このプロジェクトでは継続的な支援を募集しています

豊かな森づくりのためにいろいろな郷土種の苗を供給したい

豊かな森づくりのためにいろいろな郷土種の苗を供給したい
このプロジェクトでは無期限で寄付を募集しています。「毎月」のコースで支援した場合、すでに完了した決済をキャンセルすることはできませんが、将来の決済を解約することができます。

マンスリーサポーター総計

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プロジェクト本文

1. 私達が目指す森(恒続林) 

 近自然森づくり協会は、豊かな生態系サービスを人間に与えてくれる生物多様性の高い在来種の混交林(雑木林)を育てることを目指している団体です。豊かな生態系サービスとは、水や空気、食べ物(シカや山菜、魚)、木材、心身の健康、二酸化炭素の吸収などを指し、かつての里山やイオル(アイヌ民族の狩り場)の森が与えてくれていたものです。しかし、高度経済成長期以降、人間と森の関係は大きく変化し、単に木材の畑と位置づけられたり、放置されて人の入りづらい藪になったり、原生林として厳格に保護されるなど、いずれも日常生活の中で森の恵みを感じられない存在になっています。そこで、経験と科学に裏付けされた方法(近自然森づくり)で森を再生、管理することで、このサービスを、豊かに持続的に維持されてゆくことを目指します。

針葉樹、広葉樹、高い木、低い木が混じった生態学的にも経済的にも価値の高いスイス連邦チューリッヒ州の森

 

2. 生物多様性の高い在来種の混交林の再生を阻むもの(①苗の供給、②シカの食害、③広葉樹の植林技術)

 ①苗の供給

 一般の森づくりでは、苗は、富栄養の土で早く、大きく育てられます。この結果、苗は葉を付けている期間は成長を続けます。このため、苗として使える期間は1〜2年です。また、野生の樹木、毎年実るわけではなく、豊凶を繰り返すため、種子の安定的な確保は困難で、かつ、種子の生きている期間も限られています。このため、植栽を予定している年に合わせて多種の苗を準備することは極めて困難です。 

 ②シカの食害

 最近、ニホンジカが急増し、植栽した苗は食害にあい、うまく育ちません。とくに皆伐したところでは、融雪後しばらくは草も地表に現れず、植栽した苗木だけが地面から出ています。これらは、融雪直後の餌のない時期のニホンジカにとって格好の餌になっています。

エゾシカに皮を食べられたオヒョウの木(皮は、アイヌ民族の着物であるアツシにする)

 

 ③広葉樹の植林技術

 これまでの森づくりは、針葉樹の畑として、スギ、ヒノキ、カラマツ、トドマツなどの針葉樹だけが植えられてきました。これらの苗は、そこにある木々を全て切り(皆伐)、1種類の苗木を列状に植えられます。苗の生長に比べ、自然に生えてくる草木の生長は早く、苗の上に覆いかぶさります。そこで、下刈りを行いますが、針葉樹と異なり、広葉樹の苗は、自然に生えてくる草木と区別が付きづらく、過酷な下刈り作業で草木とともに苅られてしまいます。

混交林の皆伐(浜中町内の道有林 2023年8月30日)

 

混交林の皆伐跡地に植えられたトドマツの苗(浜中町内の道有林 2020年11月18日)

 

3. 多種の在来種が混交した自然林に近い樹林の再生法の開発(生態学的混播・混植法)

 当協会の理事長を務める岡村は、1991年から多種の在来種が混交した自然林に近い樹林の再生法の開発を続け、北海道を中心に350箇所で、各地の在来種(50種程度)を20万本以上植栽してきました。この方法では、自然林で種子を採取し、育てた苗(実生群ポット苗)を用いて、多種・多数の苗を、客土などをせずに現地の土に植栽し、自然の競争と選択に任せます。その後の経過を観察した結果、生物多様性の高い樹林を経費や労力を抑えながら造成することに有効であると確証を得て、各地で実践を進めています。

平取町のイオルの森づくりの植樹(2020年10月19日)

 

上の写真と同じ場所の2年後の姿、10cm程度の実生群ポット苗が人の背丈を超えて生長(2022年9月7日)

 

4. 何年も小さいままで維持でき、植えると大きく育つ多種の苗(実生群ポット苗)

