戦後74年。「ツルブからの手紙 〜愛と戦争の軍事郵便〜」を復活

戦後74年。「ツルブからの手紙 〜愛と戦争の軍事郵便〜」を復活

支援総額

1,305,000

目標金額 1,300,000円

支援者
16人
募集終了日
2019年6月28日

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プロジェクト本文

 

もっと、お前を愛したかった。

もっと、一緒に夢がみたかった。

 

かつて南の島に果てた若き兵士が、一人息子に送った軍事郵便44枚には、その限られた紙面いっぱいに、文字の数ほど愛が込められていた。

 

手紙の差出人小林喜三は、大正5年(1916年)に本州最西端の地下関に生まれ、24才時には本籍地召集で福山41連隊へ入営した。

 

のちに歩兵第141連隊に転属し、昭和19年(1944年)1月、東部ニューギニアニューブリテン島ツルブ(万寿山付近)にて戦死。

 

その間、愛息宛44通を含む総数144通もの軍事郵便が、激戦の地から内地の家族の元へ届いた。

 

戦後74年を経た今、この一兵士が遺したものは、いまや戦争を知らない、21世紀を生きる全ての人々に、家族とは何か、戦争とは何か、恒久平和のために人は何をすべきかと問いかけている。

 

下関空襲・終戦委員会 代表 井手久美子

 

 

家族の絆、戦争の悲惨さを伝える「ツルブからの手紙」の改訂版を刊行したい。

 

ページをご覧いただき、ありがとうございます。

 

初版「ツルブからの手紙」の編集者であり、下関空襲・終戦展実行委員会の代表を務めている井手久美子と申します。

 

山口県下関市の出身で、幼い頃から母や回りの大人たちに、「戦争も知らない子たち」とさんざん叱られた世代で、人生の大半を地元で暮らしてきました。その私たち世代が、終戦60周年を機に「地元の空襲から戦争を紐解いてみたら」と、下関空襲・終戦展実行委員会立ち上げました。多くの人に支えられ、本年夏で企画展15回目を迎えることができます。

 

「ツルブからの手紙」は、この活動の中で生まれた8作品のうちの一冊です。刊行前から反響が多く、遺児・小林征之祐さんによる講演は、もう少しで100回でしたが、ご本人の希望で私に託されました。

 

今では「ツルブ」関連の企画展と恒例の夏の企画展の二本立てで活動展開をしています。ことに「ツルブ」の企画展や講演は山口県下をはじめ福岡、東京、福山、因島などで10回実施いたしました。

 

 

 

「忘れてはいけないことがある。どうしても伝えたいことがある」

 

このキャッチコピーは私ども実行委員会の基本理念です。

 

一兵士の軍事郵便をまとめた「ツルブからの手紙」は、人はどんな状況下にあっても人と人を結ぶ「絆」の大切さ、戦争の悲惨さ伝える一つのツールとして是非とも後世へと残したい一冊です。

 

しかしながら当初の発行部数が少なく、今では15冊の残本で絶版の危機を迎えています。実は、その経費の全ては、遺児・征之祐さんが捻出されていたのです。

 

彼は発行部数はおろか、印刷・製本代を私たちに告げることなく、平成29年3月、病状悪化に伴い薬効虚しく天国のお父様のもとへ旅立たれました。

 

そこで、この一兵士の生きた証となった初版「ツルブからの手紙」に、未収録分と軍事郵便の差出人の人間像などに迫った内容を加え、より多くの方に届けたいと思い立ち、その実行ための印刷・製本費用を皆さまから集める、このプロジェクトを立ち上げました。

 

一兵士の想いと戦争の記憶を忘れないために、皆さまの暖かいご支援ご協力を、お願いいたします。

 

小林喜三出征の日。

 

 

親子の絆を伝える144枚の軍事郵便。

 

その軍事郵便をはじめて見た私は、例えようもない衝撃と、今にも通じる一兵士の絵文字メールには、時空を超えた新鮮さを覚えました。

 

その枚数も個人の手紙にしては膨大な量で、小さな軍事郵便に描かれた色彩も豊かなイラストや、それを囲むように書かれた極小文字は圧巻です。私たちは、そこに文字の数ほど愛にあふれていることに気付かされます。

 

私たちは、第3回目の企画展で、一兵士小林喜三の軍事郵便と出会いました。

 

「たった一枚の絵葉書を残して、父は南の島に果てました」と征之祐さんからは聞いていましたが、実際に持参されたのは22枚。それを展示するや否や、会場は想定通り騒然となり、次第に感動と号泣のるつぼと化したことはいうまでもありません。

