プロジェクト概要

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国立科学博物館「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」

協力:

 与那国町 

沖縄県立博物館・美術館

特定非営利活動法人国境地域研究センター

竹富町
竹富町教育委員会

石垣市

 

後援:

沖縄県

沖縄県教育委員会

 

4月4日 遂に達成!ご支援ありがとうございます!

次の目標を2500万円として台湾へ近づきます!

 

 遂に4月4日、当初目標の2000万円を突破し、プロジェクトが実現可能になりました!これで初年度の与那国島→西表島航海へ向けて動き出すことができます。本当にありがとうございます!
 
 さて、私たちにはさらにその先の大きな目標があります。それは来年度に目指す、台湾→与那国島航海。さらに3000万円が必要な国際プロジェクトとなりますが、それを先取りし、500万円の追加支援を募集させて頂きたいと思います。

 

 これだけの厚いご支持を受けられたということは、私たちのやろうとしていることが間違っていないということ。皆様からも引き続き、周囲のお知り合いにプロジェクトのことを広めて頂けると助かります。よろしくお願い致します!

 

海部陽介(国立科学博物館 人類史研究グループ長)

 

祖先たちのすごい過去を解き明かそう!

「日本人はどこから来たのか?」

国立科学博物館「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」

 

 「日本人のルーツ」という大きな謎。これまでに蓄積されてきた膨大な遺跡データから、新たに見えてきたことがあります。5~3万年前に起こった、アフリカから日本列島までの祖先たち(ホモ・サピエンス)の大移動。そこには専門家もこれまで認識できていなかった、凄い過去があったことがわかってきました。

 

 それは人類が海を越えて島に進出しはじめた最古段階の重要な証拠が、この日本列島にあったということ。最初の日本列島人は3万8000年前頃に対馬の海を渡って来ました。つまり日本人は最初から航海者だったのです! 

 

 そして近年、沖縄の遺跡調査が進んだことから、琉球列島には「3万年前のハイレベルな航海」があったことがわかってきました。当時の台湾はアジア大陸と陸続きでしたが、祖先たちはそこからなんらかの舟を出し、100 km 以上先の見えない琉球列島へ向かう航海に出たのです。それはおそらく世界最大の海流である黒潮越えを要する、たいへん困難な航海であったはず。

 

 祖先たちはどうやってそれを成し遂げたのか。そもそもなぜそんなことに挑戦したのか──。こうした問いに答えて私たちの祖先の本当の姿に迫りたい。そのためにできる限りのことをしたい。そこで私、海部陽介(国立科学博物館 人類史研究グループ長)と、24名の多彩な分野の一流研究者・エキスパートたちが集結し、「3万年前の事実」を追求する実証実験プロジェクトが始動しました。皆さんも大航海の”クルー”となって、この厚いベールに包まれた 大きな謎解きに一緒に挑みましょう

 

(実行者の海部陽介。アジアを舞台に人類進化・拡散史の解明に挑む)

 

 

日本列島は、人類の海洋進出のフロンティアだった

「人類史に刻まれるべき偉大な航海」 の発見

 

 私は、研究者である父親(海部宣男。国立天文台名誉教授。ハワイの「すばる望遠鏡」計画リーダー)からの影響もあり、幼い頃から自然科学、特に「人間の過去と成り立ち」に興味がありました。今はその夢かなって、国立科学博物館で人類進化の研究者に。これまでジャワ原人やフローレス原人の研究などで成果を上げてきましたが、最近では「アジア大陸におけるホモ・サピエンスの大移動と現代アジア人の成り立ち」をテーマにした調査をしています。そうした中、興味深い、知られざる事実に行き当たったのです。

 

 それが前述の「日本人の祖先は海を渡ってやってきた」ということ。とりわけ琉球への航海は、当時の世界で最も困難なものであったはずで、人類の歴史の一幕として教科書にも記されるべきことだと思います。航海術の発達は、アフリカ生まれのホモ・サピエンスが全世界へ広がることができた原動力の1つでした。その謎を解き明かす重要な証拠が、私たちの足元の日本列島にもあったのです。

 

(▲ プロジェクト紹介動画)

 

「定説」への違和感。語られてこなかった祖先の本当の旅路。

祖先たちは海を越えてきた

 

 今回のプロジェクトの発端の1つは、多くの研究者が採用している「海岸移住説」への私の違和感。この説では、最初のアジア人は海岸をつたってアフリカから東進したと考えます。一部の欧米研究者は、この海岸沿いの移動は日本列島付近にまで達したと、さしたる根拠もなしに述べています。

 

