地方の殖産産業を通じて日本の少子化対策慈業

私は福岡大学マンドリンクラブの卒です。

福岡大学マンドリンクラブ在籍中は、3年次には幹事と、4年次にはマンドラという楽器のパートマスターを務めておりました。

福岡大学マンドリンクラブ規約第1条には、「我が部はプレクトラム音楽の演奏活動を通じて、音楽芸術の探求、並びに会員相互の親睦を図ることを目的とする。」という目的があり、福岡大学公認のサークルです。

幹事というのはクラブの最高責任者であり、立候補者は2年生から1人だけ立候補するのですが、立候補者は幹事補として、幹事選挙というもので所信表明を行い、3年生4年生を中心に質問攻めにあい、「気合返事」という大声での答弁を求められます。

その中で、「幹事とは何か」という質問を受けます。

その答えは、「幹事とは、クラブを代表するととともに、クラブの継承・存続・発展を実施するもの」とされております。

この幹事の目的を達するために、幹事は3年生を各役員に任ずることができます。役職は幹事含めて全部で12あり、幹事、副幹事、会計、人事、渉外、情宣、渉内、庶務、書記、楽譜、楽器、弦という役職で、18人で構成されておりました。

私が幹事として行った改革ですが、渉外と人事の順位を逆転させたことです。

そもそも渉外が人事より前に来ていたのは、渉外という役職が翌年の定期演奏会の会場を抑えるという、翌年の演奏会を司る役職であることから、渉外が人事の前に来ていたのですが、私は、「クラブ員あってのクラブ」を標榜しており、新入生勧誘週間でどれだけの新入部員を集められるかが、クラブの存続には欠かせないとして、新入生勧誘週間を司る役職である人事の順位を上げました。

そもそもクラブとは「club」という綴りですが、学級を意味する「class」と共通する発音、「クラ」には、ラテン語で人が集まるところ、を意味します。

人がいないとクラブではない、つまりクラブ員あってのクラブという私の所信表明から、人事というクラブ員の入部、面倒を見る役職の順位を上げた次第です。

以下の写真は私が幹事をした翌年の写真ですが、福岡大学マンドリンクラブは90名を数える、福岡大学学術文化系公認サークルの中でも有数の部員を誇っておりました。

しかし、少子化を迎えた現在の福岡大学マンドリンクラブは以下のような陣容となっております。

部員数わずか3分の1以下、数えてみたら27人しかいません。

ここまで数が減ってしまいますと、正直元の90人の回復難しいでしょう。

特に福岡大学マンドリンクラブは、マンドリン系の楽器によるオーケストラですので、人数が少ないとオーケストラとしての迫力を出すことができません。

つまり、プレクトラム音楽の演奏活動を通じて、音楽芸術の探求、並びに会員相互の親睦を図ること、ができないのです。

正直過去20年余りの間の幹事に、なにをやっていたのか詰問したいぐらいです。故郷を失う悲しみを感じさせます。

でも、実は過去20年余りの間の幹事の責任とは一言に言えません。大きな理由は「少子化」です。

私は昭和51年の生まれですが、昭和51年の出生数は183万人余りです。

一方、今年19歳になる大学1年生の世代は106万人余りとなっており、6割弱にまで減少しております。

さらに、昨年の出生数は77万人余りですので、昭和51年に比しておよそ4割にまで減少したことになります。

人口減少は様々なひずみを生みます。子どもが減っている現状で少子化を回復させることは容易ではありません。しかし、やらなければならないのです。未来の社会のために少子化克服は避けて通れません。

アフリカを除いて、全世界的に少子化が進んでいます。そんな中、世界で初めて少子化を構造的に解消できた国、ジャパンモデルと呼ばれるような少子化対策を世界に示していきたいものです。