プロジェクト概要

 

がん患者さんにとって

「子どもを持つこと」が

当たり前に選択できる社会であるために

 

若年白血病患者の

妊孕性(にんようせい)温存支援-2019

             

 

 

はじめに

 

みなさんは、がん治療時に行なわれる、化学療法やホルモン療法、放射線療法、骨髄移植(造血細胞移植)等の副作用で、「髪の毛が抜ける」等の身体的変化以外、どういった影響があるかを知っていますか?

 

「妊孕性(にんようせい)の消失」

 

これも実は、化学療法やホルモン療法、放射線療法、骨髄移植(造血細胞移植)といった治療による副作用の一つです。

 

若年患者に対する治療では、その内容によって性腺機能不全、妊孕性の消失そして早期閉経の発来を引き起こすため、患者は生殖機能を失うことがあります。

 

患者にとって生きるための治療の選択。

それはときに、自分自身の未来における“子どもを授かる”という選択肢を奪ってしまうことになるのです。

 

 

 

いつか、パパやママになりたい

その夢を守るために

 

でももし、患者さんが将来的に子どもを持つことを希望したら。

そのときは、がん治療を行う前の段階で、患者さんは自分の妊孕性(*1)を守るために、「妊孕性温存療法」を選択することができます。

 

-「妊孕性温存療法」とは

 

がん治療時、化学療法やホルモン療法、放射線療法、骨髄移植(造血細胞移植)等による副作用により、患者さんの生殖機能が失われる前に、がん治療開始前に生殖医療技術を用いて精子や卵子の採取・保存等を行い、患者さんの妊孕性を温存するための適切な処置を行うことです。

 


 

◉患者が思春期を迎えている場合には、成熟した精子や卵子を採取、保存

-治療後、生殖機能が失われた後にも体外受精による挙児(*2)を可能にします。


◉思春期前の小児がん患者など生殖細胞を採取できない場合には、精巣や卵巣の組織を採取して凍結、保存

-治療後、組織を培養して成熟させたり患者の体内に移植し挙子の可能性を残します。

 

また、放射線から精巣や卵巣を遮蔽し、あらかじめ保護する方法もあります。

 

注)何よりも病気の治療が最優先です。病状病態により出来ないこともあります。また、出来たとしても、必ず挙児が可能という事でもありません。

 

【がん患者の妊孕性温存のための凍結保存法の選択の流れ】

 

※臨床研究段階です。

 

※臨床研究段階です。

 

【妊孕性温存治療費用イメージ】

■卵子凍結

・採取保存 約15~45万円

保存継続 約5万円/年

(治療期間:2〜8週間程度、出産例:6,000例以上、卵子あたりの妊娠率は4.5〜12.9%)

 

■精子凍結

・採取保存 約2~7万円 

保存継続 約1~6万円/年(当基金申請金額より算出)

 

ですが、これらの治療は自由診療のため費用も医療機関により様々。

治療費は全額患者の負担のため、

 

<<10代後半の女性が発症した場合>>

採取保存費用45万円に

保存費用5万円×12年間=60万円が加わり、

子どもを授かるまでの間に100万円以上の費用

 

がかかるようになります。

 

さらに、妊孕性温存費用の他に、がん治療にかかる高額な治療費も加算されるため、若い世代、特にAYA世代(*3)のがん患者さんにとっては大きな負担になり、チャンスがあっても「将来的に子どもを持つ」という夢を諦めてしまう人もいるのです。

 

団体として、30年以上にわたり白血病患者さんの支援活動を行うなかで、何度もこうした状況の患者さんと出会い、知り合いの医師に協力をしてもらいながら、患者さんたちの妊孕性温存をサポートしてきました。

 

そして、「若年性がん患者さんが妊孕性温存に向かう際のハードルを下げたい」そう思い続け、2013年ようやく基金立ち上げの目処が立ち、日本初となる”若年白血病患者(血液難病患者)の妊孕性温存支援を開始。

 

治療費の一部を助成する二つの基金を設立して、述べ86名の患者さんに対して、経済的支援を行ってきました。

 

