広島の原爆犠牲者・サダコさんの映画を制作し命の尊さを伝えたい

 

広島のサダコの出身校の幟町小学校や、広島平和記念公園の資料館の他、初めて国内でサダコの鶴が寄贈されたのは、沖縄市です。

先日沖縄市役所のサダコの鶴の前で、「サダコの鶴」の撮影を行いました。

 

え、どうして沖縄にサダコの鶴が寄贈されたの？

 

そこには　私たちが教科書で勉強してこなかったもう１つの沖縄の歴史があります。

 

サダコの鶴が寄贈された沖縄市は、沖縄の地上戦終戦の調印があった場所。

 

本土で多くの方々が玉音放送を聞いていた頃、実は沖縄では戦争が続いていました。正確には戦争が終わった事を多くの方々が気がつかず、

ガマに隠れた住民を日本兵が殺戮する

ガマから逃げてきた住民を米軍が火炎放射器で殺害する

というような凄惨な戦争が続いていました。

 

沖縄は、日本で唯一米軍が地上に上陸するという地上戦が行われました。

島の中の四分の一の方々が、亡くなりました。

 

９月２日に現在普天間基地となった場所で終戦の調印が正式に行われ、

沖縄は終戦を迎え、アメリカの一部となることになりました。

９月７日が正式に戦争が終わった日として、「平和の日」と呼ばれています。

 

（首相がつまびらかに読んでなかった）ポツダム宣言には　

日本の領土に関してこんな風な記述があります。

 

「八、「カイロ」宣言ノ条項ハ履行セラルヘク又日本国ノ主権ハ本州、北海道、九州及四国並ニ吾等ノ決定スル諸小島ニ局限セラルヘシ」

 

 

カイロ宣言の８条できめられたことだが、日本の主権がある場所は、本州、北海道、九州、四国、そして我々（連合国　アメリカ合衆国　イギリス　中国）が決めた周りの小さい島に限るぞ、覚えとけ！

 

って感じです。連合国が日本の本土と決めた「周りの小さな島」の中に、当初沖縄

ははいってなかったんですね。

 

沖縄が日本に返還されたのは1972年（昭和47年）5月15日。その後も国土の0.6％の沖縄に、日本の74％の米軍基地があるのです。戦後から今までアメリカの米軍が起こした犯罪は２１万件です。負担を押し付けてしまっているという現実。

沖縄の方々の立場に寄り添って

戦後７０年の今年、考えてなおす時期だとおもいます。

 

沖縄（ウチナンチュ）の方々にとっては、日本（ヤマトンチュ）の人々は「戦争中も、うちらに敗戦までの時間稼ぎに地上戦を押し付けた」「戦後はうちらに基地をおしつけた」という想いがあるのではないでしょうか。

 

その中で、日本の本土の方である佐々木禎子さんの鶴が、沖縄に寄贈されているという事はとても貴重で、ふしぎな事だとおもっています。

 

”だった１２歳の少女が””アメリカから落とされた原爆の被害にあい””白血病と言う苦難と戦いながら””それでも前向きに生きようと折った鶴”

は、暖かく生きよう、お互いを支え合い、おもい合い生きよう、という平和のシンボルとされているのです。

本当にしんどい想いをした方々に、サダコさんは愛され、尊敬されているのだと感じます。

 

サダコの鶴の撮影はサダコさんの鶴が置いてある沖縄市役所で、市役所の皆さんのご協力のもと行われました。

 

（写真／この映画のもう一人の主人公、福島から沖縄に移住してきた”しんじ”が、サダコの鶴の前で、運命の少女と出会います。クゥ・・よくできた台本！）

この「サダコの鶴〜地球をつなぐ〜」という映画は、東京や関西のスタッフ、出演者と沖縄の出演者、スタッフの皆様が一緒になって作っています。

 

一緒にもの作りをするという事で、いろいろ普段気がつかなかった歴史や、視野を教えていただいています。

 

映画は今話題の新基地建設が強行されようとしている沖縄県名護市の辺野古でも撮影をしました。この話もまた続けますね！

 

現在は、サダコさん役のりあんさん、沖縄の子ども役のタイガくんたちと、悪性リンパ腫で闘病中の新基地建設反対派リーダーの山城ヒロジさんに挨拶に行った時の写真です。子どもたちが平和のメッセンジャーになってくれる事を願っています！