 

それと同時に、参加者の皆さまから「講演を!」「書籍化を!」との声があがりました。征之祐さんに伝えると、講演はご快諾されたものの、書籍化は「これは親父の私信ですから」と、あっさり断られてしまいます。

 

その後「親子の絆」と題して征之祐さんによる講演や、私たちの「ツルブからの手紙」と銘打っての企画展などを、県内外を問わず展開するようになりました。その中で、征之祐さん自身が直接参加者の皆さまの声に触れたことで、遂に書籍化を決意してされたのです。

 

そして、平成19年、念願の「ツルブからの手紙」は誕生しました。その編集中にも、征之祐さんによって次から次へと軍事郵便が持参され、結果143通もの軍事郵便を収録し出版しました。その当時、私たちは「小出しのセイちゃん」などと言っていましたが、刊行後においても未収録の軍事郵便や手紙を持参されたのものですから必然的に、今一度「改訂版を」と考えに至った次第です。

 

征之祐さんと奥様。毎回お父様に語りかけるように講演をなさっていました。

 

遺児征之祐さんのライフワークとなっていた講演も、ご本人のご逝去により寸断されてしまいました。今となっては、毎回大きな声で「父さん!一緒に下関に帰りましょう」で講演を締めくくられていた在りし日の姿が目に浮かびます。あの時、講演90分の間に、演壇から会場にいるやも知れない父に向かって、征之祐さんは叫んでおられたような気もします。

 

今や、この「ツルブからの手紙」という書は、一兵士小林喜三の私信に留まることなく、それを守り続けた征之祐さんの想いがたくさん詰まった大切な書なのです。

 

征之祐さんから引き継いだ講演と企画展、そしてこの書を広めていくことこそ、彼が私へ与えた「人生の宿題」だと感じております。

 

征之祐さんの幼い頃のお写真です。

 

 

皆さまと一緒に、「ツルブからの手紙」を作りあげたい。

 

今回皆さまからいただいたご支援で、「ツルブからの手紙」改訂版を1,000部出版いたします。また、初版の刊行後に新たに発見された軍事郵便や手紙を収録し、より当時の一兵士の想いと愛に触れていただける書になっております。

 

さらに、皆さまからのご支援でこの書を作り上げることで、皆さまの想いも乗せた後世に残る書にしたいのです。

 

「ツルブからの手紙」詳細

 

《タイトル》

東部ニューギニア ニューブリテン島「ツルブからの手紙」改訂版

 

《内容概要》

改訂版では、既存の143枚と未収録の軍事郵便や手紙などを網羅し、一兵士の人間像に迫ります。

 

《目次》
序文 「これは日本人への遺書だ」 南 隆洋 読売新聞 元下関支局長
第1章 征チャンのシンブン
第2章 随想・詩文集―一無名詩人の軌跡
第3章 比島(フィリピン)編―軍事郵便 昭和十七年二月~八月二十一日まで
最終章 南海(ニューブリテン島)編 喜三終焉の地ツルブ―軍事郵便 昭和十八年三月二十二日~十一月十九日まで
ツルブカら下関へ「父さん私が征之祐です」

 

支援していただいた皆さまのお名前を、書の最後に「特別共同制作者」として載せさせていただきます。

 

 

 

 

皆さまの想いを書に乗せ、大切なことを伝え続けていきます。

 

このプロジェクトを達成させ、「ツルブからの手紙」がより広まっていくことで、一兵士の言霊(ことだま)、征之祐さんの伝えたかった想い、そして支援していただいた皆さまの想いが、恒久平和を希求する人々の琴線に触れることを願っています。


プロジェクト終了後は、刊行の実現と販売に精進し、その収益は当団体の「下関空襲・終戦展」と「ツルブからの手紙」の企画展の実施費用に充てていきます。

 

人は、どのような状況下にあっても、「生きること」「絆を持つこと」の素晴らしさを知っています。社会で一番小さな単位である「家族」や「地域」の「絆」の在り方が問われる令和元年、皮肉にも戦地からの手紙だからこそ愛と絆の大切さが浮き彫りになる。それらをまとめた「ツルブからの手紙」は、今を生きるあなたの心に人として「一番大切なこと」をお届けできる一冊です。

 

ぜひ、皆さまの想いをこの書に託してください。そして、より多くの人へ一兵士の想いを拡散してください。どうぞ、改訂版刊行に向け、皆さまよりご支援のほどよろしくお願いいたします。

 

 

