今あらためて、日本全国に被爆者の声を届けたい
今あらためて、日本全国に被爆者の声を届けたい

支援総額

2,007,000

目標金額 1,000,000円

支援者
187人
募集終了日
2018年1月31日

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2018年01月02日 19:43

「わたし」と「あなた」を隔てるもの、そして繋げるもの

みなさま明けましておめでとうございます。

 

年末年始と少しこちらからの情報のアップデートがゆっくりになってしまっていましたが、おかげさまでこの数日で66%まで一気に達成しています。ご支援いただいたみなさま、本当にありがとうございます。

 

さて、2018年最初の新着情報は2009年に被爆者のみなさんと地球一周をした、現在ピースボート災害ボランティアセンター(PBV)に勤める小林深吾さんによる寄稿です。一緒に地球一周をした田邉のおじいちゃんに宛てたお手紙という形の寄稿文です。ぜひお読みください。
 

++++++++++

 

田邉のおじいちゃん、一緒に船旅をしてから、もう8年も過ぎてしまいました。

 

第2回「ヒバクシャ地球一周~証言の航海」(2009年)のメンバー。後列右から2番目が筆者、前列右から3番目が田邉俊三郎さん。

 

最初に船室を訪ねた時、おじいちゃんはスーツケースいっぱいに詰めた薬を見せてくれましたね。覚えきれないほどの種類の薬。その時は、薬の名前よりも3ヶ月間の旅から無事に日本に帰ってこれるだろうかと心配になりました。

 

晩酌の好きなおじいちゃんは、夜な夜な若者たちに囲まれて、嬉しそうにお酒を飲まれていましたね。心配した僕が、「ほどほどに…。」って釘を刺しても、いたずらっぽいニコニコ笑顔で応えてくれました。そのチャーミングさにほだされて、おじいちゃんの周りにはいつも若者たちがいましたね。

 

船内で。

 

おじいちゃんの目には、一緒に旅をする若者たちはどのように映っていたのでしょうか。若者たちの会話を静かに眺めるおじいちゃんを見ていると、その時間を慈しんでいるようでした。僕たちの当たり前の日常は、おじいちゃんにとっては守り続ける大切な「平和」だったのかもしれませんね。

 

若者と歌を通して平和を訴える田邉のおじいちゃん。

 

おじいちゃんが、20歳の青年だった時。

 

働いていた工場から2.1kmの距離で大きな爆弾が炸裂して、世界は一変しました。その後、おじいちゃんが描いた絵には、生々しい当時の光景が描かれていましたね。思い出すと引き裂かれるような光景を何枚も何枚も描き、何回も何回もお話されましたね。僕は、なぜ、おじいちゃんが69年間にわたって話し続けてきたのか、今でも考え続けています。

 

船内で証言をする田邉さん

 

おじいちゃんを含め、被爆を体験されたみなさんと世界を巡る船旅は多くの事を教えてくれました。

 

被害の証言だけでは「わたし」と「あなた」を隔ててしまうこと。

 

アジアでは、「原爆は悲劇だけど、では、あなたは南京の犠牲者や従軍慰安婦のおばあたちに対してはどう思うのか?」と日本の加害をどう受け止めるのかを問われます。ある学生は「それでも、原爆を落とさなかったら、もっと多くの犠牲者が出ていた」と真顔で言います。「被害を受けているのは日本の被爆者だけじゃない、広島の100倍もの威力の核実験で被爆した」とタヒチの人が訴えます。日本の原子力発電の原料を採掘するウラン鉱山では、被曝を強いられている人がます。
 
被爆当時、幼児や少年少女、青年だったおじいちゃん、おばあちゃん達は、半世紀以上も前の記憶を紡ぎながら、その凄惨さを語るだけでは足りないと感じていましたね。悲惨な体験は、体験自体を共有する事はとても難しい。そして、実感を伴わない大きな理屈を振り回すとさらに難しくなってしまいます。

 


それでも、「わたし」と「あなた」を繋ぐものもありました。


「わたし」の体験と「あなた」の体験と実感に基いて、自分の言葉で語ること。国の振りかざす理屈を乗り越えて、目の前の人を個人として理解しつづけようとすること。そして、凄惨な体験は、どんな理由があろうと、どこの誰に対しても行われてはいけないこと。そんなことをやり取りの中から学びました。

 

現代の日本で生きる僕たちには、おじいちゃんの体験を実感をもって理解することは難しいことなのかもしれません。でも、おじいちゃんと出会えたことで、おじいちゃんの生き方を実感することができました。

 

 

追伸
ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)が、ノーベル平和賞を受賞しました。もし、おじいちゃんが生きていたらニコニコ喜びながら「まだまだ、これからだなぁ~」って仰っていたことでしょう。

 

僕は、おじいちゃんと出会えて良かった。

 

そして、周りの人にも「出会えて良かった」と思えるような、おじいちゃんやおばあちゃんとの出会いをして欲しいと強く強く思う。それは、自分自身の生き方を豊にしてくれるものだから。

 

2014年に89歳で亡くなった田邉のおじいちゃんに捧ぐ

小林深吾

 


 

リターン

1,000


被爆証言を全国に届けたい。この思いに共感してくださった方へ

被爆証言を全国に届けたい。この思いに共感してくださった方へ

・感謝の気持ちを込めて、サンクスメールを送らせていただきます。

申込数
13
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2018年3月

3,000


被爆証言を全国に届けたい。この思いに共感してくださった方へ

被爆証言を全国に届けたい。この思いに共感してくださった方へ

サンクスレターを送らせていただきます。

申込数
63
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2018年3月

1,000


被爆証言を全国に届けたい。この思いに共感してくださった方へ

被爆証言を全国に届けたい。この思いに共感してくださった方へ

・感謝の気持ちを込めて、サンクスメールを送らせていただきます。

申込数
13
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2018年3月

3,000


被爆証言を全国に届けたい。この思いに共感してくださった方へ

被爆証言を全国に届けたい。この思いに共感してくださった方へ

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申込数
63
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発送完了予定月
2018年3月
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