台風19号被災のみそ蔵復活の第一歩に協力を！

全国味噌鑑評会は、(一社)中央味噌研究所が品質と技術の向上を目指すことを目的に、毎年その年の“日本一のみそ”（農林水産大臣賞）を決定する。第62回、出品380点の中から「有限会社小川醸造場　極醸　地大豆みそ」を含む６点が農林水産大臣賞に選ばれた。

すべてを失い辞退を考えていた小川さんに、「保有が無くても大丈夫だから賞を受けてくれ」と連絡が入った。表彰式に履くような靴も流され、長靴しかなかった。泥が地域一面を覆い、ボランティアに応援してもらいながら、ひたすら泥をかき出す毎日だった。

沈んでいた気分の転換になるかなと思い、小川さんが東京へ向う。式典の会場には、テレビカメラが待ち構えていた。囲まれて大騒ぎになった。息抜きどころではなかった。その日のうちにニュースが流され、帰りの新幹線は、たくさんのお祝いメッセージがスマホに届いた。

受賞はうれしかったが、プレッシャーにもなった。「再び同じものをつくれるようになるだろうか」と…。喜びと不安に包まれ帰途についた。(vol.9へ続く）