プロジェクト概要

失いつつある日本の歴史をカラーでよみがえらせたい

 

はじめまして、Pearbookと申します。私たちは本を作るのが何よりも好きで、普段は出版社で書籍編集の仕事をしている集団です。私たちは会社で本を作るだけでは物足りず、既存の出版業界にとらわれない電子書籍の出版レーベル「Pearbook」を立ち上げました。今はディープラーニングでモノクロ写真をカラー化し公開する活動をしています。

 

 

今回のプロジェクトのテーマは、130年前の日光の書籍化です。1888年(明治21年)に撮影された白黒写真を高解像度スキャナーでスキャンし、カラー化すると共に、これらの写真が日光のどこで撮られたのかを調査し、1冊の本にまとめようと考えています。Pearbookとしては初の紙の書籍への挑戦です。

 

今回ご支援を頂きたいのは、本をつくるために必要な高解像度のスキャン費(5〜10万円)、製本費(70万円)、現地での調査費(5万円)です。

 

金谷ホテルで寛ぐ
金谷ホテルでくつろいでいます。

 

モノクロ写真をカラー化する技術との出会い

 

私たち自身はもともと歴史的視点に疎く、歴史の教科書を見ても現在の日本と結びつけることができませんでした。モノクロ写真ですと、あまりにも現在と乖離が大きかったのです。

 

ところが、2016年に早稲田大学理工学術院の研究グループが「ディープネットワークを用いた大域特徴と局所特徴の学習による色付け」として発表したカラー化写真を目にし、一気に歴史概念が覆されました。現在と変わらない笑顔の人々や風習など、ひとつひとつが現在と繋がっていることに気づかされました。

 

こうして、現在の日本のルーツとなっている昔の写真に興味を持つようになりました。

 

Twitter
昭和10(1935)年に行われた撮影会の様子。
囲み撮影が行われており、服装以外は現在とほとんど変らないことがわかります。

 

Pearbookの活動をスタート

 

 

早稲田大学理工学術院の研究グループの技術に大きな衝撃を受けた後に、もともとプログラミングが得意だったメンバーを中心に独自に開発を行ってきました。


2018年には十分な色付けができるようになり、Pearbookを立ち上げました。現在に至るまでに、Amazonで電子書籍を20点ほど出版しています。

 

読者の皆様から特に反響が大きいのは、江戸時代・明治時代の写真です。これらの時代は現在の日本との変化が大きいので、変化を一目でわかりつつもどこか懐かしい風景を感じられることが魅力になっているのだと思います。

 

江戸の風景と人びと
『江戸の風景と人びと』は一番多くの方に支持をいただいています。

 

モノクロ写真カラー化の技術

 

モノクロ写真をカラー化するプログラムは、Pythonでできています。コード自体はGoogleのTensorFlowで書いていますが、いくつかのMITライセンスのライブラリを利用しています。最初はmacOSで開発していたのですが、途中で処理が間に合わなくなり、NVIDIA社のGPUを積んだゲーミングPCを購入しました。学習モデルはFlickrという画像サイトから延々と画像を収集し学習させています。こちらのモデルは日々、精度が上がっています。
 

初期のカラー化
初期のカラー化実験の様子です。当時は地面しかカラー化されませんでした。

 

 

1888年の日光の写真との出会い

 

いまPearbookの手元には明治時代に撮影された日光の写真が100枚ほどあります。

 

これらの写真とは、メンバーの一人が旅行で訪れたロンドンの古本屋で出会いました。店内で重々しいフォトアルバムに目が留まり、中身を見せてもらうと、そこには明治時代の日光の風景が広がっていました。

 

店主に尋ねると、これらの写真はアイヌ民族調査で有名な文化人類学者のロミン・ヒッチコックとその仲間たちが、明治時代に日光で撮影したものだということがわかりました。

 

値段も張るので、このフォトアルバムを購入するか悩みました。しかし、多くの写真で経年劣化によるダメージが激しく、このままではこの貴重な日本の歴史が消えてしまうと思い購入しました。

 

修復例大祭
ダメージが激しく、修復が必要な写真の原本。130年前の日光東照宮春季例大祭の様子が写されています。

 

現在の例大祭
比較:現在の日光東照宮春季例大祭

 

ロミン・ヒッチコックとは?

