皆さまのご支援を患者さんにお届けできたことをご報告いたします
支援者の皆様
平素は当協議会の活動にご理解、ご支援を賜り、まことにありがとうございます。心より感謝申し上げます。
2019年に実施しましたクラウドファンディングは、722名の方から13,863,000円もの多額の寄付を頂きました。ありがとうございました。皆様にお寄せいただきましたご厚志は、プロジェクトページの資金使途でご案内させて頂きました通り、下記の用途に使用させて頂きました。
⑴若年白血病患者(血液難病患者)の妊孕性温存支援
「こうのとりマリーン基金」 「志村大輔基金(精子保存)」
当時、資金枯渇のために難治性血液疾患の患者さんの妊孕性温存を経済的に支援する「こうのとりマリーン基金」の存続が、非常に困難な状況でしたが、皆様の温かいご支援のおかげで今日に至るまで運営を継続することができ、多くの患者さんの妊孕性温存に役立てて頂いております。
妊孕性温存治療につきましては当協議会をはじめ各種関連団体が国や関係機関に働きかけ続けてきた結果、2021年4月からは、厚生労働省の妊孕性温存療法研究事業として公的助成が実現し、更に将来的には健康保険が適用される見通しも出てまいりました。しかしながら相変わらず採取した精子や卵子の継続保存料は対象外であったり、施行元年に当たる今年に関しては自治体により体制に差があるなど、まだまだ手放しで歓迎できる状況ではなく、今後も注意深くその行く末を見守ってまいりたいと存じます。公的助成の導入により「こうのとりマリーン基金」の助成申請件数は大幅に減少しましたが、今後も精子や卵子の保存料など公的助成でカバーしきれない部分についての助成は続けてまいります。
《2020年度の助成状況》
「こうのとりマリーン基金」(卵子保存)
助成件数 6件 助成金額 381,530円
「志村大輔基金」(精子保存)
助成件数 12件 助成金額 422,618円
⑵骨髄移植(造血細胞移植)支援
「佐藤きち子記念 造血細胞移植患者支援基金」
患者さんからの申請内容を見ると、コロナ禍の影響を受けた方が多くいらっしゃることがわかります。患者さんの闘病を支える家族の方も、失職したり、収入が減った方もいらっしゃいます。そんな患者さんたちの造血細胞移植治療を支える基金として「佐藤きち子記念
造血細胞移植患者支援基金」も多く利用されました。経済的な状況により治療の選択肢が狭まることのないように、支援を続けていきます。
《2020年の助成状況》
助成件数 21件 助成総額 2,934,440円
⑶分子標的治療薬支援
「志村大輔基金(分子標的薬)」
「志村大輔基金」も一時は資金の枯渇により存続が危ぶまれましたが、皆様の尊い支援のおかげで多くの患者さんに役立てて頂いています。今や白血病は決して不治の病ではありませんが、高額な分子標的治療薬を継続して使用しなければならない患者さんも大勢いらっしゃいます。安心して治療を受けられるよう、この基金を利用していただいています。
《2020年の助成状況》
助成件数 71件 助成総額 3,760,000円
⑷その他の血液難病患者さんの支援
「白血病フリーダイヤル」
血液疾患の診断を受けた患者さんやそのご家族、関係者は動揺し、複雑な病気のメカニズムを正しく把握できなかったり、闘病や治療に関する正しい情報を整理できなかったりすることがよくあります。後から主治医や医療関係者、専門家に話を聞こうにも、なかなかその機会を得られずに悩んでいる患者さんも決して少なくありません。「白血病フリーダイヤル」はそんな患者さんやご家族の様々な悩みや相談に対応する「よろず相談室」です。全国どこからでも匿名、相談・通話料無料で相談できるこの電話相談は1996年7月から四半世紀にわたり続いています。2020年は緊急事態宣言の時は休止とし、その他の期間も月2回の活動と通常の半分になりましたが、多くの方から様々な相談が寄せられました。第2・4土曜は専門医と直接相談でき、また、元患者や患者家族でもある相談員との会話はネットでは得られない安心感があると言っていただいています。開設以来、開催回数は1,239回、累計相談件数は8,812件になりました。(2020年3月末日時点)
《2020年の相談状況》
開設回数 15回(毎月第2、4土曜日) 受付相談件数 153件
相談員数 延べ45人(うち医師(血液内科医、小児科医) 延べ15人)
クラウドファンディングでご寄付頂きましたご厚志は、上記の各助成金並びに各基金の運営費用、白血病フリーダイヤルの運営費用に充当させて頂きました。
上記の他にも血液難病と診断された病初期の患者さん、ご家族のためのハンドブック「白血病と言われたら」改訂第6版の発行・発送・ホームページからの無料ダウンロード環境の整備、ドナー支援活動、国(厚生労働省)や公的機関に対する要望活動など、様々な患者さん支援活動を展開しています。これからも皆様のご厚志が直接患者さんに伝わりますよう、今後も私どもの使命を果たすべく取り組んでまいる所存です。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
2021年12月吉日
認定特定非営利活動法人
全国骨髄バンク推進連絡協議会
副会長(前顧問) 大谷 貴子