プロジェクト概要

カンボジアで小学校に薬草園を作り、持続可能なソーシャルビジネスを支援します!

 

はじめまして!CaTHA(カンボジア伝統医療協会)の高田忠典です。私は、途上国の乏しい医療環境を改善するため、現地で入手可能な薬草などの天然資源を用いた伝統医療を普及させる活動を行っています。

 

カンボジアは90年代後半まで続いた長い内戦の影響で、アジアの中でも特に医療サービスの乏しい状況が続いています。都市から離れた地域の医療アクセスはさらに厳しく、最近土地を失った人々の46%は、医療費に関連した借金が原因であると言われています。

 

医療アクセスの乏しい途上国の村で「薬草栽培」を通じたプロジェクトを一緒にお手伝いいただけませんか? 是非、皆さまにご協力頂きたいです。

 

(村人と児童たちが力をあわせて薬草園をつくります)

 

今回、皆様に応援して頂きたいプロジェクトの舞台は、世界遺産アンコールワットのあるシェムリアップの街に程近い山村の小さな小学校です。

 

プロジェクトでは、学校の敷地に安全で効果が確認されている約70種類の薬用植物を集めた薬草園(600平方メートル30m×20m)を作ります。村人達は薬草園の植物をサンプルとして周辺の豊富な薬用資源を有効活用できるようになり、児童たちはカリキュラムで指定されている農業の授業で薬草園を使い、村で生きていくための知識を身につけることができるのです。

 

また、村の医療アクセス改善のためにカンボジア政府保健省・伝統医療局と協働してワークショップを実施します。ワークショップでは、公立の診療所スタッフや、正規の研修を受けた経験豊かなクルクメールと呼ばれる村の伝統医療師が中心となり、薬草についての正しい知識と使い方、現代薬や公共医療サービスとの使い分けについて有識者と村人が一緒に学ぶ機会を作り上げます。

 

さらに事業期間中には、生徒のお母さん達で栽培組合を作り、国内でニーズの高い薬草や絶滅の恐れがある薬草の栽培を指導し、環境に優しく持続可能なソーシャルビジネスを応援します。今回みなさんに協力をお願いしたいのは、村の小学校に薬草園をつくり、村人とのワークショップを開催するために必要な大切な資金の提供です。

 

プロジェクトの舞台はアンコール王朝発祥の地であり薬草の宝庫

 

(クーレン山には謎に包まれた多くの古代遺跡が無数に点在する)

 

プロジェクトの現場となるプレアントム村は、シェムリアップの中心街から65km離れたクーレン山の山頂にある小さな村です。クーレン山は古くから聖地として崇められ、アンコール王朝を興したジャヤヴァルマン二世が、自らを神王として名乗り挙げたという由緒ある場所です。最盛期には53件の寺院が建立されていました。また古くから薬草の宝庫としても知られており王家の療養地であったという記録も残っています。

 

しかし、1970年代後半に起こった内戦時代にはクーレン山一帯は、自然の要塞としてポルポト軍ゲリラの占拠地となりました。そのため、今も回収できない無数の地雷が埋められたままの状態であり、多くの薬草を有する森は、広大な地雷原でもあるのです。クーレン山の一部の村に再び一般の人々が入山できるようになったのは1996年以降のことでした。

 

現在、プレアントン村には187家族390人が暮らしています。古代の採石場であったこの土地は、岩盤が厚く耕地面積が少ないため、村人の多くはプレアントン寺に参拝する観光客を相手に、近くの森で採取した果物やハチミツ、生薬などの土産物を販売することで、なんとか生計を立てています。

 

クーレン小学校は、この地域にある唯一の学校です。村の入り口の小川を渡った草原にある50m四方の囲いで区切られただけの小さな学校。6人の教師と228人(男子90人、女子138人)の児童が通っています。6つの部屋に区切られた校舎で子供達は毎日元気に勉強しています。もちろん電気も水も引かれていません(今回、薬草園と一緒に近くの川から水道も作ります)。

 

(教室でポーズ。カンボジアのこどもたち)

 

カンボジアの医療状況とカンボジア伝統医学

 

