プロジェクト概要

 

重症心身障がい者と看護・介護に携わる方々の生命力溢れる写真や

オブジェをモチーフにしたポスターを一冊にまとめます。

 

はじめまして!鈴木善博(スズキゼンパク)と申します。ブランディングをはじめ商品企画などアートディレクターとして、グラフィックデザイン全般の仕事をしています。また、一昨年立ち上げた『一般社団法人BeAlive』を通じて、障がい者と看護・介護に携わる方々を応援する活動を細々と始めました。

 

私は1993年に第1回『be alive展〜重症心身障害者のオブジェにふれて』と題したポスターと粘土のオブジェの展覧会を東京で開催しました。その後、1995年に滋賀、第2回『be alive展』を1998年に下関と京都、2000年に名古屋、2005年に新潟と巡回展をいたしました。かれこれ20年以上におよぶ社会福祉法人『第二びわこ学園』とのお付き合いの中、改めて、重症心身障がい者と看護・介護に携わる方々を応援したいという想いが高まり、2016年に第3回『BE ALIVE展』を東京で、2017年に京都で開催しました。

 

BEALIVE展のポスター

 

 

粘土のオブジェに打ちのめされて。

 

1993年に『be alive展』を開催したきっかけは、滋賀県にある『第二びわこ学園』の粘土室から生まれたオブジェとの運命的な出会いでした。

 

1992年の夏、都内某所、そこにあった土のかたまりは 「きれい」とか「美しい」という形容詞とは無縁の、しかし、圧倒されるほどの生命力あふれる造形でした。それは、人間の本能からにじみ出てきた『魂の叫び』のように感じられたのです。 この瞬間、私は自分の衝動を抑えることができず、翌朝『第二びわこ学園』に「何かさせてほしい」と1本の電話をかけました。ここからすべては始まりました。

 

そして、いろいろと取材を重ねる中、自分は何をしようとしているのか? 何がしたいのか? そう自問自答を繰り返しました。もしも自分がミュージシャンだったら、この感動を曲にしたり演奏したりしたかもしれません。でも自分は、グラフィックデザイナー。それならば、今の気持ちをポスターというメディアを通して、表現すればいいのではないか。そう考え、この感動を与えてくれた重症心身障がい者の方々へ感謝の気持ちをこめて、ポスター展を開こうと思いたったのです。

 

学園内に展示されている粘土のオブジェ

 

 

もっと知ってほしいという、突き上げる想い。

 

今回は粘土室だけではなく、新たに『第二びわこ学園』ヘ、住棟の中での様々な活動や日常生活を撮影させてほしいと無理なお願いをしました。これは、私が取材を進めていくうちに、彼らをもっと知りたい、知ってほしいという想いが強く湧き上がってきたからです。しかし撮影は、そう簡単なものではありませんでした。まず、学園内を私たちが自由に歩き回ることは許されていません。学園の担当の方と必ず行動をともにし、午前は10時から12時、午後は14時から16時の1日4時間の制約の中で、取材撮影を繰り返しました。住棟に入る前には、手を必ずアルコール消毒をし、上履きを履き替えるなど、部屋に入る前にはいろいろな取り決めやルールもありました。

 

第二びわこ学園の粘土室

 

 

壁をひとつひとつ乗り越えて。


 すべてが順調に進んだわけではなく、時には、コミュニケーションが取れない障がい者の方を前に、呆然とする事もありました。しかし、学園の担当の方が皆さんの性格や行動パターンを熟知されていて、どうすればこちらの思うような撮影ができるのかを推し量って準備してくださいました。相当苦労されたと思います。そのかいあって、初めてカメラを向けた時にはそっぽを向いていた方も、2度3度と足を運ぶにつれ少しずつ表情がやわらかくなっていくのがわかりました。また中には、初めから人懐っこい方もいらっしゃいました。カメラを向けると、すぐに近づいてきたり、ピースサインを出す方もいます。 手をつなぎにきたり、一緒にテレビをみようよ!という仕草をしたり。中には、身体が不自由なために寝たきりなのに、学園の方と足の指先で文字盤を指差して会話をしている方などもいらっしゃいました。

 

さらに、施設を回ってみると新たなことに気がつきました。それは、園生の皆さんを介護・看護している方々の存在でした。園生の皆さんとともに、生き生きと輝いて見えたのです。その時、今回のポスターのテーマが見えてきました。介護・看護に携わっている方々の、自分の家族の世話をするような、献身的で、しかも自然で温かな仕事ぶりに心を打たれたのです。そして、彼らなしには、園生の皆さんの生活は成り立たないことを痛感したのでした。この想いが原点となって、2016年『BE ALIVE展』の30点のポスターが生まれることになりました。

 

利用者の方と看護士

 

 

写真50点に熱い想いを込めて。


取材や撮影を終えると、これからがデザイナーとしての本領発揮です。延べ7日間の撮影でカメラマンが撮ったのは、約3,000カット。この中から表現したいこと、伝えたいメッセージなどを、さまざまな角度から約50点の写真に絞っていく作業です。そして、コンセプトやメッセージなどと写真の整合性を検討して、こちらの表現をおおむね固めた上で、『第二びわこ学園』とのやり取りが始まりました。そこにも、さまざまな難関が存在しました。『第二びわこ学園』としては、あくまで利用者の方の不利益になるような写真や情報は極力排除していかなければなりません。ノーと言われながらも、なんとか交渉を重ねました。写真にちょっとした言葉を添えたり、そのニュアンスが変わることで、その写真のイメージががらりと変わることもあるからです。そんなやりとりを経ながら、『第二びわこ学園』の皆さんに手を尽くしていただき、なんとか、この展覧会を実現することができたのです。

 

日本を代表するアートディレクター浅葉克己氏が来場

 

 

もう一歩、近づいてみてください。

 

この数十年で、私たちは、障がい者についてのさまざまな情報に触れる機会が増えました。 その一方で、言葉を持たない彼らの想いや叫びに触れるチャンスは、ほぼないのかもしれません。 第3回『BE ALIVE展』は、彼ら一人ひとりの声を、熱を、いのちを伝えたいという想いから開催した展覧会でした。

 

しかしその想いも数年に一度、開催出来るかかどうかが展覧会の実情です。展覧会場に足を運べない方々にもその一端をお伝えできる一冊になればと思い、『BE ALIVE 作品集』を自費出版することにしました。今回の自費出版に当たり編集・デザインは自分で出来ます。自己資金で印刷・製本加工、発送料に必要な6割りはまかなえますが、あと100万円が足りません。どうかご支援をお願いいたします。

 

これをきっかけとして、障がいを持つ方や取り巻く環境、看護や介護に携わる方々への認識を深めたり、距離を縮めたりしてほしい。そして、なにかを受け取っていただけたら、さらに、そこからなにかが見えてきたら、とてもうれしく思います。どうか一歩前へ、近づいてみてください。

 

 

プロジェクトの終了について

 

◎ 支援金の使用用途

  2018年11月30日までに、約100ページのポスター集を1,500部発行したこと

  をもって、プロジェクトを終了とします。

 

◎ 資金の使い道

  ポスター集の印刷費、ポスター集の発送費、Readyforへの手数料・消費税

 

◎ その他

  印刷・製本はシナノ印刷株式会社に委託します。

  URL:http://www.shinanobook.com/


一般社団法人BeAlive  鈴木善博