2007年、パアララン・パンタオは、当時アジア各地の人権の取り組みを顕彰し支援していた団体(アジア人権基金、土井たか子共同代表)から「アジア人権賞」を与えられました。この賞は、パアララン・パンタオのみんなを大いに勇気づけてくれました。自信と誇りを与えてくれました。賞金で、資金難で中断していた分校の工事を再開、完成させることもできました。あらためて感謝します。

 

2007年12月、授賞式のためにレティ先生が来日、記念のスピーチを行いました。心に残るスピーチでした。

レティ先生のスピーチの一部を掲載します。

 

☆☆

 

「私は、貧困がどこにも広がっており、教育が特別なものである国から来ました。この単純ですが厳しい現実が、私たちが努力を始め るきっかけとなりました。 
 

ほぼ 20 年前、私たちはパアララン・パンタオ(Paaralang Pantao)と呼ばれる学校を設立しました。それは「民衆の学校」であり、その言葉の意味は「思いやりの学校」です。この学校は、子どもたちの窮状に対する対応策として、私のような親たちによって設立されました。子どもたちは、教育や遊びといった基本的な人権が損なわれ、子どもらしくあるための機会を与えられていませんでした。パアララン・パンタオの目的は、 子どもたちに別の選択肢を与えることでした。 
 

私たちは、私たちが子どもたちのために、子どもたちに対して、そして子どもたちと一緒に何をするかが、私たちの思いやりの質を明らかにすると信じています。子どもたちが今日、どのようであるかは、未来を予見するものです。実際に私たちは、ゴミ捨て場の子どもたちとともに働くことを通して、その未来を毎日見ることができ、幸せに思っています。この骨の折れる環境という重荷の下でも、私たちは子どもたちの中に、より 輝かしい日々を約束してくれる力を見出しています。

 
私はパアララン・パンタオの子どもたちを代表して、アジア人権基金がこの信念を支持してくださったことに感謝したいと思います。のしかかる問題を前にして、私たちの努力が小さく感じられるときもあります。しかし、そうした小さい努力が、他の多くのグループや個人の意欲を目覚めさせることもあると期待をもっています。私たちのところだけでなく世界の多くの場所にある、このような巨大な問題と向き合うには、ほんの少しの時間やお金や努力の積み重ねこそが、大切なのです。困っている人にとって、支援が小さすぎるとか、大きすぎるということはありません。場合によっては、その人にあなた方の手を差し伸べるだけでもよいのです。

 

レティ先生のスピーチ全文はこちらから読めます。https://readyfor-img.s3.amazonaws.com/ckeditor_assets/attachments/83726/29e55b1fb5fdd084a5d0b7f731f514aa6b36b140.pdf

 

「このような巨大な問題と向き合うには、ほんの少しの時間やお金や努力の積み重ねこそが、大切なのです。」

というレティ先生の言葉は、深い実感だと思います。

25年間、パアララン・パンタオは、ほんとうに、すこしずつの支援や思いやりのつみ重ねで、地域の子どもたちを育ててきました。

その「ほんの少し」が、どれほどかけがえのない希望であったかを、身をもって感じることができたのは、支援に関わってきた私たちにとっても大きな喜びです。

 

今回のプロジェクトでもまた、「ほんの少し」をお願いしたいと思います。そして、その「ほんの少し」が、希望にかわっていくプロセスを、応援してくださるみなさんと一緒に体験していけたらと願っています。

どうかよろしくお願いいたします。

 

(パヤタスのゴミ山。2010年)

 

新着情報一覧へ