危機にある東ティモールコーヒーを未来につながる産業にしたい
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支援総額

2,299,500

目標金額 2,000,000円

支援者
213人
募集終了日
2019年5月30日

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2019年04月18日 19:11

レテフォホコーヒーの美味しさの秘密

 

前回は東ティモールのコーヒーが、コーヒー農家さんの手から東ティモールで麻袋に詰めるところまでお伝えしました。

実は前回、美味しさの秘密も少し書いてしまっているのですが、今回は「レテフォホコーヒーの美味しさの秘密」と題してご紹介したいと思います。

 

コーヒー収穫期になると、PWJスタッフが集落ひとつひとつを訪問し、美味しいコーヒーを作るために必要な収穫と加工がしっかりなされているかをチェック、指導しています。

 

コーヒーの果実は赤くサクランボのようなので、コーヒーチェリーと呼ばれるのですが、緑色の未熟な状態から、熟していくにつれ徐々に色が変化し、鮮やかな赤色になります。深い赤色(ワインレッド)の状態の果実の糖度が一番高く、コーヒー自体の甘さと比例します。

未熟な豆が混ざると渋みが増し、濁りのある心地の良くない味となります。

逆に完熟しすぎてしまうと、果肉が発酵したような臭いが発生し、これも心地の良くない風味の原因となります。

一本の木の中でも、熟しているチェリーと未だ緑色のものが含まれているため、農家さんが一粒一粒、完熟したものだけを選んで手摘みする事は、美味しいコーヒーを作る上でとても重要です。

 

緑色から徐々に赤くなるコーヒーチェリー。一番左は過完熟の状態。

 

PWJでは収穫期に、400世帯以上の農家さんが視覚的に一定の熟度で収穫のタイミングを把握出来るよう、様々な試みをしています。

 

家族や集落単位で収穫をした後、ビニールシートの上にコーヒーチェリーを広げて、十分に熟したものだけ次の加工に回すよう選別します。

収穫する人によって、赤い実の判別がまちまちになることもあり、過完熟や未熟なチェリーも混ざることがあるため、この工程はとても重要です。

 

収穫後の選別の様子

 

ここで、下の写真の秘密兵器が登場します。

ひとつ目はコーヒーチェリーパドルと呼ばれる、洗濯板くらいの大きさの板に50個の穴が開いたものです。

これを収穫後の選別が終わったコーヒーチェリーの中に、ランダムに突っ込みます。

すると50個の穴にチェリーが無作為に入ります。

この50個のチェリーの中に、色の薄い未完熟、もしくは黒くなりすぎてしまった過完熟のものが5個以上入ってしまっていたら、選別をやり直すという目安になります。

 

このコーヒーチェリーパドルを使っても、この色はOKかなぁ??と迷うような微妙なものもあります。

そんな時には、写真左に写っているATCと書いてある器具を使用します。

これは糖度計(ブリックスメーター)といって、コーヒーの甘さをチェックするものです。

 

コーヒーチェリーパドルと糖度計

 

コーヒーチェリーを指で絞って、果汁をセンサー部分に塗り、下の写真のように覗きます。

 

糖度計でチェリーの甘みをチェック

 

 

中を覗くと温度計のようなメモリーが見え、糖度が表示されています。この糖度というものは、最近日本のフルーツにも記載されているケースがあります。

 

ちなみに、柑橘類で13度前後、りんごが15度前後、ぶどうで16度以上のものが美味しいとされているそうですが、私たちのピースコーヒーは何と糖度20度以上をクリアしたコーヒーのみ次の加工(脱肉)に移ります。コーヒーは果実だ、といわれることもありますが、この糖度計の数値がコーヒーは果実説を裏付けていますね。

 

糖度計を覗いた状態。糖度22〜23度を示している。

 

PWJのレテフォホコーヒーには輸出先到着後も、鮮度を保つための工夫がなされています。

 

まず一つ目は、水分値のコントロール。

コーヒーの品質と水分値はとっても重要な関係にあります。

 

パーチメントから脱穀されたコーヒー生豆は、未だ水分を含んでいます。

この水分が、東ティモールから他国に輸送している間に、蒸発と吸収を繰り返し、コーヒーが輸入先に到着した時には、白くふやけてしまったり、干からびてしまう原因となってしまっています。

そうなってしまうと、もちろん味にも影響が出てしまい、東ティモールで農家さんがせっかく頑張って作ったコーヒーの良さが失われてしまうのです。

 

産地レテフォホで、パーチメントの段階で適正に乾燥させることで、コーヒー豆の表面(水分値)と内側(水分活性)を最適な状態にすることによって、コーヒーの美味しく味わえる期間をできる限り長くするようにしています。

 

乾燥時間が長すぎても、コーヒーの美味しい部分が消えてしまうし、短すぎても水分が多すぎてふやけてしまったり、カビが生えてしまう原因になるので、微妙なさじ加減が必要です。

 

穀物用水分値計。コーヒーの表面の水分値を測定する。

 

水分活性測定器。コーヒー豆の内部にある水分の測定に使う。

 

そしてもう一つは、一見すると普通のビニール袋。これはグレインバッグと呼ばれるもので9層のプラスチックになっており、外部からの二酸化炭素や臭気を防ぎ、コーヒーの風味やアロマ、ビタミンを損なうのを防ぐ役割を担っています。

これを麻袋の内袋として使用します。

 

輸送中の鮮度維持の秘訣:グレインバッグ

 

東ティモールから日本まではおよそ30日間の船旅が待っています。

例年、東ティモールを9月〜11月の間に出港し、赤道を通って船はシンガポールに到着します。

そして、シンガポールで日本行きのコンテナ船にコンテナを積み替えて、再度出港します。

コンテナ内部は赤道付近を航行している際は高温になり、そこから冬の日本に向かいます。

急激な温度の変化により、コーヒーは多かれ少なかれダメージを受けてしまいます。

そうしたダメージを最小限に食い止めるべく、グレインバッグは重要な役割を果たしてくれています。

 

麻袋の内袋として使用

 

そしてコーヒーを積むコンテナの中にもちょっとした秘訣があります。

 

熱帯気候の東ティモールから日本へ航行中の急激な温度変化により、コンテナ内には結露が発生します。

コーヒーは水分が大好きで、すぐに吸ってしまいます。結露からコーヒー入りの麻袋を守るために、グレインバッグを使いますが、念には念を入れて、コンテナの内側に付着する水分を吸収するためのカートン紙を、隅から隅まで張り巡らせます。

 

コンテナの内部に張り巡らせる吸水目的のカートン紙

 

日本にコーヒーが到着すると、夏の暑い時期も倉庫内が約17℃位と、コーヒーに心地良い温度に保たれた定温倉庫という倉庫に保管します。

日本の気候は夏は高温多湿、冬は乾燥するので、常温でのコーヒー生豆の保管には向いていないといえます。この定温倉庫は通常の倉庫に比べると、生豆の鮮度保持に有効であると言われています。

 

日本の定温倉庫内で保管されているレテフォホコーヒーの様子

 

東ティモール国内だけでなく、コンテナ船が東ティモールを出航してから輸出先に着くまで、そして輸出先到着後からお客様の元に届き、美味しく味わっていただける期間が長くなるように、細心の注意を払っています。

 

 

今回はレテフォホコーヒーの秘密をお伝えしましたが、実はここに書ききれなかったことがまだまだあります。

その辺はまたの機会にお伝えできればと思います!

リターン

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[税制優遇あり]【東ティモールコーヒーの未来を応援コース】

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