、新たな関係性が生まれたりしています(「んじゃあ、また今度、お茶畑手伝いに来るね」というようなことが、つながっていきます)。

また、「テープおこしをしていたら、友達が訪ねてきて『何をやっているの?』というので聞き書きの話をした。すると『いいことをやっているね~。出来上がったら是非読みたい!』と言われた」と言う話も聞きました。

 

震災後、聞き書き活動が様々展開されています。他所から被災地に行き、聞き書きをすることもまた、多くの意味合いがあり重要なことだと思います。それと同様、あるいはそれ以上に、プロではない、地元会員による聞き書きの意味深さを、改めて感じています。

 

6 内容の広さ

 

お茶の話だけ、にした方がまとまりがよかったかもしれませんが、今回は脱線の話も含めたものにしました。そこに、人、家族、地域の物語が表れてくると思ったからです。

 

脱線の最たるものが、お茶っこ飲み民俗学、のコーナー。ここは、ほぼ、お茶以外の話なのですが、そこで語られる話の多くが「何十年ぶりにこの話を思い出した!」「何十年ぶりに人に話した!」というような、昭和30年代ごろまでの習俗の話なのです。これは載せずにはいられない!という感じです。

 

ここも、語りをそのままに載せていますので、いろいろな方が、いろいろな関心から見ていただけるのではないかな、と思います。

 

 

7 「運動」としての聞き書き

 

仮設住宅でのお茶っこ会で、昔の話をお聞きしたのがきっかけで、自治会だよりに、「昔の、カラスを追う時の唄を教えて」と声掛けしてくださった自治会長さんがいます。とても嬉しかったです。地域のお茶の歴史を話題に酒飲みする、という場面も生まれているようです。少しずつ、地域の各所で「あれ~昔の〇〇、なんだっけ」と、様々な話題について、探求や掘り起しが始まるとしたら、ああ素晴らしいなあ、と思います。普段から暮らしの様々で、そういうことは行われてきたと思いますが、改めて、お茶の話題が加わったり、お茶や、一つの習俗を軸に探求するのも、とてもよいし面白そうだと思います。特に、お年寄りを巻き込んでの聞き書き、歴史探究は、地域や仮設住宅での世代間交流の面からも、とても重要な意味合いを持ってくると思います。

 

また、聞き書きで教えてもらったことは、そのまま、現在のお茶づくりで実践してみることができます。そうやって作ったものをまたもって行って「ああ、これは少し火ぃ強かったなあ」とかって指導を受ける・・・。まるで、気仙のお年寄り皆さんのところに嫁入りしたような感じで(笑)、少しずつ受け継いでいけたらいいな、と思います。

このように、聞き書きは、冊子が出来る前も、出来た後も、生きた地域づくり運動として、続いていくのだと思います。