誰もが安心して暮らせる町に。同性パートナーシップを広めたい!

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支援総額

1,016,000

目標金額 1,000,000円

支援者
57人
募集終了日
2019年11月30日

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2019年11月30日 12:23

活動報告;杉山文野さんにインタビューさせていただきました

元フェンシング女子日本代表をされたのちに性同一性障害と診断された自身のご経験を著書『ダブルハッピネス』(講談社)で出版され、現在は性的マイノリティについての講演を全国各地でされている杉山文野さんに、ご自身も協議会の一員として取り組まれた、渋谷区での同性パートナーシップ制度の効果についてや、地方自治体が取るべき多様性施策などについてお伺いしました。

学生の頃の杉山さん(左)と今の杉山さん(右)(杉山文野氏HPより)

 

ゼミ生:今回はインタビューを引き受けていただきありがとうございます。杉山さんは渋谷区での同性パートナーシップ制度の創設に関わられていたと思うのですが、どういった経緯でこの制度の創設に取り組まれて来られたのかお伺いしたいです。

杉山さん:渋谷区の同性パートナーシップ制度は、自分が学生だった15年前に友達から誘われてグリーンバードというゴミ拾いに参加したことで当時渋谷区議1期目の長谷部さん(現・渋谷区長)にあったことがそもそものきっかけです。長谷部さんとは毎週掃除することで色々なことを話する関係になりました。

それとほぼ同時に著書「ダブルハッピネス」を出版したところ、全国のLGBT当事者からの問い合わせが殺到しました。1人ずつは会えないので、ボランティア掃除に参加してくれたら会えるということを当時のブログに書くと、僕に会うために全国の当事者が掃除にやってきてくれるようになりました。当事者だけじゃなく当事者の親御さんやお子さんもいらっしゃって、その数の多さに長谷部さんから「こんなにいるのか。渋谷でもなにかできないか」と言われ、後日同性パートナーシップ証明書のアイデアを提案していただきました。婚姻届を提出するときにすごく幸福感を味わった、という長谷部さんの経験が元になっているようです。

検討委員会が発足し、委員会の有識者の人たちから、自分たちにはLGBTの想像がつかないので一回当事者の話を聞いてみたいと言われ呼ばれました。話をしたところ、検討委員会にいた教育長の話が印象的で、「教育者として長年やってきたが当事者がいるとは思わなかった」とおっしゃっていました。当事者の多くは子どもの頃に辛い経験をしている、そして当事者の子どもの自殺が多い話をさせていただいたところ「自分は取り返しのつかないことをしたのではないか」とおっしゃって、これまで停滞気味だった議論が加速していきました。長谷部さんだけでなく、当時の桑原渋谷区長も制度を後押ししてくださって、最終的にこの条例になったのが経緯ですね。

 

渋谷区の同性パートナーシップ証明書見本(ハフポスト記事より)

 

ゼミ生:実際に、同性パートナーシップ制度を導入したことによって、渋谷区では何か変化はあったのでしょうか。

杉山さん:一番大きな変化は、行政が正面からLGBTに対する取り組みをしたということで、そもそも行政サービス上「存在しない」とされてきたLGBTが「存在する」の前提に変化したことだと思います。個人が個人を認めるというのは本人たちの関係性で変わるものですが、社会が認めている存在は個人も認めやすいものです。法律まではいかなくとも世の中に認められている存在というお墨付きがあると個人としても認めやすくなるのではないでしょうか。これは大きな変化だと思います。少なくともフェーズは変わったと思います。

ゼミ生:やはり社会で認められることの意義は大きいですよね。渋谷区以外で、日本全体ではLGBTに対する認識というのはどのように変化してきたのでしょうか。

文野さん:だいぶ変わってきましたが、地方格差は大きいと思います。地方は、都会に比べて地域のつながりが強かったりしますよね。そうすると、LGBTへの理解がない地域では、「カミングアウトをしたら、家族も変な目で見られるのではないか」という不安がつきまといます。個人の能力とは関係ないスティグマがあるんですよね。でも反対している人の気持ちもわからなくはないです。反対している人は年配の方が多いのですが、それはLGBTに対する知識がなく、一部の偏ったメディアの情報だけで捉えてしまっているからです。反対されている方もLGBTに対する正確な知識を身につければ、考えはかなり変わるのではないでしょうか。無知からくる漠然とした不安を取り除けるように、丁寧に進めていくことが重要ですね。