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プロフィール

「ツルブからの手紙」のページをご覧いただき、ありがとうございます。  私は、当実行委員会の代表の井手久美子と申します。  海峡の町下関に生まれ育った生粋の下関人。俗に言う団塊世代の少し後の「シラケ世代」の申し子です。私たち世代は日本が戦後復興から徐々に高度成長へと向かう中で、ことあるごとに「戦争を知らない子だから」と、さんざん大人たちに叱られた世代です。そして祖父母から、叔父から、母から毎夜のごとく聞かされる戦時下の話には本当にうんざりでした。その私も成長するにつれ、あの大人たちの繰り言は一般庶民が戦前・戦中・戦後を「生抜いてきた証」だったことに気付くようになります。 そして戦争も敗戦も知らないに等しい私たちが昭和17年の終戦60周年を機に、地元の空襲から戦争を紐解いて見てはと、たった一度のつもりで取り組んだ「下関空襲・終戦展」が、今夏で第15回を迎える運びとなりました。

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リターン

5,000


【ツルブからの手紙・軍事郵便が伝える親子の絆】5,000円コース

【ツルブからの手紙・軍事郵便が伝える親子の絆】5,000円コース

・「ツルブからの手紙」改訂版1冊送付

・お礼のメール
心を込めて感謝のメッセージを送らせていただきます。

申込数
13
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2019年9月

10,000


【ツルブからの手紙・軍事郵便が伝える親子の絆】10,000円コース

【ツルブからの手紙・軍事郵便が伝える親子の絆】10,000円コース

・「ツルブからの手紙」改訂版2冊送付
自分用と、もう1冊はあなたの大切な人にプレゼントしていただけます。

・「ツルブからの手紙」にお名前記載
応援サポーターとして、今回刊行する「ツルブからの手紙」の最後のページに、支援者様のお名前を記載いたします。
※ご希望の方は、支援時に必ずご希望のお名前をご記入ください。記載を希望しない場合、「なし」とお書きください。また特定の人物を比喩するお名前や公序良俗に反するお名前は掲載をお断りする事が御座います、ご注意ください。

・「ツルブからの手紙」の展示物および講演をあなたの地での企画展開催もご相談に応じます。個人・団体を問いません。但し交通費等はお願いいたします。但し、展示物のみの貸出しはできません。

・お礼のメール
心を込めて感謝のメッセージを送らせていただきます。

申込数
6
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2019年9月

5,000


【ツルブからの手紙・軍事郵便が伝える親子の絆】5,000円コース

【ツルブからの手紙・軍事郵便が伝える親子の絆】5,000円コース

・「ツルブからの手紙」改訂版1冊送付

・お礼のメール
心を込めて感謝のメッセージを送らせていただきます。

申込数
13
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2019年9月

10,000


【ツルブからの手紙・軍事郵便が伝える親子の絆】10,000円コース

【ツルブからの手紙・軍事郵便が伝える親子の絆】10,000円コース

・「ツルブからの手紙」改訂版2冊送付
自分用と、もう1冊はあなたの大切な人にプレゼントしていただけます。

・「ツルブからの手紙」にお名前記載
応援サポーターとして、今回刊行する「ツルブからの手紙」の最後のページに、支援者様のお名前を記載いたします。
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・「ツルブからの手紙」の展示物および講演をあなたの地での企画展開催もご相談に応じます。個人・団体を問いません。但し交通費等はお願いいたします。但し、展示物のみの貸出しはできません。

・お礼のメール
心を込めて感謝のメッセージを送らせていただきます。

申込数
6
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2019年9月
1 ~ 1/ 6

プロフィール

「ツルブからの手紙」のページをご覧いただき、ありがとうございます。  私は、当実行委員会の代表の井手久美子と申します。  海峡の町下関に生まれ育った生粋の下関人。俗に言う団塊世代の少し後の「シラケ世代」の申し子です。私たち世代は日本が戦後復興から徐々に高度成長へと向かう中で、ことあるごとに「戦争を知らない子だから」と、さんざん大人たちに叱られた世代です。そして祖父母から、叔父から、母から毎夜のごとく聞かされる戦時下の話には本当にうんざりでした。その私も成長するにつれ、あの大人たちの繰り言は一般庶民が戦前・戦中・戦後を「生抜いてきた証」だったことに気付くようになります。 そして戦争も敗戦も知らないに等しい私たちが昭和17年の終戦60周年を機に、地元の空襲から戦争を紐解いて見てはと、たった一度のつもりで取り組んだ「下関空襲・終戦展」が、今夏で第15回を迎える運びとなりました。

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