■志村大輔基金
血液難病患者さんの分子標的薬治療(70歳未満)、精子保存(45歳以下)を支援する基金です。


■こうのとりマリーン基金
血液難病と闘う若年患者さん(35歳以下)のために、未受精卵子の保存を支援する基金です。

 

【患者さんからいただいたメッセージのご紹介】

<志村大輔基金で精子保存支援を受けた患者さんのお母様より>

息子は21歳で急性リンパ性白血病を発症しました。

突然の病名に頭の中は真っ白になり、どうしていいか何も考えられませんでした。医師から勧められた精子保存、今できる事をしてあげようと思う反面、費用が高額なため心配にもなりました。

母子家庭のため経済的に余裕がなかったのです。

 

 そんな中、志村大輔基金の支援が大きな支えになりました。

 

 世間には病気で悲しく思いをしている人が沢山いることに気が付きました。また、今回のように、患者や家族に寄り添って日々活動をしてくれている人達に感謝をするばかりです。現在息子はさい帯血移植を終えて、今は様々な副作用を一つずつ乗り越えています。 

 

 元気になって自分の人生をしっかり生きたいと頑張っています。病気になり多くの人に助けられ、人の善意や優しさのありがたさを改めて感じたと言っていました。

 感謝の言葉だけでは足りませんが、本当にありがとうございました。

 

<こうのとりマリーン基金で卵子保存の助成を受けた患者さんより>

 私は2015年9月に骨髄異形成症候群を発病しました。翌年3月にさい帯血移植をすることになり前処置の放射線治療で不妊になると聞きました。卵子保存をすすめられましたが、自費で高額なことからやらなくてもいいかなぁ…と考えていたところ、こうのとりマリーン基金を知りました。無事卵子保存を終え、さい帯血移植をし、今は自宅療養をしています。

 

 基金のことを知らなければ私は卵子保存をしてなかったかもしれません。

 

 今、私は21歳です。これから社会復帰をして仕事もプライベートも充実させて、いつかは自分の子どもがほしいなと思います。大変な思いをしている患者さんがいつかママになれることを心から願います。

 この度は本当にありがとうございました。

 

多くの患者さんからお手紙をいただいています。

 

 

しかし、基金設立から7年

いままさに存続の危機に瀕しています

 

二つの基金も設立から7年を迎え、皆さまからの温かいご寄付により、何とか今日まで続けて来ることができました。

 

しかしいま、助成できる基金の残額が少なくなり、基金の存続が危ぶまれています。

 

こうのとり基金では、上限30万円のところを5万円まで引き下げ、何とか運営を続けている状況です。

 

国内では、毎年二万人以上のAYA世代ががんを発症していると言われており、支援を必要とされている方が大勢います。

 

ですが、がん患者の妊孕性温存に関する支援は

 

2013年〜:当団体が日本初となる「若年性白血病患者(血液難病患者)の妊孕性温存」に関する経済的支援を実施

2016年〜:全国の自治体でも、市町村単位での助成金給付を開始し、実施自治体8自治体まで拡大(*4)

2017年〜:日本癌治療学会より「小児、思春期・若年がん患者の妊孕性温存に関する診療ガイドライン」発表

 

と、全国的にもまだ整備がはじまったばかりです。

 

だからこそ、「私たちの基金をなくすわけにはいかない」そう思い、妊孕性温存支援の安定的な継続と拡大に向けて、今回私たちはプロジェクトに挑戦することを決めました。

 

骨髄バンクの登録は年齢制限もあり全ての人が支援をすることはできませんが、ご寄付は誰でもできる支援のかたちだと考えています。

 

チャンスがあるのに経済的な理由で妊孕性温存療法を断念しなければならない白血病患者さんの背中を、一人でも多くあと押ししてあげられるように

 

はじめての挑戦に不安な気持ちではありますが、どうか、みなさまの温かいご寄付をいただきますようよろしくお願いいたします。

 

(*1)妊孕性:妊娠のしやすさのこと

(*2)挙児:妊娠出産

(*3)AYA世代:Adolescent and Young Adult/15歳から30代の思春期・若年成人を指す

(*4)全国骨髄バンク推進連絡協議会調べ

 

 