 生態学的混播・混植法は、多種の在来種が混交した自然林に近い樹林の画期的な再生法です。これは、目標樹林の設定、種子の採取、播種、ポットへの植え替え、植栽、追跡調査と評価、評価を踏まえた手法の改善・試行を含んだ森づくりのシステムです。このシステムの根幹になっているのが、「実生群ポット苗」と呼んでいる特殊な苗の養成です。この苗は、貧栄養土で育てるため、土壌菌との共生能力が高く、客土などをしなくても旺盛に育ちます。また、小さな苗であるため、管理や輸送がしやすく、子供でも植栽が可能で、かつ、20年以上苗として維持でき、植栽時に、多種の苗を揃えることに関しても適しています。

水だけで育てる実生群ポット苗

 

5. 多種・多数の郷土種の実生群ポット苗の養成(実生銀行)

 実生群ポット苗の養成には、自然林での果実の採取、果実からの種子の取り出し・精選、貧栄養土の苗床(発泡スチロール箱)への播種、発芽した実生(種子から発芽した幼植物)をビニールポット(径9cm)への植え替え、灌水の作業が必要になります。これらの作業は、専門知識が必要なものや、経験に基づくコツ、継続する根気が必要であり、水やりを忘れて枯死させると、それまでの努力が無駄になることになります。しかし、それぞれの作業は、森のことを学ぶ上で貴重で、楽しいものでもあります。

 そこで、立ち上げたのが実生群ポット苗の養成を支援する「実生銀行」です。これは、当協会が主体となり、生態学的混播・混植法を用いて森づくりを行う団体の実生群ポット苗の養成を支援する組織です。各団体の事情に応じて、採取した多種を預かったり、播種床を預かったり、ビニールポット(径9cm)への植え替え、灌水の作業を引き受け、植栽時に各団体に実生群ポット苗に養成したものを引き渡します。このとき、一定額(500円/1ポット)を運営資金としていただきます。

 

6. 実生銀行の運営

 6.1 本店の設置場所

 本店は、近自然森づくり協会北海道支部の所在地に近い下記の場所に置く。

  札幌市南区簾舞

 ここは、約330㎡の土地があり、これまでも「簾舞苗木づくりの会」により、「実生群ポット苗」の養成が行われています。

北海道内外からの視察

 

 6.2 本店の運営と事務局

  運営は、特定非営利活動法人 近自然森づくり協会北海道支部が当たり、事務局を置く。

  事務全般は、近自然森づくり協会北海道支部が行う。

 6.3 「実生群ポット苗」養成作業

  苗の養成活動は、近自然森づくり協会理事長の指導のもとに、札幌市南区簾舞に拠点を置く「簾舞苗木づくりの会」が担当する。

  行員 実生銀行のご近所の方々(在籍:4名)

  「生態学的混播・混植法」の開発者である当協会の理事長兼北海道支部長を中心に実施。

 

本店での「実生群ポット苗」の手入れ作業

 

 

 6.4 支店と技術指導

 「実生群ポット苗」養成を行っている団体を支店とする。

 

 現在の支店:

リバーネット21長沼支店(長沼町)、子供と作ろう種から育てる未来の森支店(札幌市)、ふるさと復興の森づくり@厚真町支店(厚真町)、十勝川治水の杜支店(帯広市)、石狩川下流当別地区自然再生支店(札幌市)、森里海をつなぐ シマフクロウ地球の森支店(浜中町)、チーズ工房タカラ支店(喜茂別町)、いきものいんく支店(伊達市)、宮城県亘理町支店(亘理町)

 

 要請に応じて、「生態学的混播・混植法」の開発者である当協会の理事長兼北海道支部長を中心に技術指導をおこなう。

リバーネット21長沼支店での出荷作業

 

   6.5 運営経費の収支

  収入:「実生群ポット苗」の養成費                500円/1ポット(当面)

     技術指導料                30,000円/1日(基本)

     クラウドファンディング          100,000円/月(希望)

  支出: 「実生群ポット苗」養成作業費      100,000円/月

     資材費(用土、発泡スチロール箱等) 300,000円/年

     水道・電気代                30,000円/年 

 