内戦からの復興の下、政府は海外からの援助で地方を中心に約1,000カ所の保健所を設置してきました。しかし慢性的な医療人材と資材の不足により、十分な医療サービスが行われているとはとても言えない状況です。その様な村にとって最善の医療支援は、我々が普段使っているような西洋薬が恒久的に届けられる事だと思います。しかし、国際社会からの限りある支援だけでは、すべての地方に十分な薬を供給できないのが現実なのです。

 

一方、カンボジアには熱帯地方特有の豊富な天然資源があり2,000種類以上といわれている薬用植物が自生しています。下の図を見ていただくと分かりますが、地方の村人を対象に我々で調べたところ、村人達は西洋薬と伝統薬(薬草)を症状によって使い分けている状況が観察されました。

 

風邪や下痢などの急性症状には西洋薬が使われていますが、産後の不調や筋肉の痛み、消化器系症状など多くの慢性疾患には伝統薬が使われている事が分ります。西洋薬で補えない疾患に対して人々は伝統医療を利用しています。

 

(図 村人の西洋薬と伝統薬の使い分け)

 

各村で伝統医療を村人に供給しているのがクルクメールと呼ばれる人たちです。クルクメールという名称は、カンボジアの言葉で「カンボジアの先生(クル=先生、クメール=カンボジア)」という意味です。

 

クメール王朝時代から伝わる医学知識で、代々村人の健康を守ってきた彼らは、コミュニティーの中で精神的な支えとしての役割も担ってきました。しかし、内戦終結後は伝統医療に関する正規の高等教育機関が作られず、伝統医療の知識はクルクメールの家族の中だけで伝えられてきました。

 

カンボジア保健省は、廉価な伝統医療を普及して地方の医療アクセスを改善するために、全国の現役クルクメールを対象に短期の研修を実施してきました。全国から研修に参加したクルクメール342名は、CaTHAというクルクメールの協会を作り、同業者ネットワークを活用して伝統医療についての情報を収集し、ニュースレターを発行するなど、正しい伝統医療情報の発信に取り組んでいます。

 

伝統医療師の能力とネットワークの活用

 

(クルクメールの研修風景。彼らがこのプロジェクトを支えます)

 

私は2009年からカンボジアに住み、地方で活躍するクルクメールと呼ばれる伝統医療師への研修事業とカンボジアの伝統医療についての調査を政府保健省(日本の厚生労働省に相当)と一緒に行ってきました。

 

当初、私はカンボジアの伝統医療復興事業に参加するという事を伺って着任したのですが、実際にカンボジアに住んでみると、伝統医療が既にカンボジアの人々の生活の中に深く根付いていることに驚かされました。街の市場には原料となる生薬の大きな問屋街もあります。WHO(世界保健機構)の推計では、76%以上のカンボジアの国民が伝統医療を利用しているとされており、カンボジアの地方に住む人々の生活には薬草は欠かせないものなのです。

 

最近、日本でも漢方薬が多くの病院で処方されるようになりましたが、東南アジアの途上国の間でもWHOやASEAN(東南アジア諸国連合)といった国際機関が国民医療サービス向上のために、各国政府に対し廉価で効果の確認された伝統医療を積極的に導入していくよう勧めています。現在、ASEAN 10カ国の政府代表によって『プライマリーヘルスに有効な薬草』という出版物の共同編集も進められています。

 

(プノンペン、オルセー市場にある問屋街の一角。全国から伝統薬の原料となる生薬が集められる)

 

プレアントン村の保健状況

 

プレアントム村から最寄りの保健所に行くためには、8kmのガタガタ路を通わなくてはなりません。保健所には看護師と助産師の各1名ずつが午前中のみ常駐していますが、最低限の種類の薬しか常備されていません。

 

保健所でカバーできない病状をもつ患者さんは、さらに60キロ離れた街の病院に行くしかありません。村から保健所までの交通費はバイクタクシーで往復約400円、街の病院までは乗り合いタクシーで往復1800円かかります。これは1日の収入が約250円という生活水準の村人達にとって経済的にも精神的にも大きな苦痛となっているのです。

