お早うございます。松竹大谷図書館の武藤です。


リターンのご希望について、まだまだ間に合いますのでぜひご連絡下さい!
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【歌舞伎・新派台本】作品リスト
【映画台本】作品リスト
【『釣りバカ日誌』台本】作品リスト
【寅さん台本】作品リスト

 

ご連絡心よりお待ちしております。

 

さて、11月21日の新着情報に続いて、紙資料修復工房さんに送って頂きました、【音貞アルバム】の処置の過程に撮影された写真と作業の進捗状況のご報告について、第3弾をお知らせいたします。

 

主な作業の流れは【解体】【ドライクリーニング】【スポットテスト】【脱酸性化処置】【補修】の順で行われ、今回は補修作業中に撮影された写真を送っていただきました!

 

前回までのレポートはこちら その1  その2  

 

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資料(【音貞アルバム】)は保管されていた間に破れた箇所に補修が入れられていますが、赤枠のインデックスシートを簡単に貼られてしまっている箇所がいくつかあります。今の時代のもののようにシール式ではなく、アラビアゴム糊が使用されているようで、糊は茶褐色に変色してしまっています。今後の保存のためにもこれを取り除きます。

 

糊は、貼付されてから時間が経つと紙の繊維内に深く入り込み、取れない部分も出てきますが、できるだけ本紙を犯さないように湿り気を与えて、糊を軟化させて除去を進めます。今回は、加温した「超音波ミスト」と「ケミカルジェル」を使用します。
 

こんなにするっときれいに剥がせるものばかりでありません・・・

 

次にアルバム台紙の間でゆがんだり折れ皴が深く刻まれたりしている資料をフラットにしていく「フラットニング」を進めますが、その前に、情報がこぼれ落ちそうになっている箇所の補修を進めます。

 

光沢のある資料には、光沢のある極薄い「雁皮紙」をアクリル絵の具で資料と同色に染色し、補修用紙を用意します。光沢のない資料には、光沢のない極薄い「楮紙」を同様に・・・。

 


いずれもこのように細かな補修用紙に仕立てて補修を行っていきます。

 


処置前

 

処置後はこんな感じです。

 


補修はまた、「フラットニング」と「脱酸性化処置」を進めながらも随時行っていきます。

 


さて、ある程度、資料を安定させたところで、「フラットニング」と「脱酸性化処置」を行っていきます。

 

長期間保存されていた資料に水分を与えることは、予想できない変化を引き起こすことがあります。ですので、まずは軽く、足慣らし・・・。ではなくて・・・、ショックを与えないように、穏やかに「超音波ミスト」で水分を紙に含ませていきます。この水分は、「炭酸水素カルシウム水溶液飽和溶液」を5倍に純水で希釈した溶液を使用します。濃度は処置をすすめるにしたがって上げていく予定です。

 


中性紙のボード(特種東海製紙製:ピュアマット)に挟んで軽い重石を置き、安定をさせていきます。

 

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「超音波ミスト」は、お肌の劣化だけではなく、資料の劣化の進行を食い止めるにも効くのですね!


補修に使用している「雁皮紙(がんぴし)」とは、雁皮というジンチョウゲ科の木の皮を原料として漉いた紙で、繊維が短く細かいため、表面がきめ細やかで、光沢があることが特徴だそうです。また、「楮紙(こうぞし)」は、楮という桑科の木を原料に使用しています。雁皮紙よりは繊維が長く、繊維同士の絡みがよく、しなやかで柔らかで長期保存に適するため、日本では、公文書から障子紙まで幅広く使われてきた和紙です。いずれにしても、補修用紙として仕立てられたところは、うっかりくしゃみもできないような細かさです!そして資料と同じ色に染色した用紙で補修して頂いているので、補修後は資料に溶け込んでしまい、見る限り全く継ぎ目が分からない凄技です!

 

脱酸性化処置の基準となるpH値は、0~14までの数値のうち7が中性で、それよりも下が酸性となります。前回のレポートで処置前に計って頂いた【音貞アルバム】のpH値は、pH3.5~pH4.0と、酸性の度合いがかなり高い状態でしたので、これから先はしばらくずっと、脱酸性化処置となるそうです。pHが上がるまで、同じ処置を毎日4回、3週間後にはなんと一頁あたり50回は処置が繰り返されるそうで、地道な作業に頭が下がります。お天気が続くと作業もはかどるそうですので、図書館のスタッフも、毎日快晴を祈っております。

 

さて、まだまだ処置は続きます!次回レポートもお楽しみに!

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