7. クラウドファンディングの目的

  現在、収支で不足している資金は、単年度の助成金等に頼っています。このままでは、持続的に実生群ポット苗の供給や指導を続けることは難しくなってきました。

    そこで、「実生群ポット苗」の供給体制を確立し、持続するための安定財源として継続寄付をお願いすることにしました。

  森を再生するには長い年月が必要です。関わる人間も世代交代が必要です。私達も高齢者の仲間入りをしています。早急に若い世代にこの活動を引き継ぐ必要があります。それには、財政的な基盤をしっかりと固めることが重要です。次の世代、次の次の世代のためによろしくお願いします。

 

実生群ポット苗の植栽と計測に取り組む子どもたち(石狩川河岸 2023年9月21日)

 

 

<留意事項>
・ご支援にあたり、利用可能な決済手段はこちらをご覧ください。(リンク
・本プロジェクトでは、お1人様1コースへの支援となります。複数コースへのご支援は出来兼ねますのでご了承ください。
・本プロジェクトでは、毎月の継続的なご支援を募集しています。初回ご支援時に1回目の決済が行われ、翌月以降は毎月10日に決済が行われます。ご支援に関するご質問は、こちらをご覧ください。(リンク
・ご支援確定後の返金は、ご対応致しかねますので何卒ご了承ください。翌月以降のキャンセル(解約)については、こちらをご覧ください。(リンク
・コースを途中で変更することはできません。お手数をおかけしますが、一度支援を解約していただき、ご希望のコースに改めてご支援ください。支援の解約方法は、こちらをご覧ください。(リンク
・ ご支援完了時に「応援コメント」としていただいたメッセージは、本プロジェクトのPRのために利用させていただく場合があります。

寄付金が充てられる事業活動の責任者:
岡村俊邦(近自然森づくり協会)
団体の活動開始年月日:
2014年2月25日
団体の法人設立年月日:
2014年2月25日
団体の役職員数:
10〜29人

活動実績の概要

1991年から自然林で種子を採取し、育てた苗(実生群ポット苗)を用いて、多種・多数の苗を、客土などをせずに現地の土に植栽し、自然の競争と選択に任せて混交林を再生する生態学的混播・混植法の開発・実践を行っています。2010年からは、スイスで開発された環境と経済の両立を可能にする「近自然森づくり」の考え方を用い、単純な森を多様な森に変え、経済的・生態学的に劣化した森の価値を高める活動を行っています。

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プロフィール

1951 年京都府福知山市生まれ。北海道大学農学部を卒業後、同大学院に進学、博士論文は「活火山地域における森林の成立過程に関する砂防学的研究」。1979 年道立地下資源調査所(現地質研究所)勤務。国土保全・環境保全の研究に従事。1991年北海道工業大学助教授。自然に近い緑づくりの研究を再開し、北海道開発局開発土木研究所環境研究室と緑づくりの共同研究を始める(生態学的混播・混植法)。1997年北海道工業大学(現北海道科学大学)教授。2010年からは、スイスで開発された環境と経済の両立を可能にする「近自然森づくり」の考え方を学び、単純な森を多様な森に変え、経済的に劣化した森の価値を高める活動を行っているNPO法人近自然森づくり協会理事長。2016年から自然再生および近自然の観点から、平取町におけるイオルの森の整備に協力開始。2017年から北海道科学大学名誉教授。

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1951 年京都府福知山市生まれ。北海道大学農学部を卒業後、同大学院に進学、博士論文は「活火山地域における森林の成立過程に関する砂防学的研究」。1979 年道立地下資源調査所(現地質研究所)勤務。国土保全・環境保全の研究に従事。1991年北海道工業大学助教授。自然に近い緑づくりの研究を再開し、北海道開発局開発土木研究所環境研究室と緑づくりの共同研究を始める(生態学的混播・混植法)。1997年北海道工業大学(現北海道科学大学)教授。2010年からは、スイスで開発された環境と経済の両立を可能にする「近自然森づくり」の考え方を学び、単純な森を多様な森に変え、経済的に劣化した森の価値を高める活動を行っているNPO法人近自然森づくり協会理事長。2016年から自然再生および近自然の観点から、平取町におけるイオルの森の整備に協力開始。2017年から北海道科学大学名誉教授。

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