 

さらに信じられない事ですが、多くの違法の偽薬も国境を越えて流通しています。保健所から遠く、正しい薬の服用の知識を持たない村人たちの間では、過剰摂取で命を落すような事故が後をたちません。村人が地域にある薬草を正しく安全に使用することができれば、このような事故も防げるかもしれません。

 

また、クルクメールは基礎的な西洋医学の知識と、医療機関への搬送手段も学んでいるので、必要に応じ最寄りの診療所に行くよう患者に勧めます。薬草に関する正しい知識を共有することが出来れば、村人の健康に関する不安と苦痛を和らげる事が出来るのです。

 

薬草栽培のソーシャルビジネスで持続可能なプロジェクト

 

(学校の敷地では、数が減少している薬草の栽培にも挑戦)

 

このプロジェクトによって改善される効果は保健環境だけではありません。CaTHAでは全国のクルクメールを対象に調査を実施し、どの薬草が不足していて全国的にニーズがあるのかデータを集めました。薬草栽培を村の産業とする事で村人達が収益を得ます。

 

CaTHAの会員の中には都市部の生薬問屋さん達もいるため、この村の収穫物は全て買い上げるシステムが出来ています。また無計画な森林伐採や乱獲によって絶滅に瀕している品種の栽培も促進し、生物多様性を守る取り組みにも取り組んでいきます。小さな取り組みかもしれませんが、みなさんの協力によって、プレアントム村の保健・経済・環境を向上させる、素晴らしいプロジェクトなのです。

 

プロジェクトのアイデアは村の伝統医療師が発案で生まれました。

 

(クルクメールと児童たち)

 

小学校の薬草園」のアイデアは、外国人である私の押し売りではありません。カンボジア南部カンポット州で村長をやっている伝統医療研修卒業生のウイ・トンさん(46歳)が、1年前から村で自発的に始めていました。

 

研修を終えて村に帰った後「伝統医療の知識を次世代の子供達に伝えていきたい」という願いから、小学校の校長先生と供に募金を集め自発的に始めていたものです。私も始めて彼らの「小学校の薬草園」訪問した際には衝撃を受けました。

 

私自身も地方の村でプライマリーヘルスケア向上のためにミニ薬草園を作るアイデアを考えていましたが、土地代や労働賃金、乾期の水対策などで経費がかかることからプロジェクトを断念していたのです。

 

しかし「小学校の薬草園」では、公立の施設で教育の一環として薬草を取扱うため、土地代も労働賃金がかかりません。また、乾期には児童全員に2リットルのペットボトルに水を持参させる事で水瓶を一杯にしているというのです。肥料となる牛や鶏のフンも無料で手に入ります。

 

私が訪問した時にも、5年生になる女子児童が「この草は、お腹が痛い時に良い。風邪をひいた時には2種類の葉っぱをお湯に浸して頭からタオルを被って蒸気を吸えばいいの」などと誇らしげに教えてくれました。

 

また、3年生の男子児童のお父さんは、自分が風邪をひいて畑にでられず家で寝ていたら、息子が学校帰りに薬草を集めてきてくれたそうです。さらに、校長のマウ・ルンさん(58歳)によると、子供が学校の授業で薬草の勉強をしていると知り、保護者が頻繁に学校へ健康相談をしに尋ねて来るのだそうです。

 

伝統医療は人々の病気だけではなく、村人達の経済基盤、内戦で破壊されたコミュニティーの連帯感、国民のアイデンティティーをも癒します。

 

この素晴らしい取り組みが、CaTHAの総会で発表された時、目を輝かせながら一番始めに参加したいと名乗りを挙げたのがシェムリアップ州プレアントン村出身のクルクメール、バニーさん(38歳)でした。

 

(作業中のバニーさん)

 

貧しい家庭に生まれたバニーさんは、幼少の頃から寺に預けられ、僧侶として成長する中で伝統薬の知識を習得しました。今は還俗しクルクメールとして生計が立てるようになりました。笑顔の素敵な奥さんは元教師で、今はこの村の村長をやっています。バニーさんとの間に4人の可愛いお子さんをもうけました。

