お早うございます。松竹大谷図書館の武藤です。

2週間の春期特別整理休館を終え、3月18日より開館いたしました。皆様のご来館をスタッフ一同お待ちしております!

 

さて休館明けより、新しい閲覧室のミニ展示が始まりましたので、お知らせいたします。今回の展示は「初世尾上辰之助」展です。

昭和62[1987]年3月28日に40歳の若さで逝去した初代尾上辰之助は、本年が三十三回忌にあたります。2月歌舞伎座では、「初世尾上辰之助三十三回忌追善狂言」として『義経千本桜 すし屋』『暗闇の丑松』『名月八幡祭』が上演され、話題を呼びました。

 

二代目尾上松緑の長男である初代尾上辰之助は、昭和40年代前半に、四代目尾上菊之助(=七代目尾上菊五郎)、六代目市川新之助(=十二代目市川團十郎)と共に “三之助ブーム”で人気を集めた歌舞伎俳優です。テレビドラマや、クイズ番組に回答者として出演していた姿をご記憶の方も多いのではないでしょうか。口跡に優れ、時代物、世話物、新歌舞伎、歌舞伎十八番ものと役柄は幅広く、『蘭平物狂』『勧進帳』『菅原伝授手習鑑』など、多くの舞台で観客を魅了しました。また舞踊でも、藤間流家元五代目藤間勘右衛門として活躍しました。

 

今回の展示では初代辰之助の舞台写真を中心に、当館が所蔵する関連資料を展示しております。初代辰之助が初代尾上左近の時代に父の二代目松緑と共演した『蘭平物狂』や、長男の四代目松緑(当時二代目尾上左近)と共演した『唐津かんねどん』、そしてシェイクスピア劇など計20枚の写真、そして初代辰之助が表紙をかざった「演劇界」や、図書などの資料も展示しております。

 

さて、こちらの新着情報では、スペースの都合により展示できなかった資料をご紹介いたします。今回ご紹介するのは舞踊会のプログラムです。

昭和50[1975]年9月26-28日に歌舞伎座に於いて催された「藤間流大会」のプログラムです。この会で、初代辰之助は父の二代目松緑が四代目を名乗っていた勘右衛門の名を継ぎ、五代目藤間勘右衛門を襲名しました。

中表紙には「二代目藤間勘斎 五代目家元藤間勘右衛門 襲名披露 藤間流大会 番組」とあります。「二代目藤間勘斎」は二代目松緑がこの会で継いだ名前です。藤間流は日本舞踊の流派で、三代目藤間勘右衛門は七代目松本幸四郎(1870-1949)、その三男である二代目松緑が四代目、そして五代目の初代辰之助の没後、勘右衛門の名は、四代目松緑(当時二代目左近)が六代目として平成元[1989]年6月に襲名し、三代にわたって尾上松緑家が家元をつとめています。

このように、当館では、歌舞伎や新劇、商業演劇だけでなく、舞踊会のプログラムも多く所蔵しており、こちらも貴重な所蔵資料となっております。

 

また、初代尾上辰之助の舞踊関係では、このような資料も。

藤間流藤盛会発行の藤間流の流誌「藤盛」です。この合本には、一部欠号もありますが、昭和57[1982]年1月発行の創刊号から収録しており、計15冊の「藤盛」が入っています。ニュースや読み物、会のお知らせなど、藤間流一門の情報が満載の雑誌です。初代辰之助と二代目松緑のインタビューやグラビアも多く掲載され、2人の親しみある姿に触れることができます。

初代辰之助が逝去した年の9月には追悼号が発行されており、最後の歌舞伎の舞台となった昭和62[1987]年1月国立劇場『雷神不動北山櫻』で粂寺弾正を演じる初代辰之助の舞台写真が表紙となっています。こちらの追悼号は閲覧室に展示しています。「藤盛」はカウンターでご請求いただければ閲覧できますので、ご覧になりたい方は是非カウンターのスタッフまでどうぞ!

 

今回の「初世尾上辰之助」展の展示期間は、4月24日(水)までとなっております。歌舞伎座、演舞場でのご観劇でお近くにお越しの際は、ぜひ当館へもお立ち寄りくださいませ。

 

松竹大谷図書館の開館日はこちらのカレンダーでご確認下さい。

https://www.shochiku.co.jp/shochiku-otani-toshokan/pdf/2019_calendar.pdf

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