お早うございます。松竹大谷図書館の武藤です。

今週の東京は、まだ梅雨も明けないうちから厳しい暑さが続いております。W杯サッカー観戦で寝不足が続いている方もいらっしゃると思いますが、体調を崩さないようにお気を付けください

 

さて、本日閲覧室ミニ展示の展示替えを行いましたのでご報告いたします。

7月13日(金)〜22日(日)に新橋演舞場、9月は大阪松竹座で「劇団創立70周年記念公演松竹新喜劇」が上演されます。この公演は松竹新喜劇の劇団創立70周年を記念した興行ですが、この記念すべき年に、当館でも7-8月の閲覧室の所蔵資料ミニ展示で「松竹新喜劇-劇団創立70周年記念-」展と題して松竹新喜劇の資料を展示します。

 

本年、劇団創立70周年を迎える松竹新喜劇は、日本の喜劇の祖である曾我廼家五郎・十郎の「曾我廼家兄弟劇」の流れを汲む劇団です。昭和23年11月、曾我廼家五郎の逝去後、残された曾我廼家五郎一座(曽我廼家大磯、秀蝶、小次郎、明蝶、五郎八)と、松竹家庭劇(曾我廼家十吾)、劇団すいと・ほーむ(二代目渋谷天外、浪花千栄子、石河薫、藤山寛美)が合流して結成されたのが松竹新喜劇で、その初興行は昭和23年12月の道頓堀中座でした。二代目渋谷天外、藤山寛美を中心とした名優たちによる舞台は絶大な人気を呼び、爆笑必至の喜劇や笑って泣ける人情喜劇など、様々な笑いを観客に提供し続けてきました。

 

当館は、この松竹新喜劇の台本やスチール写真、プログラムなど多くの資料を所蔵しています。今回の展示では、スチール写真を中心とした資料を展示しました。残念ながら台本はスペースの都合上展示できませんでしたので、今回の新着情報では台本をご紹介します。

上左から『親バカ・子バカ』(昭和35年7月新橋演舞場)、『はるかなり道頓堀』(昭和40年6月中座)、『大阪ぎらい物語』(昭和41年11月中座)、『人生双六』(昭和42年12月中座)、『恋愛教室』(昭和44年12月中座)、『アットン婆さん』(昭和45年5月南座)、『はっぴとズボン』(昭和45年12月中座)

中左から『一姫二太郎三かぼちゃ』(昭和46年4月中座)、『夜明けのスモッグ』(昭和47年8・9月新橋演舞場)、『大当り高津の富くじ』(昭和48年3月御園座)、『名代きつねずし』(昭和58年4月中座)、『船場の子守唄』(昭和58年4月中座)、『浪花の夢 宝の入船』(昭和60年1・2月中座)、『下積の石』(昭和61年2・3月中座)

下左から『お種と仙太郎』(昭和61年11月中座)、『笑艶 桂春団治』(平成元年12月新歌舞伎座)、『偲ぶ面影 はなのお六』(平成3年7月新橋演舞場)、『銀のかんざし』(平成4年7月新橋演舞場)、『大人の童話』(平成22年6月新橋演舞場)、『お祭り提灯』(平成26年7月新橋演舞場)、『愚兄愚弟』(平成27年9月新橋演舞場)

 

数ある作品の中から代表的な作品の台本を並べてみましたが、ここに写っている21冊のなかで、ご覧になった舞台の台本はありますでしょうか?

松竹新喜劇は、俳優自らが台本を執筆して演出した作品がレパートリーの多くを占めており、二代目渋谷天外は「舘直志」、曾我廼家十吾は「茂林寺文福」の筆名で数々の喜劇を生み出しました。また、座付き作者の平戸敬二による作品も数多く上演されています。写真の台本は、当館が所蔵する台本のごく一部で、他にも様々な松竹新喜劇の台本を所蔵しております。

 

最後に、喜劇に関する図書をご紹介します。

右:『松竹新喜劇無休連続二十年記念 喜劇の系図』(松竹新喜劇文芸部+中座宣伝部作成/松竹株式会社演劇部監修 昭和61年11月)

左:『喜劇百年記念誌 喜劇百年 曾我廼家劇から松竹新喜劇』(新生松竹新喜劇文芸部+松竹関西演劇部編集/白井信彦監修 平成16年松竹関西演劇部)

 

『松竹新喜劇無休連続二十年記念 喜劇の系図』は、B4サイズの大判の冊子で、松竹新喜劇無休連続二十年を記念して発行されました。明治37年2月に道頓堀の浪花座で誕生した曾我廼家五郎・十郎の曾我廼家兄弟劇から松竹新喜劇までの喜劇の流れについて、年表や系図で記した資料です。また『喜劇百年記念誌 喜劇百年 曾我廼家劇から松竹新喜劇』は「喜劇百年」を記念して、平成16年に発行された図書です。曾我廼家兄弟劇と松竹新喜劇だけでなく、喜劇が誕生する以前の“笑い”の芸能についても触れられており、年表や写真、そして喜劇俳優たちの紹介も充実しています。松竹新喜劇の昭和23年から平成15年の年表も掲載されています。

どちらも喜劇について詳しく知ることができる、必読の資料です。また、二代目渋谷天外や藤山寛美の図書も所蔵しておりますので、ご興味をお持ちの方はお気軽にカウンターまでお尋ねください。

 

今回の展示では、スチール写真を計18枚展示していますが、二代目渋谷天外、藤山寛美だけでなく、曾我廼家十吾や曾我廼家五郎八、曾我廼家明蝶、石河薫、千葉蝶三朗、小島秀哉、酒井光子など、そして現在も活躍する喜劇の名優たちの笑いあふれる一瞬が写った写真がそろっています。是非ご覧ください。

 

今回の展示期間は、8月14日(火)までとなっております。お近くにお立ち寄りの折には、当館へお寄りくださいませ。

 

松竹大谷図書館の開館日はこちらのカレンダーでご確認下さい。

https://www.shochiku.co.jp/shochiku-otani-toshokan/pdf/2018_calendar.jpg

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