ごあいさつ

 

改めて、みなさまはじめまして。

全国骨髄バンク推進連絡協議会 顧問の大谷貴子です。

 

 

いまから33年前の1986年12月(当時25歳)、私は白血病の診断を受けました。

 

その当時は、他人から骨髄移植を受けることができる「骨髄バンク」というシステムはまだなくて、さらに、親子の骨髄の型は合わないと教科書に書かれていた時代だったので、当然どの血液内科の先生も両親の骨髄を調べようとはしてくれませんでした。

 

だから、唯一のきょうだいである姉と骨髄が合わなかったときは、もうダメだとさえ思いました。

 

「私、死んじゃうのかな」

 

そんな不安に押し潰されそうな日々のなか。

診断を受けてから、もうすぐ一年が経とうとしていたとき、一筋の希望の光が射し込んできました。

 

 

 

「アメリカで

骨髄バンクというものができた」

 

姉の旦那がそう教えてくれました。

 

そこから必死に調べて、HLA(*5)を研究している血液センターの研究者へとたどり着き、藁(わら)にもすがる思いで会いに行き話をしていくと、条件が揃えば親子のHLAでも型が合う可能性があるということが分かりました。

 

いざ検査をしてみると、本当に奇跡のような話ですが、母親とHLA型が合致。

 

 

日本初となる親子間の骨髄移植とともに、アメリカで発表されたばかりの「放射線を浴びない骨髄移植」という最先端医療を受け、私は無事助かることができたのです。

 

 

ですが、それから三年後の検査で、このときの治療により「自分が妊孕性を消失していたこと」を、私は知ることとなりました。

 

(*5)HLA(Human Leucocyte Antigen) : HLA型は両親から半分ずつ受け継ぐため、兄弟姉妹の間ではHLA型が完全にあったドナーが4分の1の確率で見つかると言われるが、多くの患者さんは家族内にHLA型が適合するドナーを持たない。 また、非血縁者間でHLA型が合うのは、数百から数万分の1の確率と言われている。

 

 

自分と同じ思いを

もう誰にもして欲しくないから

 

退院後、しばらく生理が戻らなくとも、「骨髄バンク」立ち上げのため奔走していたこともあり、生理が来ないことはさほど気に留めてはいませんでした。

 

しかし、三年経っても私の生理は戻らず、これは「さすがにおかしい」と思い採血をしてみたところ、自分が妊娠できない身体になっていることが判明。

 

私は、治療前に妊孕性の温存をしていなかったので、その瞬間、永遠に「子どもを授かる」という夢を失うことになりました。

 

治療によって無自覚のうちに不妊になり、その事実を突然突きつけられたこと。

 

そして当時は20代後半でちょうど結婚や出産を意識する世代だったこともあり、「子どもが産めない=結婚できない」と自分自身を追い込む日々。

 

せっかく骨髄移植を受けて助かった命なのに

「骨髄移植なんて受けるんじゃなかった」

「あのとき死んでいればよかった」

そう思ってしまうほどに、自分を追い込み、毎日泣きながら過ごしていました。

 

落ち着いて考えてみると、骨髄を提供してくださった方になんと失礼な考え方をしていたのだろうと思います。

 

 

もし、私も治療前に

赤ちゃんが授かるように

考えてもらえていたら

 

今から30年以上も前のことなので、当時は、当然がん患者の妊孕性温存に関するガイドラインなどはなく、「治療時妊孕性を消失する可能性があること」について患者に告知するかどうかは、担当医師の判断に委ねられていました。

 

もちろん、私自身「妊孕性温存」に関する知識もなく、自分の命の危機に面しているなかで未来のいつかのことを考える余裕もありませんでした。

 

「もうこんな思いは誰にもさせたくない」

 

そう思い、私は、全国骨髄バンク推進連絡協議会を通して、若年白血病患者さんの妊孕性温存に関する支援をはじめたのです。

 

 

「いつか、子どもを持ちたい」

その想いを尊重できる社会であるために

 

がん患者が「子どもを持つ」という選択することさえも不自由だったあの日から多くの時は流れ、2017年7月13日、日本癌治療学会より「小児、思春期・若年がん患者の妊孕性温存に関する診療ガイドライン」が発表されました。

