スタッフれんからみなさんへ

ハイブリッド居場所事業がハイブリッドである意味(前編)

こんにちは。
QWRCのれんです。
今回はハイブリッド居場所事業の必要性について、私の体験から書いてみます。長くなりました。前編後編で分けています。前編は私の体験談、後編はハイブリッドである意味についてです。
お時間よければ読んでみてほしいです。

私がはじめて行ったLGBTのコミュニティはQWRCでした。16才の6月です。同級生ははみんな高校に行っている年齢でした。

当時、私は自分が女の子を好きなだけなのか、男になりたいのか、判断がつきかねていました。
しかし、高校に通うために女子の制服を毎日着るのが苦痛で、学校で女子として扱われることも苦痛でした。高校1年生の冬にはほとんど学校に行かなくなっていました。一ヶ月ほど、制服を着て家をでて、鞄に詰めた私服に着替えてうろうろして帰る生活を送っていました。12月頃、学校に保護者と共に呼び出されました。
「このままじゃ進級できないけど、どうしますか？」
私は中退を選びました。

その頃はまだ「LGBT」という言葉は今ほど認知されておらず、私は「セクマイ」のほうが幅が広いが同じような言葉だと認識していました。
私は自分がセクマイだとは気がついていました。でも自分のセクシュアリティが何なのか自信がなくて、自分は本当はなんなのか判断してほしいと思うようになりました。
「セクマイ　相談　関西」などのキーワードで検索して、当時やっていたQWRCの電話相談に行き着きました。

今はインターネットでセクシュアリティ診断などがありますよね。当時は今ほどのものはなく、ひとりでただぐるぐると考え込んでいました。セクシュアリティ診断を必ずよいとか悪いとか、正しいとか間違ってるとは言いませんが、必ずしも正しいものではないと知ってます。しかし誰かに判断してもらって、「あなたは本物です」って言ってほしいときはあるよなぁと、思います。
当時にあれば私はきっとそれを利用して一喜一憂したと思います。

しかし、そんなものもなく、LINE相談も(LINEも)まだない時代の話です。
QWRCの電話相談まではたどり着いたものの、私は電話ができませんでした。(よければLINE相談の方の記事も読んでください！)メールで問い合わせをしたところ、LGBTQで大体23才くらいまでの人限定の会「カラフル」を案内されて、参加しました。

参加するにはすごく勇気が要りました。
「セクマイの人が集まるところがあるらしい」
ということは元々知っていました。
しかし、こわい人がいたらどうしよう、変な人ばっかりだったらどうしよう、という不安があり、参加していませんでした。

LGBTQの集まりにはじめて行くことを、「デビュー」と言ったりします。デビューして数回、私は緊張のあまりほとんど話すことができませんでした。
参加するようになって、参加する前に持っていた不安は少し当たりました。QWRCには変な人がたくさんいました。でも「世の中こんなに変なおとながいるんだな」とか、「同じセクシュアリティでもこんなに多様な人がいるんだな」と思えたことは、私にエネルギーと自分のセクシュアリティに対する肯定感をくれました。

そして、考えました。
「自分は高校をやめて働いているからこうやって交通費をだして大阪にあるQWRCに行ける。でも、同じ年代の人は中々行けないのではないか」
地元神戸はそんなに田舎ではありませんが、気軽に参加できるコミュニティがそうたくさんはありません。
「お金がなくても、家族に理解がなくても参加できる場所を」という考えで、地方にもコミュニティが必要だと思うようになりました。
その課題の解決策のひとつとして、私は今神戸で、多様な性を考える人なら誰でも参加できる集まりの「れいんぼー神戸」を運営しています。