補助金がなくても、やる、という覚悟。

今回「南相馬フェス」は当初

経済産業省の補助金を使って、

福島ロボットテストフィールドで開催しようと

考えておりました。

経済産業省の補助金で、

新しいデジタルコンテンツを駆使したステージパフォーマンスに対する

補助金があり、その部門で申請してみました。

 

協賛を募ったり、売上を立てるために算段をしたり、

自己資金もない中、赤字になるであろうイベントに費やす費用は見当たらず、

それならば、上手に「補助金申請」をして開催しようと思ったのです。

 

このフェスの意義を考え、敢えて「復興庁」ではなく「経済産業省」に。

 

それは、この相双地域が次のフェーズに入ったことを証明するために。

 

しかし、見事に補助金申請は、通りませんでした。

全くの予算はずれな状況になり、6月頃には「南相馬フェスはやめようかな」と

自分を追い詰めました。

 

しかし、そこから私は考えました。

補助金があるから、やるもの、ではなく、

今この地でやるべきことだから、

何は無くとも、このフェスは今開催するんだ、と。

 

 

地元のみんなは、これまでの12年を踏まえ、

次の10年を見つめています。

 

ここから自分達らしい事業やメッセージを発信すること。

どこか遠く、中央から持ち込まれた価値観や、

大人の都合のものでお茶を濁すのではなく、

本当にこの地にある大切なものや、素晴らしいものを中心に

こちらからメッセージを発信すること。

 

それが、東日本大震災から12年を経て、

この地の目指す次のフェーズです。

 

「南相馬フェス」は地元のみんなが中心となって

声なき声を集めて明るく、元気に、そのメッセージを

空に放つものになります。

 

この先続けていき、浜通り地域で歌ったり踊ったりしている子たちが

「あのフェスに出たい！！」と目標にしてくれるような

地域の憧れになれるような、そんなフェスになりたいのです。

 

 

どこからか持ち込まれるのではなく、

この場所から、発信する。

 

中央で算段された補助金をうまく使って、

中央で儲かる業者が、福島で儲ける仕組みは、もううんざりです。

 

この地には、とても素晴らしく誇らしい技術や、センスや、情熱が

たくさんあります。

 

先週末の「北泉サマーフェス」は本当に熱く、素晴らしいイベントでした。

地元の商工会青年部の皆さんが中心となり、汗をかき、力を合わせて作り上げたお祭り。

たくさんの人々が集まり、たくさんの笑顔がそこに集まりました。

 

 

自分達のメッセージは、自分達で放つ。

 

そんな勢いをひしひしと感じるフェスに、私も参加させてもらい、

さらに「南相馬フェス」の意味を考えさせられました。

 

 

そして今日は、南相馬フェスのチラシを南相馬市内の全戸に配布するために、

お父さんやお母さん方が協力してくださり、

みんなで2万枚のチラシの仕分けをしました。

 

お金は集まらなくても、人が集まるこの場所に、

みんなが抱えて持ち寄るものは、愛情です。

 

 

 

 

私たちの作っているものは、福島の浜通りの子供たちの未来と、

大人達のこれからの夢です。

それはどこからか持ち込まれるものではなく、

震災から12年を経ながら、ゆっくりこの場所で培われてきたもの。

どこにも真似できない、この場所にしか育たない、新しいエンターテインメントの形です。

 

「南相馬フェス」の予算建は、一気にほぼ白紙になりました。

しかし、こうやってクラウドファンディングを通じて、想いを、現状を発信し続け

このフェスの存在に気づいてもらい、

その意味を一緒に感じてもらい、唯一無二のフェスになれるよう、

伝え続けていこうと思ったのです。

 

 

クラウドファンディング終了まで、あと12日になりました。

 

 

何をどうすればいいのか、クールな方法は思いつきませんが。

毎日、フェスの準備をしながら、光のように過ぎてゆく日々の中、

明日もまた、頑張ります。

 

 

応援、よろしくお願いいたします。