ゼミ生:漠然とした不安という話では、新宿2丁目でゴミ問題の取り扱いがよくない、と訴える声も一部あるようですね。

杉山さん:当事者は自分が社会から受け入れられない存在だということで刹那的になる場合も多いですね。新宿二丁目のゴミ問題に限らず、社会の一員として認められていないことがモラルを悪くさせる原因になっているケースはあるのではないでしょうか。社会に自分の居場所を感じられれば大切にしようとも思うはずですが、そもそも自分の居場所がない、そんな社会ならば汚く使ってもかまわないと投げやりになってしまう。結果的に周囲からは面倒なヤツだと見られてしまうという悪循環ですね。

新宿は様々なものを受け入れる懐の深い街。多様性溢れる街だと感じる一方で、LGBTも含むすべての人が安心感を持って自分の居場所だと感じられているかというとまだまだ課題は山積みではないかと思います。

ゼミ生:杉山さんのご実家は歌舞伎町ですよね。地方に比べて、歌舞伎町は多様性に対して寛容な気もするのですが、ご自身が小さいころ、家族や周囲の理解を得る上で困難はあったのでしょうか。

杉山さん:親にカミングアウトしたのは20年前です。最初は「頭がおかしいから病院へ行け」とも言われましたが、理解は早かったです。父は新宿生まれ、新宿育ちで、歌舞伎町で商売やっていたので、色々な人がいるなというのは肌感覚でわかっていたのでしょうね。自分も社会の中では違う目で見られる存在だが、歌舞伎町には色々な人がいるので、そういう意味では新宿は居心地がいい街です。今は大久保に住んでいるのですが、僕が小さい時から大久保は4ヶ国語で町内放送をしていて、今大久保小学校の掲示板は7ヶ国語です。当たり前のように大久保小学校の子は日本人でも中国語喋っていますし、昔は大久保小学校の子がハロウィンにきてお菓子をねだる時に、チマチョゴリをきた子や金髪の子もいました。

7カ国語の学校だよりが掲示される大久保小学校(映画監督・青池憲司氏ブログより)

 

ゼミ生:新宿は多様性に寛容な街となる素地がありそうですね。

杉山さん:おっしゃる通り、とてもポテンシャルのある街だと思います。それは地域コミュニティだけでなくて行政の現場もそうです。以前、新宿区役所に出生届を出しに行った時に、自分がトランスジェンダーだと説明したんですね。窓口の担当は、年配のおじさんだったんですがそこまで驚かれなくて。別の機会に行った時は、若い女性だったのですが彼女も驚かないんですよね。それで「トランスジェンダーの人ってよく来ますか」と聞くと「私の知る範囲では初めてですが、ここは色々な人がくるんで」と言われました。現場はどんどん変わっているので、あとは制度や法律を変えていく段階なんだと思います。

ゼミ生:現場や地域コミュニティに任せっきりにならず、制度や法律で後押ししていくことが重要ですよね。最後の質問にはなりますが、同性パートナーシップ制度を通じてどのような社会が実現できるのかお伺いしたいです。

お子さんを抱っこする杉山さん
(Twitterより)

 

杉山さん:僕はLGBTのことだけを分かって欲しいわけではないのです。多様化する社会で大事なことは、自分と違う意見を持つ人とどう共に生きていくかということです。帰り道に道で車に轢かれれば障害者ですし、外国にいけば外国人になります。自分が当事者でなくても生まれてきた子どもが当事者かもしれないし、好きになった相手が当事者かもしれない。今は、マイノリティではないかもしれないですが、いつマイノリティになってもおかしくないんですよね。そういう点で、多様性というのはみんなに関係する話です。みんなが安心安全に暮らせる社会のために、社会全体で準備するべきだと思います。車椅子になってから段差に気づいて段差のない社会を求めて声を上げるにしても、車椅子になってからでは遅いですよね。当事者であっても当事者でなくても、マイノリティでもマジョリティでも、誰もが今日も明日も安心安全して暮らせる社会を考えていきたいと思っています。

ゼミ生:ときところが変われば誰しもがマイノリティになるかもしれないですし、当事者でなくとも決して人ごととして考える話ではないですね。本日はありがとうございました。

 

こちらのインタビューは、瀧本ゼミLGBTプロジェクト特設サイトにも掲載させていただいております。

https://t-semi.jp/2019/11/30/interview/

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