 

アメリカの化学者・文化人類学者です。1887年~1888年までの2年間、大阪にあった第三高等中学校の英語教授をしていました。1888年には北海道や色丹島を訪れて、写真を用いたアイヌ民族の調査を行っています。その時の民族調査は、アメリカのスミソニアン協会の雑誌に発表され、『The Ainos of Yezo』という書籍になりました。他にも日本研究として『Shinto or the Mythology of the Japanese』や『The Ancient Burial Mounds of Japan』といった研究成果を残しています。コーネル大学のライブラリを見てみますと、ヒッチコックが日本で撮影した写真がいくつも閲覧することができます。

 

 

明治時代と現在の日光を比較する面白さ

 

写真が撮影された明治21年(1888年)は、江戸時代が幕を閉じ、日本が近代化へ向け歩み出して間もない頃です。そのため、日本の美しい文化や多くの原風景を垣間見ることができます。

 

日光の歴史は古く、明治時代の日光はお雇い外国人が多く訪れる避暑地として賑わっていました。明治6年には外国人が宿泊できる金谷ホテルが開業し、いち早くグローバルな地となりました。

 

当時の写真を見ると、人々の服装は大きく変わっていますが、日本人のおもてなしの心は現在と変わっていないようです。また、日光東照宮などの建物は戦火を免れているため、写真に写っている姿のままで現在まで多く残っています。

 

カラー化した写真と現在の写真を見比べることによって、こうした変わっているものと変わっていないものギャップの面白さを、よりリアリティをもって感じ取ることができます。

 

120年前の憾満ヶ淵
憾満ヶ淵の化地蔵と同じポーズをとる一同です。

 

現在の憾満ヶ淵
現在の化地蔵です。土砂崩れなどにより数が減少しています。

 

写真やフォトアルバムのメモから、ロミン・ヒッチコック一同も金谷ホテルに宿泊していたことがわかっています。また現地調査から、彼らが日光東照宮春季例大祭を観覧していたこと、憾満ヶ淵を訪れていたこともわかっています。

 

調査を続けていけば、撮影場所を特定でき、当時と現在とを比較する本をつくることができると考えています。

 

日光での調査時に撮影しました。

 

電子書籍だけではなく、紙の本でより多くの読者に届けたい

 

現在Pearbookでは、Amazonのkindleで電子書籍を刊行していますが、読者の皆さまから「紙の本で見たい」との声をいくつも頂いています。確かに電子書籍では詳細な部分が確認しにくいですし、電子デバイスを持っていない方へ届けるのが困難です。

 

私たちも出版社として、紙の書籍を刊行したいのはやまやまなのですが、印刷・製本費に莫大なお金がかかるのが懸念の種です。

 

そこで、今回クラウドファンディングに挑戦し、Pearbookとしては初の紙の書籍に挑戦したいと考えています。

 

写真集では原本の白黒写真、カラー化した写真、現在の写真を併せて掲載し、簡単な解説を書いていきます。そうすることで、130年前の日光と現在の日光を比べてることができます。この1冊で2つの時代の変化を見ることができますので、まるで明治時代へタイムスリップをした感覚を楽しむことができます。

 

発行概要
-目次
 第1章:ロミン・ヒッチコックと日光の歴史
 第2章:日光東照宮と例大祭
 第3章:宿泊と日光の人々
 第4章:中禅寺湖と観光
 第5章:その他の写真
 
-発行部数  2000部
-ページ数  160P、B5サイズ オールカラー
-出版予定日 2020年1月下旬
-販売方法  自社サイトを含めたECサイト

 

Pearbookの今後の取り組み

 

Pearbookでは歴史的な古写真をまだまだ数多く保有しています。今後それらをまとめ、『占領下時代の日本』『1900年の世界旅行』『ナチス政権が残したプロパガンダ』などを刊行していく予定です。

 

カラー化に関しての精度は徐々に上がってきていますが、文章やデザイン、写真の解像度や提供媒体など、まだ課題も多くあります。今回のチャレンジを通して、それらの課題にも取り組んでいきたいと思います。

 

占領下時代の戦艦長門
アメリカ兵が撮影した占領下時代の戦艦長門の未発表写真です

 

 

日本の美しい原風景を次の百年まで残し、人生を考えるきっかけを増やしたい

 
現在を生きる私たちにとって、過去の時代を生きた人々の真実の生活を知ることはできません。しかし、写真でなら当時の人々の生活を垣間見ることはできます。

 

日本の美しい文化や原風景をしっかりと紙に残すことで、この先のグローバル化時代でも日本人のアイデンティティとなる記憶を記録として残すことができます。しかし、いま私の手元にあるうちも徐々に劣化が進んでおり、次世代まで残しておけるようにするには時間がありません。


今回のプロジェクトは、日本の歴史に触れることで、文化や環境や価値観を含めた日本全体を見つめ直すきっかけづくりになると思っています。「過去を知ることが今を考えるヒントになる」と言われていますが、本書がこれからの日本を良くしていく羅針盤の1つになるのではないかと考えています。

 

日本の歴史を失わないよう、ぜひ皆さまのご協力・ご支援をよろしくお願いいたします。

 

日光の写真

 


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