無縁仏となってしまうホームレスの人々が入れるお墓を建てたい!

無縁仏となってしまうホームレスの人々が入れるお墓を建てたい!

支援総額

2,550,000

目標金額 2,000,000円

支援者
191人
募集終了日
2015年1月24日

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2015年01月23日 23:35

すずなりになって僕らを眺めていたおじさん達は何を見ていたのか

スポンサー募集終了まで、24時間を切りました。

このプロジェクトの協力者であり、お墓の建立される光照院 副住職の吉水岳彦さんのインタビューのレポート(全2回)をお届けします。

 

前編では、山谷に生まれ育った吉水さんは、山谷の労働者や路上生活者をどのように見てきたのか、なぜ路上生活者の支援に携わるようになったのか等を中心にお聞きしています。

 

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-生まれ育った街、山谷

 

僕は78年生まれで、小学生時代は、まだまだ山谷に活気があった時代でした。
小学校から帰ってくると、玄関が自動ドアでもないのにガラッと開いて、いきなりおじさんが出て来て、お互いに「わぁっ!」て驚いて。見るとオジサンが小脇にお菓子を抱えて、本堂から持って逃げていくとかいう事もあって、本当にバラエティに富んだおじさん達がいた時代でした(笑)
道に血を流して倒れているおじさんがいたり、おじさん同士の喧嘩なんかは日常茶飯事だったりしました。小学校の校庭で遊んでいる時も、おじさん達がすずなりになって公園から見ていて、それが気持ち悪いなと思っていたりもしました。

 

※「城北労働福祉センター30年のあゆみ」より

 

そんな状態で、「何なんだろう?このおじさん達は?」と、子供心に思ったりして、大人達に聞いたりもしました。
あるときは、この人たちはちゃんと食べていないだろうと思って、「お寺のお供物とか食べられるものをあげたら?」と、住職である父に聞いてみたこともありますが、「全員に同じ事をし続けられるのか?」と問われて、「できない」と思い躊躇した記憶があります。
大人になるまで、周囲の大人たちからは「彼等は、怠けていたからああなったんだ。お前等はちゃんと勉強しろ」とか「あいつらは臭いし、汚いし、それでも平気なんだ。好き勝手に生きているだけなんだから放っといてやれ」と言われて。「危険だから近づくな」と、子供達は言われて育つんですよ。だから、当然そういうものなんだって認識してきました。
でも、僕は仏教の勉強をするなかで「慈悲」と言う言葉を何千回も聞いてきたし、色々なことを学んできたはずなのに、目の前にいる彼等と学んできた事が全くつながらない。
「おじさん達はここで寝ているもんなんだ。」という意識しかないんですね。だから、彼等に対する偏見と言うものにも気が付かずに育ってきました。

 

 Another SIde ©Sno Niiro

 

-“おじさん”への眼差しの変化

 

知り合いの僧侶に、ホームレス状態の人のためのお墓を建てることについて話を聞いていたのですが、最初はその必要性がわからなくて、一度はお断りしたのです。でも、再度別の人からお願いをされて。これは何かのご縁なのかもしれないなと思ったのです。それまで、ほとんど彼らの話を聞いたことがない事に気づいて、新宿のホームレス支援活動に参加をさせていただいたんです。そうしたら、実に普通の人達で…。当たり前ですよね。当たり前の事に気付いたんです。

 

※彼岸寺HP(http://www.higan.net/)

 路上の人におむすびを/ひとさじの会 吉水岳彦さん(3/3)より

 

きっと、偏見はここに育った分、余計強かったんでしょうね。偏見は今でもこの地域に残っていて、自分がこうしておじさん達の支援を始めたころは、住職からも難色を示され、その覚悟を問われました。でも、僕たちの年代はともかく、実際に暴動があって、その被害を経験している上の世代の人達は、その印象が強く残っているんだと思います。もちろん、今この地域にいるおじさん達とは別人なのかも知れないけど、一度ついた悪いイメージはなかなか拭いきれないのだと思います。

 

※「山谷への回廊」 写真家・南條直子の記憶1979-1988  より

 

彼等が子供時代の話をしてくれたときのことです。僕はご覧のとおりこの頭で、この格好ですから、一目でお坊さんだとわかります。それで、子供の頃に「寺で遊んだ」とか、「おばあちゃんに手を引かれて、お寺に連れられ、帰りにはおいしいものを食べた」とか、昔の話をしてくれました。話をしながら、「この人達にも子供時代があったんだ。」と、「生まれた時からこうなるわけではない。」と、実に当たり前のことに気付いたんです。
やはり、彼等も僕たちと同じように「幸せになりたい。」と思って生きてきたんだけれど、親が早くに亡くなってしまったり、家に兄弟が多くて外に出されたりで、本当はもっと違った形で生きたかったと思うのです。でも、それしか選択肢がなかった人がなんて多いことだろうと感じたんです。
それに気付くと、小学校時代に公園からすずなりになって、子供だったわたしたちを見ていたおじさん達も、「ああ、遠くに家族がいて、子供たちを見て、遠くの家族を考えていたのではないか」、「自分の楽しかった子供時代を思い返していたのではなかろうか」と思うようになりました。
当たり前のことが当たり前につながって、彼等も自分と同じなんだと気付いて、おじさん達が今までと全く違った存在に見えてきました。
人間生まれた場所は選べないですよね。おじさん達だって、さまざまな環境で育って、親とか親族だって選べない中で生きてきたわけです。きっと、その時点で選べる最善の選択肢を選んで生きてきたのでしょう。選択肢がもっとあって、もっと良い選択ができる環境であれば……また違った人生になっていたことでしょう。
おじさん達と出会って、わたしはできる限りの事をさせてもらおうと思いました。そして、彼らと関わり、その支援にさまざまな障害があるとの理解が進む程、何でこのまま放置されてきたかに強い関心を持つようになったと思います。

 

(続)

 

 

【吉水岳彦/よしみずがくげん プロフィール】
1978年東京生まれ。光照院副住職/大正大学非常勤講師。ホームレス状況にある人や身寄りのない人の共同墓『結の墓』プロジェクトへの関わりから、ホームレス支援を行うことに。現在は、上野・浅草エリアの路上生活者に月2回おにぎりを配る活動などをする「ひとさじの会」代表として活躍。

 

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インタビュー/記事作成
山友会ソーシャルメディア活用プロジェクトチーム 服部芳弘


 

リターン

3,000


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■  サンクスレターをお送りします
■「山友会ロゴ入り散華(さんげ)」をお送りします

支援者
88人
在庫数
制限なし

10,000


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3000円の引換券に加えて、
■「無縁仏となってしまうホームレスの人々のためのお墓建立プロジェクト報告書」をお送りします
■「お墓建立記念トークイベント」へご招待します
※都内開催予定
※日程/詳細は後日ご案内致します
※スピーカー(予定)
・吉水岳彦さん(光照院 副住職)
・ルボ・ジャン(山友会 代表)
※宗教を超えて、「お墓」とは何か、「お墓」にこれから望まれるものとは何か、等についてのディスカッションを予定しています。

支援者
89人
在庫数
完売

50,000


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10,000円の引換券に加えて、
■「山谷スタディツアー」へご招待します。
※「山谷地域」のスポットや弊会の活動についてご案内させて頂きます。
※日程/詳細は後日ご案内致します

支援者
10人
在庫数
9

100,000


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50,000円の引換券に加えて、
■「お墓完成記念イベント」へご招待します
※日程/詳細は後日ご案内致します

支援者
7人
在庫数
3

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