MASALA AID INDIA完了のご報告
この度は、支援プロジェクト「MASALA AID INDA」に多大なるご支援を頂き、誠にありがとうございました。
遅れ馳せながらで申し訳ありませんが、皆様のご尽力の甲斐あって、プロジェクトが一応の完了を迎えましたので、この場にてご報告させていただきます。
①グジャラート州、北部村落部への支援
≪前回までの報告≫
現地のＮＰＯ「フレンズ・オブ・オール」を通じて、政府からの最低限の支援すら届かない未亡人の方々への支援を行いました。
・なぜ支援先が「未亡人」なのか？
インド（特に都会でない地域）においては未だに男尊女卑の風潮が色濃く残っています。
早くに夫を亡くした女性たちは再婚はおろか社会復帰すらも許されず、身分云々以前に「存在しない人」として扱われます。
彼女らは家から出ることも許されず、コミュニティ内の誰とも繋がることができないまま一生を終える事も珍しくありません。
いくら大量の物資やお金があろうとも彼女達に届くことは無く、コロナ禍の苦境においても、現状を訴える術も、訴える相手すらも居ない状況です。
報道もされず、ＳＮＳにも上がらないまま、この問題は長い間放置され続けてきました。
・彼女たちに一番必要なものは何か？
「大事なのは、彼女達に直接『手渡し』で物資をとどけること」と、フレンズ・オブ・オール国際コーディネーターの川根 友さんは語します。
「一軒一軒に物資を物資を配る」ではなく、「一人一人に声掛けし、一か所に集めて、皆の前できちんと説明し手渡しで物資を配る」(※感染防止対策を行った上で実施)。
このことで、今まで孤立無援だった未亡人の方々が「自分と同じ境遇にある人たちがこれだけいるんだ」と知ることができます。
「衛生用品も大事だけど、何よりも大事なのはそうした『繋がり』を生み出すこと。」
だからこそ川根さんのチームは、手渡しという手間のかかる手法にこだわります。(2021.1月時点)
≪フレンズ・オブ・オールの支援のその後≫
2021年7月現在、未亡人たちへの支援の輪は、川根さん達のチームの予想を超えて広まっています。
最も大きかった効果のひとつは、近隣の村の教師やヘルスケアワーカー、村議会メンバーが、未亡人たちが抱えている問題に気付き始めたこと。
変異株の蔓延でボランティアが動けなかった時期があったにも関わらず、支援の輪はどんどん広がっているといいます。
社会的に声を上げることすら出来ず、そもそも周囲に認識すらされていなかった人々が、今ようやく周囲のコミュニティの支援を受けられるようになりました。
物資の「手渡し」という人と人とをつなぐ支援により、川根さん達のチームは、未亡人の方々を取り巻く環境そのものを変えることに成功したのです。
フレンズ・オブ・オールの活動に興味やメッセージのある方は
川根 友/Premkumar
foainternational@yahoo.co.in
kawanetomo337@gmail.com
までお願い致します。
②タミルナードゥ州チェンナイへの支援
≪前回までの報告≫
「Tokyo Tamil Sangam（東京タミル人会）」会長のGanesan Hari Narayananさんの協力のもと…
・コロナ禍により仕事がなくなってしまったミュージシャン達への支援
・学ぶ機会を失ってしまった大学生への支援
この両方の活動を行いました。
・ミュージシャンファミリーへの支援
「バスやオート(三輪タクシー)の運転手、ホテルの従業員、床屋、美容院…新型コロナの影響で、チェンナイのあらゆる職業の人たちが、賃金を得られず困っています。」
チェンナイ在住の日本語語学生ギータさんはそう語ります。
日本と異なり、インドでは多くの人々が個人事業主(フリーランス)としてあらゆる職業に就いています。
事業主と言えば聞こえが良いですが、その実態は少ない賃金でその日の暮らしを賄う人がほとんど。インドの経済や暮らしは、そうした膨大な数の小規模事業者によって支えられていますが、彼らには賃金の保証なんてありません。
インド国内でも特に感染者の多いチェンナイには、数多くのミュージシャンファミリーが暮らしており、彼らも今深刻な危機に陥っています。
チェンナイは南インドの伝統芸能や音楽文化の中心地。ミュージシャンの多くは、寺院などにおける祭事や儀礼とも繋がりが深く、人々の生活に無くてはならない職業です。
しかし、悲しいことにコロナの影響で真っ先に仕事が無くなってしまったのは、文化の担い手である彼らだったと言います。
「人々の生活と共にある伝統文化を、コロナ禍で絶やしてはならない。」
そうした思いのもと、「Tokyo Tamil Sangam」と現地のボランティア団体は支援を行い、チェンナイの主要なミュージシャンチームとその家族に食料の支援を行いました。
・大学生たちへの支援
インドでは、きちんと進学し学ぶ機会を得られる学生は大変少なく、その道は２つしかありません。
ひとつは、裕福な家庭に生まれること。
