キャンプの道で会う子どもたち

 

 

こんにちは。松永です。クラウドファンディング開始日から2日間で30名の方に328,000円のご支援をいただきました。スタート直後から多くの方にこのチャレンジにご参加いただき、大変嬉しく、感謝申し上げます。また、応援コメントもすべて拝見しております。温かいメッセージをありがとうございます。

 

先月、数ヵ月ぶりにキャンプ訪問が叶いました（＊）。その日、キャンプでは道を行く人たちもまばらで、全く子どもたちのいない学校の様子に、じわりと寂しさを感じました。

 

 

でも、学校の敷地を出ると、よく見知った子どもたちが道端で元気に遊んでいます。

私が「勉強はどう？」と尋ねると、「うーん」とバツが悪そうに俯きます。

その脇を、荷台にお客を乗せたロバが走って行き、そのロバの手綱を引くのはよく知っている生徒でした。立派にロバ車を操りながら、ニコニコしながら挨拶をしてくれました。

顔の見える関係であった子どもたちが元気でいることは、心の底から嬉しかったのと同時に、彼らの勉強のことも気になります。

 

 

もともと、キャンプの外の公立校に比べ、キャンプの中の公立校の生徒の学力は低い傾向にあります。そこへきて、全国の学校が閉まり、全国共通の授業が遠隔授業となり、オンラインやビデオで配信されても、理解できない授業が多いのです。

そんな子どもたちにとっては、携帯電話を通じて、オンラインの授業をじっと見るよりも、外で幾らかでもお金を稼ぐ方が家族のためにもなるし、自分にとっても楽しい、そう考えているようです。

 

ただ、仕事をするのは楽しいことばかりではありません。

シリア難民だからと言って値切られたり、賃金が正当に支払われなかったり、無理な労働時間を強いられたりする話もちらほら耳にします。

本来ならば学校に通う年齢の子どもたちもまた、時としてそのような過酷な労働条件の中、仕事をしています。

 

ただでさえ、キャンプの外の子どもたちよりも児童労働や早期結婚が多いのがキャンプで起きている現実です。そして、新型コロナウィルス感染症により、子どもたちの「子どもらしく居られる時間」もまた、じわじわと奪われていくことを、目で見て知る瞬間でもありました。

 

 

（＊）キャンプで活動し、定期的に訪問するには、ヨルダン政府の許可が必要です。コロナ禍、政府機関もロックダウンで閉鎖され、松永の申請中であったキャンプ入域許可の更新手続きが数か月止まってしまいました。その後、無事に手続きが再開し、入域許可を得ることができました。