モロッコの職人たちのさらなる活躍を願って…
モロッコ南部の小さな町グルミマの刺繍職人たちを応援する今回のプロジェクト。皆さまの温かいご支援をいただき、こうして無事に終了報告をすることができます。本当にありがとうございます。グルミマの刺繍職人たちも、日本でたくさんの方々が応援してくださっていることをとても喜んでいます。
終了報告として、今回のプロジェクトの結果と今後についてお伝えします。
【モロッコでのプロモーション活動の結果】
まずグルミマの刺繍職人のもとを訪れ、完成した刺繍バッグを受け取ったところからプロモーション活動をスタートさせました。観光都市として人の集まるエラシディア、フェズ、ラバト、マラケシュ、タガズートを巡り、計6カ所の店舗およびホテルにおいて新たにバッグを取り扱ってもらうことに成功しました。
6月に交渉成立した店舗も含めると、計9カ所でのバッグの展開が決定したことになります(サンプルは各店舗に2枚ずつ渡しています)。
この他に、以前からお世話になっているエラシディアの観光タクシーの運転手さんが地域振興への情熱を持った方なので、もし伝統文化に興味を持つ観光客を乗せることがあれば、グルミマ訪問も観光ルートに入れてもらえるように、お客さんに見せるサンプルとして一枚バッグを託しました。その方は、バッグを取り扱ってくださっているホテルAuberge Tinitとも契約している運転手さんなので、近隣の観光を希望する観光客にグルミマを紹介してもらうことはかなり現実的な展望です。
思った以上にéchantillon(サンプル)というフランス語がモロッコで浸透していて、“サンプルを置かせてもらう”という話がスムーズに通じたので、やはり今回クラウドファンディングでご支援をいただいて、無料でサンプルを配るという形を取ったのはとても良い方法だったと実感しています。
プロモーション活動をしていて、単純にサンプルを置く店舗数を増やすことは可能であるとの印象を持ちましたが、どこでも買えるようになると商品の価値が下がりますし、質の悪いコピー品が出回る可能性があるので、“モロッコが好きでモロッコのために頑張っている”お店、今後もグルミマの職人たちをサポートしてくれそうなお店をよく選んで、今回の9店舗+タクシー運転手1名にバッグを託しました。
バッグの店頭展開に協力していただいている店舗
Afdal (ラバト、ナチュラルプロダクトのお店)
Medin’Art (フェズ、コンセプトストア)
Auberge Tinit (エラシディア、ホテル)
La Berberina (グルミマ、ホテル)
Max&Jan (マラケシュ、コンセプトストア)
Atelier 44 (マラケシュ、コンセプトストア・エステサロン)
SOME (マラケシュ、コンセプトストア)
La Ferme (マラケシュ、ホテル・レストラン)
Surf Maroc (タガズート、サーフショップ)
【ご支援いただいた資金の活用方法】
モロッコでのプロモーション活動は、皆さまのご支援と、仕事が早いグルミマの職人たちのおかげで、予定通りに行うことができました。
活動期間:2019年9月14日〜9月25日(予定実施期間:2019年9月15日〜9月30日)
活動使用金額:およそ500,000円見込(予定金額:487,000円)
※1モロッコディルハム=11.2円で計算
ご支援いただいた403,500円は、下記のとおりプロジェクトに活用させていただきました。
トートバッグ製作費(リターン、プロモーション活動としての店舗用サンプル):約47,000円(予算40,000円)
モロッコ国内営業時交通費:約26,000円(予算30,000円)
リターンとしてお届けするタハルートなどの準備費用:約20,000円(予算20,000円)
リターンの配送費用:約12,000円(リターンの発送がこれからのため見込み)(予算15,000円)
Ready forクラウドファンディング手数料:162,000円
以上、プロジェクト実行にあたっての主な資金として267,000円を使わせていただきました。
上記に含まれない136,500円は、日本からモロッコへの渡航費、現地での通信費や銀行手数料といった雑費、現地滞在費など、プロジェクト実行にあたって必要となった費用の一部として大切に活用させていただきました。
【このプロジェクトの今後】
プロモーション活動は順調に進み、モロッコ国内に今後も刺繍職人たちとの取引を続け応援してくれる見込みのある店舗を複数見つけることができました。
また、職人たちが自身で生産販売を続けられる手段も整いつつあります。
ボランティアが手伝わなくても維持できる生産販売網を作るのがこのプロジェクトの目的ですので、この先は彼女たちのやり方に任せて、私たちが直接的に手伝うことはこれで一旦終了します。今後も必要とされれば全力で手伝いますし、ファンとして彼女たちの刺繍作品をより多くの人に紹介したり、自分で購入することで間接的に支援していきます。
リターンに関しましては、現在、発送に向けて準備を行なっているところです。予定は11月発送としていましたが、10月後半には発送できる見込みですので、もうしばらくお待ちくださいませ。
今回ご支援いただいて製作したバッグには若干の数の余裕が出る予定ですので、今後モロッコやアフリカに関するチャリティイベントでの販売などを検討しています。もし、「こんな風に活用してほしい」という案がありましたら、直接ご連絡いただけると嬉しいです。
【グルミマの刺繍職人たちの今後】
今回のプロモーション活動で協力してくださった店舗との間で細く長く取引が続いていくことが今後の目標です。この刺繍バッグだけではなく、グルミマの刺繍に関心を持っているお店の方もいらっしゃるので、独自の商品開発が展開されていく可能性も大いにありそうです。
また、そうしてグルミマの刺繍が知られるようになることで、グルミマという場所自体も注目されて、地域の発展に繋がればよいのではないかと考えています。
グルミマの職人たちは、海外との交流を持つことが大好きなようで(国民性なのか、モロッコの人たちは外国人が好きらしい)海外に向けたオンライン販売にもいっそう力を入れていきたいと話しています。
こちらが、以前にアメリカのボランティアが作ったオンライン販売サイトですので、ぜひご覧くださいませ。送料が高くはなりますが、日本から注文することももちろん可能です!
