東ティモールの子どもたちに栄養たっぷりな給食を届けたい！

皆さん、こんにちは！プロジェクト開始から2週間が経ちました。既に、100人を超える方に応援いただき、皆さんからの応援メッセージを毎回嬉しく読ませていただいています。

 

さて、今日は東ティモールの新型コロナウイルスについてお話しします。

 

 

現在、東ティモールの新型コロナウイルス感染は抑えられており、1日の感染者は1人です。（2022年7月14日：東ティモール保健省フェイスブックページ 'Palacio das Cinzas'）

 

 

それでは、東ティモールではこれまでどのような対策が行われ、どんな反応があったのでしょうか？

 

東ティモールで初めて新型コロナウイルスの感染が確認されたのは、2020年3月21日。

 

国内で感染が確認される1ヵ月前くらいから、少しずつ様子が変わっていきました。中国で最初の感染拡大が確認されたことから、アジア系の外国人が「コロナ、コロナ」と声をかけられるように…。

 

さらに、隣国インドネシアで初めての感染が確認されてからは、ごく一部のティモール人のおこないですが、外国人に向かって「さっさと国に帰れ」と声が飛んだり、公共乗合自動車への乗車拒否をするなど、あからさまに外国人を遠ざける雰囲気へと変化しました。

 

国内で感染者が確認されてからは、「ティモール島にウィルスが上陸した！」とまるで自分の周りにウィルスが舞っているかのような感覚で、非常事態宣言も出ていないのに自発的に外出を避け、ディリ市内は一気に閑散としました。教育省はただちに全国一斉休校を発表し、ディリ司教がバチカンのローマ法王の決定として、教会でのミサの禁止を発表しました。

 

 

医療体制が脆弱な東ティモールにとって、新型コロナウイルスは大きな脅威です。

 

感染確認例たった1名でしたが、3月28日、大統領が30日間の非常事態宣言を発令します。

 

政府は「危機管理統合センター」をすばやく設置し、WHOなど国際機関のサポートを得ながら徹底した水際対策をおこないました。最初のひと月は公共乗合自動車の運行が禁止され、警察官がいたるところで検問をし、マスクをせずに車を運転していると路肩に誘導して「マスクをしましょう」と注意していました。

 

その後感染が拡大しなかったことから、非常事態宣言が発令されて3ヶ月後には、経済活動の制限は緩和されました。学校も再開、教会でのミサや大勢が集まっての法事も許可され、東ティモール国内での活動はほぼ通常通りに戻っていきました。

 

 

水際対策が一定の成果を出し、2020年の感染者は累計69人に留まりました。

 

加えて、ティモールの人びとは目に見えない新しいウィルスを畏れ、一日に何度も手を洗い、ひとりで車を運転しているときでもマスクをし、感染症予防に熱心だったことも大きく貢献していたと思います。

 

 

しかし、2021年4月に東ティモールに感染第一波が到来します。

 

2021年1月、隣国インドネシアとの陸路国境を不法に行き来する人びとを通じて市中感染が始まり、3月には首都ディリでの市中感染が確認されました。

 

そして、4月4日未明にサイクロン・セロージャによる豪雨が東ティモール全土を襲い、最大時で3,000世帯 以上が避難生活を余儀なくされました。

 

緊急救援物資の調達、配送のために経済活動や越境制限の一部が解除された結果、市中感染は瞬く間に全国へと広がっていきました。

 

 

感染拡大による活動制限下で、首都ディリには経済的に困窮する世帯が多く出ました。

 

政府は各世帯200ドルの一時給付金を支給し、1人あたり25ドル相当の食料バスケットを配布するなどの対策を講じましたが、この国の人びとを本当に救っていたのは、新型コロナウイルス感染以前から連綿と続く社会に根付いた『助け合い』だったと思います。

 

個人タクシーの営業ができずに家族の食べるものにも困った親戚に毎月のお米代を渡したり、庭木の手入れや家の改修など何かしら用事をつくっては生活に困った知人を呼んで仕事をさせたり、困窮者を放っておかない人びと…。

 

長期化するコロナ禍で、東ティモールが、困難な状況にしなやかに適応し、支えあいの文化が息づく社会であることをより強く感じました。