 

また、今回、薬草園設置を計画している、村で唯一の小学校の校長先生は義理の弟さんにあたります。バニーさんは、この村でクルクメールとして過ごす中で「いつか、この村の人々のために何か役に立つことをしたい」と日々考えていたと言います。

 

(クルクメール・バニーさんと家族)

 

「小学校の薬草園」。実はカンボジアの伝統医療の普及、さらには医療サービスの充実のために大きな役割を果たします。

 

本プロジェクトは、CaTHAの会員ネットワークとカンボジア政府、村人と村の小学校、そして、みなさん1人ひとりからのご支援が集まって初めて実現いたします。本事業が村の保健・経済・環境が改善される事をご紹介しましたが、実は「小学校の薬草園」は、今後カンボジアの伝統医療サービスが発展していくための重要な役割も担います。

 

通常、国で薬草を登録したり製品を作るためには、その薬草の産地や成分についての分析をしなくてはなりません。同じ植物でも地域によって成分が異なるため、色々な地域の同種類の植物を比較する作業が必要になります。その時、地域ごとにその土地で収集したサンプルの薬草園があれば、研究者達は求める薬草の探索のために、わざわざ深い森に入る必要はなくなるのです。

 

本プロジェクトは政府保健省と連携して行いますので「小学校の薬草園」は国立伝統医療局が管理する国立薬草園と連動して、今後、研究調査の対象となります。また、薬草の普及により、最寄りの診療所のデータ(来院数等の変化など)も有用な公的資料として扱われ伝統医療の普及に役立ちます。

 

今後も私たちは、このプロジェクトが村落開発のモデルケースとして他の途上国にも応用されていくことを期待し、このプロジェクトに継続性をもって取り組んでいく予定です。
この事業に興味をもって下さる一般の方々はもちろんですが、特に本プロジェクトの意義と将来性を理解して頂ける、各分野の研究者、生薬関連企業、統合医療に携わる専門家のみなさまにも、ぜひご支援を頂きたいと願っております。

 

このプロジェクトは、カンボジアで計画されていますが、日本の技術と支援でプロジェクトを盛り上げていくことにより、日本の生薬栽培や漢方製薬、統合医療業界の活性化につながる大きなインパクトを秘めています。

 

活動に共感していただける方はぜひご支援とご協力、宜しくお願いいたします。

 

(薬草園はみんなで大事に育てます。)

 

【引換券について】

 

¥3,000の支援で受け取る引換券


お礼のメールと活動報告書(PDF)をお送り致します。
また、皆さまのお名前をCaTHA Facebookファンページにてご紹介させていただきます。

 

¥10,000の支援で受け取る引換券


上記にプラスして日本人石鹸職人によってカンボジアで2ヶ月間もの行程をかけて造られている「高純度天然ハーブ無添加石鹸」1個(2,700円相当)をお送り致します。
Khmer Rabbitクメール・ラビット 

リンク: http://wombshopdiary.blogspot.com/2013/06/staff-okini.html

(カンボジアだから製造可能な手間ひまかけて作られた世界一の石鹸。これを一度使ったら他の石鹸は使えません)

 

¥20,000の支援で受け取る引換券


上記にプラスして、小学校の薬草園に植える「各薬草のサインボードに皆さまのお名前」を明記させていただきます。企業様、研究機関、店舗のロゴ等を入れる事も可能です。

 

また、プロジェクト現場を視察する3泊4日のカンボジアツアー(アンコールワット観光、交流会、付き)への招待券をお送り致します(費用は自己負担です)。※日程は2014年5月ゴールデンウィークを検討しています。

 

(薬草と一緒に、みなさまのお名前が、村の小学校で大切に代々伝えられていきます)

 

¥100,000の支援で受け取る引換券


上記にプラスして、子供達が書いたイラスト入りの手紙と写真をお送りいたします。

 

(子供達が日頃授業で勉強している薬草園のイラストです)

 

カンボジアを薬草の国へ変えていくために、ぜひともご協力・ご支援のほどよろしくお願いいたします!

 

(写真提供:日本財団)


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