今回のプロジェクトを立ち上げる以前から、NPO法人しゃがぁでは馬頭琴に関連してネルグイ馬頭琴基金というプロジェクトを立ち上げて活動してきました。

 

NPO法人しゃがぁのネルグイ馬頭琴基金プロジェクトは、『モンゴルの草原に馬頭琴を届ける』というものです。




しかし、モンゴルの民族楽器をどうして日本人がわざわざ届けなければいけないのか?不思議に思う方も多いでしょう。
 

実は今のモンゴルの草原において、子供が自由に手に出来るような馬頭琴は極めて少ないのが現状です。
 

どうしてそのような状況になってしまったのか?実はモンゴル国の社会主義時代の諸政策にその原因があります。


社会主義時代には、馬頭琴の才能があると認められた者だけがいわゆる「専門家教育」を受けれるという状況でした。

 

いつしかプロと呼ばれる専門家教育を受けた者だけが馬頭琴を弾くようになってしまったモンゴル。次第に、かつては各家に一棹はあったと言われる、民族を代表する楽器であった馬頭琴は、一般家庭から姿を消し始めたのです。ただ遊ぶために馬頭琴を子供に買い与えるには、馬頭琴は高価なものとなってしまいました。
 

 

 

元々、馬頭琴は誰もが自由に手を触れることができて、自由に演奏を楽しめるものでした。そういう自由な状況の中から「在野の演奏家」が生まれ、その人たちが草原における馬頭琴文化を築いてきたのです。

 

 

NPO法人しゃがぁでは、「遊牧の民の調べコンサート」でそういった在野の演奏家(モンゴル語でオランサイハンチ)の方々のすごい演奏を日本に紹介してきました。ですが、ふと考えると、今のモンゴルの遊牧民たちのところに馬頭琴が無くなっているわけですから、この先、このようなすばらしいオランサイハンチが生まれてくる環境自体が無いということに気付いたわけです。
 

 



一体どうすればモンゴルのこの素晴らしい馬頭琴文化を次世代に繋げていけるのだろうか?


何が問題なのか?自由に遊べる馬頭琴がないことが問題なのではなかろうか?

 

そして、馬頭琴を届けよう!とにかく、手の届きやすい楽器にしよう!ということから、「ネルグイ馬頭琴基金」が作られました。



 


2012年にはゴビの子供たちに馬頭琴を届けるためのツアーを企画し、全部で10本の馬頭琴を届けました。

 

★ネルグイ馬頭琴基金ツアーについては、こちらから

→http://www.shagaa.com/index.php/mission/nergui/2012-nergui

 

今回のプロジェクト、つまり、「プロではなくて在野のすごい演奏家の演奏をありのままの状態で残したい」というこの活動もまた、草原における馬頭琴文化、さらには遊牧文化そのものの保護・発展の一助となると願って、全力で取り組んで参ります。

 

★ネルグイ馬頭琴基金のこれまでの詳細については、こちらから

→http://www.shagaa.com/index.php/mission/nergui

★遊牧の民の調べコンサート「ことのおこり」については、こちらから

→http://www.shagaa.com/index.php/mission/2011-11-07-21-51-02


(文責: 廣田千恵子/NPO法人しゃがぁ)