“骨髄バンクもなく、良い薬も少なかった時代”から連綿と積み重なった想い

 

 

少年時代の私は、ひ弱な痩せっぽちな子どもでした。夜寝る時に、手を握ってもらわないと眠れないような子どもでした。それでも、責任感だけは強かったように思います。

私が医者になったばかりの頃は、骨髄バンクもなく、良い薬も少なかったので、たくさんの小児がんの子どもたちが命を落としていました。しばしば夜中に急変して呼び出されたことを、鮮明に憶えています。亡くなった子どもたちのお母さんは、みなさん“こんな子が少しでも減るように、お願いします”とおっしゃいました。「このままじゃいけない」と思ったことが、今の仕事を目指したきっかけです。

私の背中には、今まで診てきた子どもたちやご家族の思いがたくさん積み重なっています。亡くなっていった子どもたちに、恥ずかしくない医療をしなければならないと、いつも、考えています。

 

小児がん中央機関、小児がん拠点病院として、患者さん視点の小児がん医療を目指す

 

 

小児がん中央機関として、小児がん医療のインフラを整備する役割と、小児がん拠点病院として、国立成育医療研究センターに受診されている小児がん患者さんが最高の医療が受けられるように努力することが、現在の仕事です。
小児がん患者を集約化、均てん化しようとしても、マンパワーの問題、設備の問題で、成し遂げることが未だできていません。それでも、日本中の小児がんに携わる医療関係者が、力を合わせて、精一杯の努力を行っています。
思いを同じくする医療関係者と共に、国立成育医療研究センター小児がんセンターは、医療と支援の両面で日本中の小児がん患者さんを支えてゆきたいと思います。

 

みんなで支える小児がんの未来には、“普通”の生活をとどけたい

 

私たちは、常に患者さん目線で診療を考えることを大切にしてきました。さらに、患者さんだけでなく、きょうだいや家族のことまで目の届くような医療を心がけています。
そんな中でも、小児がんの子どもたちが治って退院する時ほど嬉しいものはありません。たくさんのメッセージをいただきます。

 

 

小さいときに移植をうけて、合併症と闘っている高校生の女の子から、“私は移植を受けたことを後悔していない。このような合併症があるからこそ、見えることがあるし、学べることもある。だから、先生は移植をしたことを悔やまないで。”と逆に励まされました。私たちは、患者さんから教えられることも多いのです。
その一方で、小児がんの患者さんには、「みんなで支えていきます」とお伝えしたいです。でも、小児がんの患者さんは、決して特別な存在ではありません。“普通”の存在ですし、“普通”の生活を送っていることも、伝えてゆきたいです。
小児がんの患者さんも、“普通”の社会人として生活していただきたいし、そうできる社会にしたいと思います。

 

クラウドファンディングで作る、新しい無菌室とは

 

こうした取り組みは私自身初めてで、始まる前は、「ほんとうに集まるだろうか」「何も反応がなかったらどうしようか」というような弱音をスタッフと話していたぐらいです。
まだまだ道半ばではあるのですが、資金面の目途が立ったあかつきには、特別な環境ではなく、無菌室であるという圧迫感を感じないような、そんな無菌室を作りたいと思います。なかなか難しいですが、少しでも癒しのある空間が望ましいと考えています。

 

 

ご寄附をいただきました皆さんのご厚意に、感謝しきれないほど感謝しております。これからの小児がんセンターの取り組み、国立成育医療研究センターとしての取組みを通して恩返しができるよう、精一杯努力していきたいと思います。

 

無菌室をつくろう

クラウドファンディグでのプロジェクト期間は終了いたしましたが、まだまだご理解・ご支援の輪の広がりを感じております。そして、一人でも多くの方々の願いのとどく企画にできればと思っております。 小児がんと戦うみんなの願いである「無菌室」の新設に、引き続き力をお貸しください。

▼お申し込みはこちら ※今年度中、もしくは資金調達の目途が立ち次第、募集は終了致します

 

今後とも、国立成育医療研究センターを何卒よろしくお願いいたします。

 

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