 しかし私が遺跡データを厳選し、初期のホモ・サピエンスの遺跡の信頼できる年代だけを地図に落としてみたところ、海岸移住説とは異なる、もっとダイナミックなシナリオが浮かび上がってきたのです。祖先たちは沿岸部に限らず内陸部にも爆発的に広がり、寒冷地を含む多様な自然環境に素早く適応していったようなのです。そうした文化的な適応能力を持つ集団が、北(サハリン→北海道)、西(朝鮮半島→九州)、南(台湾→沖縄)の3方から日本列島へ渡って来たはずです(図1)。

 

(図1 想定されるホモ・サピエンスの拡散ルート。日本列島へ入る3つのルートのうち、
本プロジェクトでは沖縄ルートに注目する。背景地図: based on GeoMapApp)

 

 このプロジェクトでは、その中で南の沖縄ルートに注目します。全長 1200 km におよぶ琉球列島には、その全域に3万年前頃までさかのぼる遺跡があるのです(図2)。偶然の漂流でこのような事態が説明できるでしょうか? 列島全域に広がっていたこと、子孫を増やして島に定着していた証拠があること、そして本州などで見つかっている他の証拠も合わせると、祖先たちはこの航海にあえて挑戦したと考えるしかないでしょう。

 

(図2 琉球列島の主な旧石器時代遺跡。
当時これらの島は台湾と地続きだったという説があるが、様々な証拠から否定されている)
背景地図の製作:菅 浩伸 based on Gebco 08 Grid

 

 

台湾から黒潮を横断する100 km 以上の航海は本当に可能か?

沖縄ルート、難関の大航海の再現実験


 琉球の島々にたどりつくには、数十kmの航海を繰返す必要があります。その一部は100~200 km あるいはそれ以上の距離があり、水平線の向こうの見えない世界へ向かう冒険でした。さらに当時も世界最大規模の海流である黒潮が、今と同じ台湾-与那国島間を流れていたのであれば、それを横断する必要がありました(※当時の黒潮の流路については現在チームメンバーの研究者が調査中です)。

 

 このチャレンジは実際にどれだけ困難だったのか、この3万年前の事実を徹底的に追求するため、多彩な分野の一流研究者と探検家が力を合わせる壮大なプロジェクトが、2013年に始動しました(図3)。実験によって古代技術を検証し、海峡横断に必要だった海についての知識と経験を知り、そして知られざる我々の祖先の本当の姿に迫ります。

 

(図3 実験航海で検証するという突飛なアイディアに共感し、
実現しようとする一流の専門家たちが多数集まってくれました)

 

 

総費用およそ5,000万円の大型プロジェクト開始!

【第一弾の冒険】与那国島→西表島に挑戦

 

 まずは、当時の 舟を学術的な証拠に基づいて復元し、2016年夏に第一弾(与那国島 → 西表島)、そして2017年夏に第二弾(台湾 → 与那国島) の実験航海を行い、祖先たちが挑んだ困難を自ら体験して検証します(図4・5)。成果はもちろん国内だけでなく世界に向けて発信。総費用およそ5,000万円の大型プロジェクト。今回は、主に第一弾の実施にかかる費用として2,000万円を目標に支援を募集します。

 

(図4 予定している実験公開の航路)
(図5 与那国島から台湾方面を臨む。2014年8月9日)

 

 

「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」について ①

これまでの準備とプロジェクト実施計画


■ これまで3回の研究会と現地調査を重ね、候補となっている古代舟の試験製作も行って、実験航海の方向性を練ってきました
2013年3月           第1回研究会(与那国町)
2013年8月           台湾の竹筏調査(台東県)
2013年11月         第2回研究会(南山大学)
2014年8月           古代舟試験製作(与那国町)
2015年3月           第3回研究会(南山大学)
2015年10月           古代舟試験製作・航行テスト(与那国町)
 
■ 今後の実施計画
2016年4月             プロジェクト始動
2016年7月           第1回 長距離実験航海(与那国島 → 西表島)
2016年8月             台湾現地調査
2016年8~12月      成果報告会(東京・与那国など)
2017年7月           第2回 長距離実験航海(台湾 → 与那国島)
2017年8~12月      成果報告会(東京・与那国など)

 

 

「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」について ②

強力なチームで挑む、かつてないプロジェクトを推進


 最高の成果を得るために素晴らしいチームをつくりました。現在、20名以上の専門家が(文末の表を参照)、関連する様々な個別研究を進めています。それらの成果を適用して、今回の航海プロジェクトを実施します(図6・7)。
 