もうひとつは、家が貧しくても大変優秀かつ真面目であること。
現在コロナ禍で困窮しているのは、後者の学生たちです。彼らはその貧しさ故に、オンラインで授業を受ける手段を持っていません。
今回の支援で、彼らに中古のスマートフォンとＳＩＭカードを支給することが出来ました。
インドの未来を支える人材を絶やすことも、あってはなりません。
≪Tokyo Tamil Sangamの支援のその後≫
・ミュージシャンファミリーへの支援のその後
一度は終息したかに思えたインドの感染状況は、ご存じの通り変異株の出現により更なる危機を迎えました。
残念ながら、南インド（タミル）の伝統音楽の担い手達の状況も、未だ苦しい状況にあります。
根本的な問題が解決できない以上、金額的な支援には限界があるため、Tokyo Tamil Sangamはオンラインでのライブイベントも多く開催しています。
最近では、そのイベントを通じて、インドの医療機関へ酸素吸入器の支援を行うことも決定しているそうです。
・大学生たちへの支援のその後
オンライン授業に必要な中古スマートフォンとSIMカードは、皆様の支援のおかげで大部分の生徒に行き渡りました。
しかし、大人口を抱えるインドでは学生の数も多く、まだ十分な学習環境を得られていない生徒はまだ大勢います。
Tokyo Tamil Sangamは、引き続き、別口の支援を募りながら問題解決に向けて活動を行っています。
会長のGanesan Hari Narayananさんのもとにはインドだけでなく日本国内に住むインドの方々からも数多くの支援の依頼が日々何件も舞い込むといいます。
未だに出口が見えないコロナ禍の中、Tokyo Tamil Sangamは日々チームでそうした問題に取り組んでいます
そうした活動にご興味のある方は、是非とも
https://www.facebook.com/tamilsangamtokyo/
をチェックしてみて下さい。
③ケララ州・スパイス農家への支援
最も難航していたケララ州への支援ですが、ようやく目途が立ちましたのでご広告させていただきます。
世界最大規模の感染拡大が広がる中、インド政府は世界的に見てもかなり厳しいロックダウンを決行してきました。
ケララ州においてもそれは顕著で、飲食店や小売業の休業命令だけでなく、クラスターが発生した生鮮市場をまるごと閉鎖…などということもあったと現地在住の真美・デービスさんは語ります。
南インドの中でも、ケララ州はスパイスをはじめとする農産物の生産量が非常に多い地域です。
カルダモン、クローブ、コリアンダー、ターメリック等…日本に輸入されるメジャーなスパイスの多くを栽培しているのもケララ州。
遠く離れたインドの農家のピンチは、そのまま日本の（あるいは世界の）スパイス料理文化のピンチでもあります。
MASALA AID INDIAの発起店であるゼロワンカレーA.o.Dの料理のほとんどがケララ料理ということもあり、ケララ州への支援はメインの柱のひとつ考えていました。
ところが、インド国内で変異株による感染が急拡大。支援先のコーチンハーバー・ロータリークラブも、元より現地で様々な支援を行っていたということもあり手一杯に。
数か月間、具体的な支援スケジュールが立たないままでしたが、名誉理事のDavis Sebastianさんの尽力により、2021年７月末日に支援を行うことが決定しました。
支援先の農家さんや支援内容に関しては、現在ロータリークラブのメンバー内で検討中とのこと。
続報が入り次第、引き続き支援者の皆様にお伝えしていきます。
≪支援額とその内訳について≫
クラウドファウンディングによる募金の総額
2,260,000円
クラウドファウンディングの募金からリターンの経費ならびにReadyFor利用手数料を差し引いた額
1,515,117円
各協力店舗様からの募金
計235,546円
合計1,750,663円
うち
フレンズ・オブ・オール（グジャラート州）へ
80万円
東京タミルサンガム（タミルナードゥ）へ
70万円
を既に寄付しています。
主な支援用途は上記の通りです。
そして現在の残額は250,663円
これに、ゼロワンカレーからの寄付15万円分を加えた400,663円を、ケララ州のスパイス農家の方々に、コーチンハーバー・ロータリークラブ経由で募金します。
≪クラウドファウンディングのリターンについて≫
6月上旬頃に、各支援者様にメールにてお伝えした通り、現在各返礼品の製作が大幅に遅れております。
返礼品のうち、オリジナルコインケースとオリジナルタオルの作製は既に完了しており、それらのリターンをご購入頂いた支援者様への発想も完了しております。
ただ、現在ガイドブックの編集、製作が非常に遅れており、8月末の送付を目標に動いております。重ね重ねお待たせして大変申し訳ありませんが、併せて宜しくお願い申し上げます。
ゼロワンカレーA.o.D店主 立田 侑志(通称：まるちゃん)
