ノラクロが教えてくれたこと

プロジェクト本文でも

少しご紹介していますが

尿道がボロボロになった

”ノラクロ” に初めて会ったのは

昨年の冷え込みも厳しい2月

他に2匹の猫達と暮らしていました

 

飼い主であるおばあさんは

既に施設に入所してはいましたが

猫達のお世話に通っていたところ体調を崩し

『もう2週間程お世話に行っていない』と

連絡がありました

『２週間も？そんなに！』と

慌てて行ったのを覚えています

体調が戻るまで

また、猫達が住みやすくなる様に

お宅をリホームしたい、との事で

その間、猫達を預かる事にしました

人に馴れているサンくんと

人に馴れていないノラクロを

そして8日後にメス猫のニコちゃんを

無事保護出来ました

触る事は出来ませんでしたが

何事もなく暮らしていたノラクロが

ご飯を食べなくなったのは

6月下旬の事でした

ネットで捕まえられたので

動物病院で診ていただいたところ

大量のオシッコが溜まっていて

軽い尿毒症にもなっているとの事

カテーテルを入れ抜去してもらいましたが

その後はもう自力での排尿が出来なくなり

病院へ通う日が続きました

しかし次第にカテーテルも入らなくなってしまい…

 他の2か所の病院も行きましたが

もう尿道がボロボロで

手術もかなり難しいとのお話しです

人が苦手なノラクロを毎日ネットに入れて

お腹に針を刺して排尿してもらうことも

ノラクロにはかなりのストレスです

かと言って排尿しない訳にもいきません

そんな中でもノラクロは

決して怒る事もなく

頑張って病院へ通ってくれました

それでも『安楽死と言う選択肢も考えてみたら』と

言う先生も1人ではありませんでした

 

『安楽死』という言葉が頭をよぎる中

ある1人の先生を頼り相談に行きました

先生は、ノラクロくんはまだ瀕死の状態ではなく

検査も頑張ってます

まだまだ生きる力を持っているこの子のために

何ができるか、できる事を考えてみましょう

と言ってくださいました

ハッとしました

いつも自分にいい聞かせている

言葉だったからです

『できることをやるしかない』

 

人に甘えることも知らず、媚びることもない

ただただ懸命に生きているノラクロと

できる事をやれるだけ頑張ってみようと

その時決めました

 

翌日からボランティアさんに手伝ってもらい

膀胱を絞って排尿させます

上手く出る時と出ない時があります

出ない時はいつもお世話になっている先生の所で

針を刺してもらう日が始まりました

そんな日が続いていたある日

『これだとこの子が可哀想だから手術してやるべ』と

言ってくださいました

翌日には手術をしてくださり

夏の一番暑い頃

ノラクロは術後服を着て

首にはカラーをし

お腹にチューブが入った状態で

本当によく頑張りました

手術をしてくださった先生にも

感謝しかありません

 

１匹の猫が教えてくれた事

ただ懸命に生きるウソが無いその姿は

言葉が無くても人の心を動かします

今、ノラクロはお腹に開いてる穴から排尿し

元気に暮らしています

未だに触れませんが...

 

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今日のナナちゃん

『ゆでた鳥肉をむさぼり食う』

そして

『書類を枕にして寝る』の巻