 一部の研究はまだ進行中ですが、プロジェクトに合わせて結論を出していきます。例えば、舟のサイズや乗船する人数についても、研究と航行テストの結果から判断していきます。

(図6 プロジェクトの流れ)
(図7 予想される3万年前の地形。海面が現在より80mほど低かったため灰色の部分は当時陸地だった)

 

 

「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」について ③

3万年前の古代舟を復元


 主に植物素材で作られる舟は、ふつう遺跡に残りません。日本では縄文時代の丸木舟(カヌー)が比較的多く発掘されていますが、その最古の例は7500年前です。誰も直接見ていない3万年前の古代舟を、厳密に復元することはできません。
 
 しかし、そこであきらめることはないでしょう。舟を作るには、①地元で手に入る素材②当時あった道具で作れるもの、という制約がありますので、まずこれらの観点から、世界各地の民族事例も参考にして、可能なタイプを絞っていきます。そして航海実験により、現地の海の条件に耐えられるかを実証します。
 
 例えば、この時期の沖縄地方の遺跡からは斧が出てこないので、丸太をくり抜くタイプのカヌー(丸木舟)は作れなかったでしょう。一方、水に浮くバナナのようなバショウ科植物の太い茎を束ねれば、たいした道具を使わなくても簡単に筏(いかだ)をつくることができます(図8)。しかしこの舟では浮力も推進力も頑丈性も足りず、とても人類の大移動には使えません。こうした制約を検証し、現時点で私たちが有力候補と考えているのは、竹筏か草舟です(図9・10)。

 

(図8 バショウ筏(いかだ)の機能テスト。2014年8月:与那国島)
(図9 与那国島に自生するヒメガマを材料にした、「チチカカ湖型草舟」によるテスト。
地元中高生を含む沢山の方々が舟製作を手伝ってくれました。2014年8月:与那国島)
(図10 台湾原住民のアミ族が作る伝統竹筏の調査。2013年8月:台東)

 

 

大きな謎解きの体験を皆でシェアしたい

人類学の研究を通じて「今を生きる私たち自身」を知る


 研究して見えてくる祖先たちの本当の姿、それに加えて研究の過程で目にする現代日本とアジアの自然・人・文化。その全てが本当に刺激的なのです。しょせん私たち人間は知能が高いと言っても、基本的に自分の経験したことしか知らないから、その範囲でしかものを考えられない。しかし、人類学の研究をすることで、それと異質な過去があったのだと、意識するようになりました。

 

 私は、人間そのものを探究したい、進化を軸にして人間のことを探りたい、そう思っていました。それは探偵のような作業でもあります。残った断片的な証拠を見つけ、1つ1つを適切に解釈し、それらをつなぎ合わせ全体像を復元していくのです。3万年前の航海という事実も、そうして個々の遺跡証拠を統合することで見えてきました。

 

 有難いことに今回、実験航海で検証するなんていう私の突飛なアイディアに共感し、それを一緒に実現しようとする一流の専門家たちが多数集まってくれました。狭い意味での私自身の専門は、化石骨の形態を研究して人類進化を考察すること。しかしそれだけでは、人類がこれまで何をしてきたのか全体像は分かりません。考古遺物の解釈や、過去の地理、気候、海洋環境、動物や植物など・・・いろいろな研究分野が複合して、本当に意味のある学術的成果が得られるのです。今回はそれに海洋探検家たちが加わり、さらにパワーアップしました。

 

 そして、このチームが共鳴して構想がどんどん現実的になっていったとき、さらに思いが膨らんだのです――このプロジェクトはもっと大勢の方々と共有できるのではないかと。祖先たちはどうやって海を渡って来られたのか、さあ私たちと一緒にいろいろな仮説を考えてみましょう。”原始人”というイメージで見られる祖先たちの違う側面について知ったとき、私たちは今までと違う人間観を手に入れることができるようになるはずです。
 

 

社会貢献・国際交流にもつながるチャレンジを応援してください!

