【ワンラブ・デリカ号。】

ルワンダは一般的な公共の交通手段がバスもしくはバイクタクシーだ。鉄道はない。もう２５年以上前に実は鉄道の話は出ていて、それが旧ワンラブランドの辺りを通るから、いずれはその場所を退去することになりますよという話もあったが、いつの間にかその話が立ち消えた。そしてそれ以来、鉄道に関する話もトンと聞かなくなった。

最初の頃は自分たちも公共のバスを使って移動してた。だけどドアからドアへ移動できるわけではなく、バス停からの移動もガテラの負担となり、またセメントなんかを買った時は、それを自分たちで担いで運ぶわけにもいかず、車を買うことにした。

最初のワンラブ号は、ケニア時代に出会った、未だに私を挑発するような言動をまき散らす男性で、しかし車のことはよく知っており、その人が右からも左からも乗車できるドア付きのデリカ号を安価で譲ってくれた。そしてそれをケニアのモンバサ港めがけて輸出をした。

これがとにかくすごく活躍した。これに乗ってルワンダとケニアを何度も往復した。日本から送った大量の荷物を、モンバサ港で積み込み、一気にルワンダまでかっ飛ばしたのは爽快だった。道中、ウガンダの国境で荷物にあれこれ文句をつけられ、若気の至りでつい喧嘩腰になってしまったが、果たして今その喧嘩する気力はあるだろうか。

そのデリカ号はたくさんの荷物を積み込める仕様になっていたので、とにかく建築資材を運ぶのにとても助かった。

しかしいつかは命が尽きるのである。あれこれ修理を繰り返したが、どうにも直らなくなり、最終的には売りさばいた。

デリカという車種がとても気に入ったガテラは、その後も日本で中古車を探す時にはデリカ中心に探すようになり、ちょっと記憶が曖昧だが、その後デリカ３号まで続いたと思う。

だけどやはり思い入れが一番強かったのがデリカ１号で、もう二度とあの車を手に入れることができないと思うと、未だに淋しい。

今はルワンダの規則で、右ハンドル車を輸入することができなくなり、日本で中古車を探すこともできなくなった。エンジンの具合などを考えると、日本の中古車はまだまだ現役であり、それを輸入できないのが悔しい。今乗っている車も、もうあちこちガタが来ているので、状態の良い車を買いたいところだけど、ルワンダに入ってくる車は、今ひとつ信頼が乏しく、更に中古車と言ってもものすごい値段なので、結局今の車を修理しながら乗っている状態なのでした。

ポンコツ道でもガシガシ走れる車が欲しいな～。

（写真はデリカ２号か３号。車高の低い乗用車より、この手の車の方が運転しやすい。）