網膜投影ファインダー(RPF) プロジェクト終了報告
ご支援頂いた皆様へ
網膜投影ファインダー(Retina Projection Finder・略称RPF)の実用化を目指した試作プロジェクトは、来る11月6日で終了報告締切日を迎えます。
まだ評価実施中ではありますが、試作自体は終了していますので、これまでを振り返り新たな気持ちで取り組むためにも、終了報告をさせて頂きます。
まず、ご支援頂いた皆様に、改めて厚く御礼申し上げます。
本当にありがとうございました。
また、クラウドファンディングのプラットフォームを提供しサポートしてくださったREADYFORの皆様と、試作にご尽力頂いた協力会社の皆様にも、この場を借りて御礼申し上げます。
1.状況報告
① 医療機器としての取り扱いになるものと想定していましたが、医薬品医療機器総合機構(PMDA)へ相談した結果、製品化した場合は雑品として販売することになりました。ロービジョン者のQOL(Quality of Life・生活の質)向上を目的としたビデオ機器という位置づけです。
② 当初100台を予定していた試作台数は、返礼品として支援者の皆様にお渡しすべき数が予想を超えたため、120台に増やし、予定通り本年9月末に全数完成しました。
③ 10月初旬には、アウトスタンディングサポートをしてくださった皆様への実機の送付が完了し、10月中旬から評価候補となる眼科医療施設・視覚障害者支援団体へのアプローチを開始しました。
④ 現在は、評価をして頂けることになった施設・団体へ、評価機と評価ツール(評価画像ファイル、被験者のプロフィールシート、アンケート用紙、等)を順次送付し、五月雨式に評価を開始しています。
評価機外観(接眼レンズ側) 評価機外観(入力・充電ポート側)
2.収支報告
① 収入の部:総額 21,660千円
(内訳)
・クラウドファンディング :11,900千円
・自己資金 : 9,760千円
② 支出の部:総額 21,660千円
(内訳)
・設計関連経費 : 2,640千円
・部品関連経費 :14,500千円
・組立関連経費 : 1,160千円
・返礼品経費 : 340千円
・その他経費 : 3,020千円
皆様からご支援頂いた資金は、主として部品の購入費用に使用させて頂きました。
3.リターン送付報告
① 領収書および御礼の手紙
・2021年2月 すべての支援者に対し送付完了
② 支援者名の会社HP掲載
・2021年3月 希望者の所在地と氏名を会社HPに掲載完了
③ 返礼品
・2021年2月 アウトスタンディングサポート以外の支援者に対し送付完了
・2021年10月 アウトスタンディングサポート支援者に対し送付完了
④ 試作機評価レポート
・2022年3月 会社HPにて公開予定(すべての支援者に対し案内メールを送信)
4.RPFの今後について
① 現在進行形のRPF評価を完了し、統計的に意味を持つ報告書として公開することに全力を尽くします。評価の途上で、RPFの機能が向上するアイデアが見つかれば、できるものからどんどん取り入れて結果を確認するつもりです。
② それらの報告については、会社HP(www.leonix.jp)にトピックスとして適宜掲載していきます。
③ 眼科医療施設等での評価に加えて、ロービジョンの方にお試し頂ける機会を用意する予定です。また、評価の途上で、試作機でも良いので販売して欲しいという被験者の方がおられる場合は、リーズナブルな価格で販売するつもりです。
④ 評価結果より、手持ちタイプでも一定の需要があると判断される場合には、改善必要点を反映させた量産機の設計~製造へと移行します。手持ちタイプでは需要が見込めないと判断される場合は、ゴーグル型のようなハンズフリータイプの設計~試作へ踏み出すことを検討します。いずれの場合も、販売価格を安価にするために、開発費を転嫁しなくて済むように、クラウドファンディングによって支援者を募ることも考えたいと思います。
5.最後に・・・
皆様のご支援によって完成したRPFの試作機に、インプレッシブサポートの返礼品であるアクションカメラを取り付けてみたのが、以下の写真です。
アクションカメラに映るリアルタイムの映像をRPFで見ながら歩いてみましたが、片手が使えず片目をつぶっているため、安心して歩くことは難しいと感じました。やはり、手持ちスコープタイプでは、室内での限られた画像鑑賞にしか使えないのではないか、というのが私の正直な感想です。
しかし、スマートフォンの動画を座って鑑賞していると、晴眼者の私には、ピント合わせが不要のため目が疲れずに洋画の字幕もよく見えます。
たとえ手持ちスコープタイプのRPFに需要がなくとも、これから進化させていくことで、RPFがロービジョン者のQOL向上に貢献できると信じて、今後も努力していく所存です。
今回ご支援を賜った皆様方には、これからも見守って頂けることをお願いし、本プロジェクトの終了報告とさせて頂きます。
1年間、本当にありがとうござました!
以上
2021年11月4日 株式会社レオニックス顧問 川辺憲一