様々な潜在力と資金の使い途

 

 このプロジェクトには、祖先の謎解き以外にも、いろいろな潜在力があると考えています。私たちは、地域にあった知られざる歴史的価値を掘り起こしてその活性化に貢献したいと思っています(そのために関連NPO法人と協力します)。近隣でありながら日本人がよく知っているとは言えない、台湾の人々と文化について理解し交流する機会をつくります。そして博物館の立場から言えば、これはその活動の幅を広げる新たなチャレンジです。これは博物館がその人的・組織的資源を生かして野外にその活動を広げるチャレンジであり、クラウドファンディングについて言えば国立の博物館としては国内初です。

 

 成功すれば将来のよい先例となるはず。そのためにも、是非皆様のご支援をお願い致します!ご支援頂いた資金は、実験航海の準備・調査・運営・映像記録・情報公開に利用させて頂く予定です。目標より多くの支援が集まった場合は、翌年度以降の活動資金に振り替えさせて頂きます。

 

 

国立科学博物館

科博の歴代館長からのご挨拶

 

 

佐々木正峰 /元・国立科学博物館長 元・文化庁長官

 

 国立科学博物館は、日本で唯一の自然史系の国立博物館として、これまで研究や展示に貢献してきました。近年で言えば、ダイオウイカの生態を初めて記録し、そのブームの火付け役になったことが記憶に新しいと思います。その博物館が、今回、日本人のルーツに関連する、科博らしい夢のある構想を発表しました。本プロジェクトが実現し、成功することを、前任者として心より祈願しております。

 

 

 

近藤信司 / 前・国立科学博物館長 元・文化庁長官   

 

  昨夏、アメリカのスミソニアン国立航空宇宙博物館が、クラウドファンディングで大成功を収めたニュースが流れました。1969年の月面着陸(アポロ計画)で使われた、ニール・アームストロング船長の宇宙服を修繕・展示をするプロジェクトに対し、9477人から約8300万円が集まったというのです。このように一般の方々のご理解とご支援のもとに、博物館が価値ある挑戦を行うというのは、日本にもあってよいかたちだと思います。今回の構想がそうした新たな潮流の火付け役になることを願いつつ、本プロジェクトを応援しています。


 

 

林 良博 / 現・国立科学博物館長 元・東京大学教授、東京大学総合研究博物館長、東京大学副学長

 

 歴代館長のもと、国立科学博物館は2004年に地球館を新設し、2007年には日本館を全面改装、そして2015年には新型展示の「地球史ナビゲーター」や「親と子のたんけんひろば コンパス」をオープンさせました。それぞれご好評を頂いてきましたが、科博の挑戦はそれに留まりません。今回発表したのは、科博がそこに所属する研究者という人的資源を活かし、外部とも協力して野外で実践する、新しいプロジェクトです。どうか皆様の温かいご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

 

 

航海プロジェクト・チーム

現時点での研究会参加メンバー

 

 

 

 

 

 

 

 

 



総括  

 海部陽介(代表)(国立科学博物館研究グループ長 人類学)
 後藤 明 (南山大学教授 海洋人類学・天文人類学)
 村松 稔 (与那国町教育委員会主事)
事務局
 三浦くみの (国立科学博物館非常勤職員)
人類・考古学
 池谷信之 (沼津市文化財センター 考古学)
 小野林太郎 (東海大学准教授 海洋考古学)
 片桐千亜紀 (沖縄県立博物館・美術館主任学芸員 考古学)
 河野礼子 (国立科学博物館研究主幹 人類学)
 篠田謙一 (国立科学博物館研究部長 人類学)
 野林厚志 (国立民族学博物館教授 台湾民族学)
 藤田祐樹 (沖縄県立博物館・美術館主任 人類学)
 山崎真治 (沖縄県立博物館・美術館主任 考古学)
 米田 穣 (東京大学博物館教授 人類学)
古地理・黒潮動態研究
 菅 浩伸 (九州大学大学院教授 海底地形学)
 久保田好美 (国立科学博物館研究員 古環境学)
 横山祐典 (東京大学・大気海洋研教授 古環境学)
植物資源調査

 國府方吾郎 (国立科学博物館研究主幹 植物学)
古代舟研究・航海シミュレーション
 石川 仁 (㈳ONE OCEAN 代表理事 冒険家、草舟職人)
 井原泰雄 (東京大学大学院理学系研究科講師 人類学)
 内田正洋 (海洋ジャーナリスト シーカヤック航海者)
 洲澤育範 (喜多風屋代表 カヤック大工)
 関野吉晴 (武蔵野美術大学教授 探検家(グレートジャーニー)・医師)
 門田 修 (海工房代表 海洋文化ドキュメンタリー製作)
教育普及
 田村祐司 (東京海洋大学海洋政策文化学部門准教授 海洋スポーツ健康科学)
 小池康仁 (与那国町役場嘱託員 地域研究)
 大西広之 (NPO法人国境地域研究センター 地域研究)

 

 

あなたも「クルー」認定証をもらおう!

リターンについて

 

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よくあるご質問と回答

Q and A

 

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最新の新着情報

プロジェクトが成立しました!
このプロジェクトは
2016年4月12日(火)23:00 に成立しました。