物語生成のポストナラトロジー

昨日、岩手県立大学の小方孝教授から、有難い頂き物が届きました。

 

物語生成のポストナラトロジー（小方孝著、新曜社）

（リンクで、小方教授のホームページへ）

という著作。

序言を読んだところ（まだ、それしか読んでません、すみません）なんと、十冊目だそうだ（そんなに、でも、まだこれからガンガン書くのだろうな、きっと、私などは天地がひっくり返っても真似できないので、期待して応援します）。ひとまず、私が持っていた小方教授の著作と一緒にパチリ。

で、どんな内容なのか気になりますよね。

 

我々は次の大きな物語の発生の時代という

歴史的な大転期に立ち会っている。

 

これが、帯の大見出し。おっ、来たかって感じ。

 

古代に始まり、中世・近世を経て近代まで、我々は文学・社会・科学等にわたる独自の思想・哲学を物語化してきた。そして、「大きな物語の終わり」の気分の中で個人がそれぞれの小さな物語を紡ぎ続けてきた前世紀末からの一つの時代は、今終焉を迎えつつある。このような困難な情勢の中からも、意志的な物語の生成が行われなければならない。認知科学と人工知能による文学と物語への構成的方法を示し、ナラトロジー自体を次の段階に移行させる新しいナラトロジーの生成をめざす反／非・研究的な言説集成。

 

帯の割に長い？そうでもないと思いますよ。でも、だいたい、帯を読んでも内容は分からないのです。

序言しか読んでいない私が内容を解説することはできませんが、

学術書＝難しい、難解

と考えるのは間違っています。

それは、

クラウドファンド＝人助け

と考えるのに近い愚かな類推なのです。

 

この本を人工知能を使った物語生成の学術書なんでしょ、って思ってはいけません。序言しか読んでいない私に、少なくともワクワクするような、この先を期待させるような提示をしてくれています。難しいことが分からなくても、きっと楽しく読めると思いますよ。

なぜかというと、ナラトロジーって言葉を意識せずに、皆さん、日常生活の多くの場面でナラトロジーと出会い、共感を感じ、ナラトロジーを使っていろんな人とコミュニケーションを取ったり、お仕事したり、誰かを褒めたりけなしたり、泣いたり笑ったりしているんですよ。だから、生きることを楽しんでいる人も、もう死にたいって思って苦しんでいる人も、必ず諸行無常だけではない様々なナラトロジーを感じているはず。なんてねー

 

ずいぶん、軽い本の紹介になってしまいましたが、読む前から構えちゃうと本を読めなくなりますから・・・かーるく、一気に読んじゃいましょう。そしたらスッキリします。

 

何か、最近本と向き合えていなかった私には、軽い眩暈を伴う刺激でした。

さあ、このプロジェクトも残り１０日。さくっと走り抜けるぞ。