 

ガイドラインでは、

がん治療による妊孕性の消失が予想される、40歳未満で治療を開始するすべてのがん患者に対し、医師が、妊孕性に関わる告知と妊孕性を温存するべく適切な処置をすること

が定められています。

 

突然のがん告知に驚き戸惑う患者さんにとっては、「生きるための選択」をするだけで精一杯で、助かるにはその治療しかないという状況ももちろんあります。

 

それでもやっぱり、その治療によって妊孕性に影響があるかもしれない事実を事前に知るのとそうでないのとでは、その後の気持ちが違うと思うのです。

 

「子どもを持つ」という選択をすることさえも

不自由だった時代から

 

「子どもを持つ」という選択を自由にできる時代へ

 

「自分が子どもを持つことが出来るなんて、まるで宝くじにでも当たったような、まさに夢のようなことでした。」そう話してくれるお母さんもいます。

 

社会が少しずつ前進している今だからこそ。

 

未来はきっとやってくる。

 

「いつか、パパやママになりたい」そうしたがん患者さんの想いを尊重し、少しでも「がん患者さんがライフステージに合った選択ができる社会」であるために。

 

私たちは若年白血病患者(血液難病患者)の妊孕性温存支援を継続していきたいと考えています。どうか応援よろしくお願いいたします。

 

私は、「お母さん」にはなれませんでしたが、たくさんの支援を通して
​​​​パパやママになった元患者さんのお子さんたちに囲まれて「おばあちゃん」にしていただきました。

 

 

寄附金の税制控除につきまして

 

本プロジェクト​へのご寄附については、税法上の優遇措置が適用される「寄付控除」対象となります。

 

 

全国骨髄バンク推進連絡協議会のご紹介

 

公的骨髄バンクの早期設立を求め、各地で活動していたボランティア団体が集結して設立。2020年に設立30周年を迎える、血液難病患者さんを支援するために活動を行う団体です。

 

活動の柱は次の4

・骨髄バンク制度の普及啓発と骨髄ドナー募集支援活動

・血液難病患者・家族の支援活動

・骨髄ドナー支援活動

・骨髄バンク及び医療充実の要望活動

 

患者・家族支援活動の一つとして、「 志村大輔基金」「こうのとりマリーン基金」に加えて、「佐藤きち子記念造血細胞移植患者支援基金~移植治療に関する費用を応援~」を運営しています。

※各基金毎に収入上限などの条件、外部委員による審査があります。

詳細はホームページに掲載しておりますので、お問い合わせください。

 

 

資金使途

 

今回集まったご寄付は、

・若年白血病患者(血液難病患者)の妊孕性温存支援

・骨髄移植(造血幹細胞移植)支援

・分子標的治療薬支援 など患者さんの経済支援 

ほか、血液難病患者さんの支援に使わせていただきます

 

 

プロジェクトメンバーのご紹介

 

■大谷 貴子(全国骨髄バンク推進連絡協議会:顧問)

 

 

2000年からこの活動を始め、ようやく2017年に医療界が動きました!

しかし、また、新たな問題が。

 

妊娠する可能性を残すための精子保存、卵子保存には高額な費用がかかるのです。しかも、全額自費です。保険診療ではありません。

保存費用が足りない、というだけで、パパに、ママになりたい、という夢を絶ってしまうのはあまりにも悲しいです。

 

そこで、今回、クラウドファンディングを開設することにいたしました。

 

今日もどこかで若い世代の方が「白血病です」と告知されています。ショックを受けておられるかもしれませんが、このプロジェクトが、患者さんに治療後の夢を知ってもらえる応援メッセージになりますよう、どうか、応援のほどよろしくお願いいたします。

 

■田中 重勝(全国骨髄バンク推進連絡協議会:理事長/骨髄バンク初のドナー)

 

ドナーは提供した患者さんの未来だけでなく、さらに続く新たな命をも夢見ることが出来るのです。次から次へと続くあらたな命に皆様からのお力をいただきたい。

 


最新の新着情報

このプロジェクトに寄附する
(※ログインが必要です)