一度目の公演が終わって数日後のことだったと思います。
それは、なんともたわいもない会話から始まりました。
その公演を観に来てくれていた、妻の経営するピアノ教室に通う生徒さんのお母様が、こんなようなことを持ちかけてきてくれたのです。
 

「子供と子育てを頑張っているお母さん方が一緒になって楽しめるようなお楽しみ会的なもの何かできませんかねー?そういうのが以外に少なくて。音楽会とか、人形劇とか、絵本の読み聞かせとか、ありきたりですけど、本格的なもの見れたら喜ぶ人多いと思うんですよねえ。」


ざっくりとした内容で、依頼なのか、要望なのか、世間話なのか、当時の彼女の真意は解りかねますが、いずれにしても、私が演出や脚本やイベント企画の仕事をしたりしていることと、妻が単なるピアノ教室の先生ではなく、オペラの伴奏ピアニストだったことと、先日の劇が面白かったことが重なって、お二人で何かやってくださいヨ!というような話でした。
 

近所の、しかも生徒さんのお母様の言うことだし、住んでる街に何らかの活動実績ができたら、仕事も増えるかもしれないし、それも悪くないか、という実に浅はかで打算的な軽い気持ちで、「あ、じゃあ考えてみます。」と答えました。

そのお母様こそ、何を隠そう今のオブンガク堂のオヤツを担当してくださっているカリスマフードスタイリストさんだったわけですが。
 


(お話を聞き終わった後、お土産おやつを遠慮がちに受け取る女の子。)

それから数ヶ月が過ぎ、
近所のお寺に併設されている美術館の広間をお借りして、親子のためのオブンガク堂と銘打ち、子供と大人が一緒に楽しめるようにと新美南吉の長編童話を取り上げ、最初のコドモとオトナのオブンガクが開催されました。
 

ありがたいことに、その会も好評を博し、人伝いに話が広がり、学童を運営する社会福祉法人さんの協力を得たり、友人知人仲間たちからの支援を受けたりして、めでたくもそれから毎年、季節を変え、場所を変え、定期的に開催できるようになりました。
 

こうして回数を重ねながら、徐々にオブンガク堂のコンセプトが定まり、今のスタイルに変化していったわけです。

普段騒がしい子が、じっとお話に釘付けになっている様子に驚く親御さんも(笑)

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