福島の海を放射能で汚染させたくない。

 

 

村上政彦。『海燕』新人文学賞受賞、芥川賞候補５回。日本文藝家協会常務理事。文化庁国語小委員会委員。大学非常勤講師。

 

私は、『脱原発社会をめざす文学者の会』の会員です。これまでに被災地の視察、被災者への取材を重ねてきました。

 

いちばん大切なのは、生きることです。生きるための文学に取り組んでいます。

 

 

 

 

私は、福島県に原発事故で被災した知り合いがいます。避難者となった人、地元に残った人、ともに大変な苦労をされています。このうえ、放射能汚染水を海洋放出して、彼らを苦しませるのは忍び難い思いです。

 

福島県は、自然も豊かで、人々の気性も穏やかです。特に、知人に送ってもらった桃のおいしさは、忘れられません。

 

国や東電が、放射能汚染水の海洋放出以外にも、方法があるのに、強硬に海洋放出にこだわるのは、とても理解できません。

 

私の小説『αとω』（鳥影社）でも書きましたが、放射線は遺伝子を傷つけます。生命の根源を絶つのです。原子力は、人間の手に負えるものではありません。原発は、核兵器と同じものです。このたびのロシア・ウクライナ戦争でも、そのことが明確になりました。ひとりの文学者として、声を挙げましたが、多くの人に原子力を利用しようとする人間の傲慢さを訴えたいと思います。

 

 

 

 

福島の子どもたちの健康と未来を守るため、放射能汚染水の海洋放出が自然環境にどのような影響を及ぼすか、きちんとしたデータを収集して残したいと思います。

 

『認定NPO法人いわき放射能市民測定室たらちね』は、液体シンチレーション測定器(※)で魚の組織結合型トリチウムの測定をします。私は、たらちねのスタッフではなく、一支援者です。たらちねのような民間のしっかりした団体に正確なデータを測定して頂きたいと願います。

 

 

集まった支援金は、『認定NPO法人いわき放射能市民測定室たらちね』が液体シンチレーション測定器による測定を行う費用として使用いたします。

 

当該団体『認定NPO法人いわき放射能市民測定室たらちね』からは、今回のプロジェクトで集まった支援金での調査及び、団体名称を本欄で表示することの許可をいただいております。

 

収集したデータは『たらちね』が公開します。調査結果は、福島の人々の健康を守るために使用されます。

 

私は、脱原発社会をつくるための活動をしています。今回のクラウドファンディングによって、より多くの人に、原発の問題を知っていただきたいと思います。

 

放射能汚染水の海洋放出による自然環境の変化をデータ化することで、多くの人に放射能汚染水の海洋放出の理不尽さを知っていただきたいです。

 

 

 

福島は、原発事故によって大きなダメージを受けました。放射能汚染水の海洋放出は、その傷をさらに大きくします。福島の海を汚染させて、これ以上、福島の人々を苦しめたくありません。

 

日本は地震国です。そんな国に54基もの原発があります。いまの政府は、原発の新増設へと舵を切りました。私には、6歳と0歳の子どもがいます。彼らは未来そのものです。彼らに負の遺産を残したくありません。

 

ご支援よろしくお願いいたします。