-奈良と旅人の合流点- 築100年の町屋であなたをお迎えしたい

数多くのプロジェクトから、『西村邸』を見つけてご支援くださったみなさま、本当にありがとうございます。

すごい伸びです。えーっと…正直言葉が出ません。なんつーか。感激で。でも書きます。いまは書くことしかできないので。今日感じたこと書いたら、とても長くなりました…よかったら読んでください。

今日は、奈良市のお隣―大和郡山市の城跡で毎年開催される、現代工芸フェア【ちんゆいそだてぐさ】に行ってきました。奈良を中心に、全国から100人以上の作家さん/工芸師さんがあつまる、大きなお祭りです。

日頃お世話になっている方、初めましての奈良の方にご挨拶をしながら、それぞれのブースを見て回ります。
やはり上の年代の作家さんが多い中、広島市立大学の学生さんたちのブースに、とても感動しました。

ぼくは、アートや工芸に関して決して大きなことを言える人間ではありません。彼らの作品を評するのに「学生らしい」「荒削り」「若さ」という言葉遣いをするのも野暮でしょう…そして大人の作家さんの仕事が退屈だなんてことも、断じて思いません。
でもやっぱり、普段目にする大人の仕事にはない、きらめきを感じました。きっときっと、すごく純粋な形で、彼らの技術と好奇心、探求心、向上心が表出しているんだろうな…と、そう思わせる仕事ばかりでした。
緑青を意図的に作り、そこからえも言われぬBlueを磨き出す、金工の梅敷さん。「こういうふうに作るの難しいんですけど、がんばってます。」そう語るドヤ顔?が最高でした笑

漆と真鍮、そして螺鈿(貝殻細工です)を組み合わせた、中井さんの作品もよかった。アクセサリーがメインですが、パネルにもとても惹かれました。ポストカードサイズのキャンバスを漆で真っ黒に塗りこめた上に、動物をかたどって、金属の高蒔絵や、螺鈿の細工をしたパネルです。
いや、全然伝わらずですみません。表現力！百聞は一見に如かず。奈良の人は明日見に行ってください。すばらしいです。

「ここをこうやって～これだけ時間がかかって～ここだけは特別にこういう素材をつかって～」若い女の子がめちゃくちゃ熱心に語ってくれて、お兄さん、めちゃくちゃ欲しくなりました笑
値段を見ると、25,000円という札がついています。

100%主観ですが、ぜったい安すぎます。単純にかかってる時間だけ聞いても、もっとつけていいはず。
お兄さん、大人げなく「これ25,000円でいいんですか！？」と聞いてしまいました。彼女は「先輩にも安いって言われるんですけど、私まだやりはじめて1年も経ってないし…^^;」と答えます。

いや、もう堪らなくなりました。「おつりはいらないから、これでまたいいもの作ってくださいね。」そう言って、250,000円くらいバーンと置いていきたくて堪らない。ですが恥ずかしながら、お兄さんの財布にはだいたい2,500円くらいしか入っていません…(真顔)
「ほんとにごめんなさい、今日は買えないんだけど、ぼくはこうこうで宿の準備をしていて…お客さんをたくさん呼んで繁盛させるので、絶対あなたの作品を飾らせてください。」こう伝えて、お名刺を頂いてきました。(さすがにもうちょっとドライな言い方してたと思いますが、だいたいこんな感じです…あやしい笑)

ぼくは、東京のデザインプロダクションで営業をしていた時代から「美しいものを作れる人に、健やかな制作活動を続けてもらうための、資金を引っ張ってくる。」―素晴らしいデザイナーやアーティストの存在を、自分の働く理由にしてきました。
これは奈良に帰ってきて工芸品の販売をしていたときも同じでしたし、『西村邸』を始めてもきっと動かないと信じられます。
美しいものを作れる人と、美しいものを感じたい人が出会うために、贅沢にある西村邸の時間と空間を使う。「奈良と旅人の合流点」には、そういう想いもあります。奈良の作家さんが旅人を迎えることもあるし、広島の作家さんが旅人になって奈良を訪れることもあります。

そんなこんなを考えながら今回のクラウドファンディングですが、正直だいぶ苦悩してきました。
大層な「働く理由」を掲げてみたものの、今回あらためて、営業マンとしてはダメダメだなと痛感してます…。学生顔負けの「荒削り」と「若さ」を丸出しにして、アーティストもどきの言葉を重ねることしかできていません。

それでも、中井さんをバーンと支援できなかった残念なぼくを、いま66人の方がババーン！と支援してくださっている。
最初に戻りますが、なんつーかもう、言葉が出ません。なんとか「ありがとうございます。」は絞りだせますが、なんかもっともっとあります。あと6日後、少しずつ言葉にして、最後にはまとめます。ほんとに、いま自分にできることはこれくらいなので。もうちょっと時間ください。

今回のご支援で資金が集まったとして、いわゆる作家さんに直接入ることはありません。念のため…。
ですが、西村邸オープン後は必ず、ぼくよりもっともっと美しい世界を表現できる作家さん、そしてそれをこれからの世代に伝えるため、バトンをつないでいきます。
そのためにも、あと少し、最初の後押しをよろしくお願い致します！！