Anou:
https://www.theanou.com/store/62-association-el-wifak-goulmima-morocco
それから、モロッコ在住の日本人の方がアパレル関係のお仕事をされていて、グルミマの刺繍職人たちに洋服を寄付してくださることになっています。エコやリサイクルといったテーマは、より魅力と価値のある商品を開発をしていくのに不可欠ですし、田舎の小さな町であるグルミマでは手に入る布地が限られるので、とても貴重な支援です。既に彼女たち自身のアイディアでリサイクルのデニムや、小麦粉を入れる袋を再活用してバッグやポーチを製作していて、今後さらに新たな作品が出来上がってくることと思います。
このプロジェクトを開始してから、サンプルを置いてくださっている店舗だけではなく、様々な形で応援してくださる方々とグルミマの職人たちとを繋ぐことができました。今後、この繋がりが保たれ、彼女たちのビジネスが根付いていくことを願っています。
【実施者よりご挨拶】
松本より皆さまへ
このプロジェクトを通して、グルミマの職人たちの「人を喜ばせたい」という思いを強く感じました。皆さまのお手元に届くバッグは、一つ一つ職人たちが、バッグを受け取る人の喜ぶ顔を思い浮かべながら刺繍を施したものです。
この企画を始めた当初は、モロッコの伝統刺繍で、外国人目線で外国人向けの商品を作ることに「本当にこれでいいのか」と思ったことがありました。でも、“商品を待ってくれている人がいる、喜んでくれる人がいる”ことが目に見えるのが、彼女たちにとって励みになることがわかってきて、モロッコで取引店舗ができたこともそうですし、クラウドファンディングという形で「日本に支援者がたくさんいる」という事実を彼女たちに見せられたのは、本当に意味のあることだったと思います。
私自身にとっては、この活動を通してより深くモロッコを知れたことは大きな財産です。学んだことは還元していきたいので、刺繍のこと、モロッコのこと、何か知りたいと思われることがあれば気軽にご連絡ください。
そして、クラウドファンディングを行ったことで、旧友から支援してもらったり、このページを見た方から連絡をもらって新たな繫がりが生まれたり、人との関わりが広がり深まったことが何よりも嬉しくて、今回、日本で、モロッコで、恵まれたご縁は大切にしていきたいと思っています。
この度はご支援いただき本当にありがとうございました。
山田から皆様へ
沢山の方々から今回ご支援、励ましを頂き、お陰様でプロジェクトを無事に成功させることができました。ありがとうございます。
逆カルチャーショック状態の日本で、戸惑いながら広報活動を行う中、何としても成功させなければ!という思いを最後まで維持しながら頑張れたのは、身内ばかりではなく、様々な方面の方からのご支援、励ましがあったからこそだと思います。本当にありがとうございました。
さらに、一足先にモロッコから帰国していた私の分、いえ、それ以上に今回モロッコでの営業を中心的に頑張ってくれた松本さんにも感謝したいと思います。彼女の素晴らしいアイディアと行動力がなければ、このプロジェクトは成し遂げられなかったといっても過言ではありません。本当にありがとうございます。
思い返せば、彼女たちの刺繍に初めて出合ったのは2年前でした。訪れるたびにわたしが彼女たちの作品を褒めると、嬉しそうにはにかみながら、「みてみて!これ新作なのよ」と、色々な作品を引っ張り出してきてくれたことが印象的でした。その素敵な笑顔と彼女たちの可能性をもっと見たくて、何か自分に出来ることはないか、とあの時に考えたことが、少しずつ形になっていき、そして、皆様のお陰でとうとう現実となったのです。本当に嬉しく、また誇らしい気持ちでいっぱいです。
彼女たちが作り出す色鮮やかな独特の刺繍は、グルミマの乾いた大地に咲く、鮮やかな花のように美しく、また彼女たち自身のように素朴で温かい作品です。私たちが魅了された様に、世界中の方々これから愛されていくと信じています。応援してくださり、本当にありがとうございました。今後とも宜しくお願い致します。