2の続き

「ロマの大学進学率はわずか0.5%。小学校のドロップアウト率もきわめて高い。これがなんでかわかるかい?」

 

ラスロー先生は研究室で僕に問いかけました。

 

「ロマの貧困の悲劇のすべてはこの小学校のドロップアウトに起因しているのさ。」

「小学校を卒業していない人に仕事なんかないだろう?よってロマの子達は著しく失業率が高くなる。すると、昼間から彼らはたむろして、盗みなどの軽犯罪に手を染めるようになるんだ。」

 

それじゃあどうやってロマの子達の小学校のドロップアウトを食いとめらるんですか?

 

「そこが問題だ。それには学校の先生たちがロマの子という異文化の子達に的確な知識を持って指導する必要がある。ここがハンガリー人の先生に圧倒的に欠けているものなんだ。」

 

つまりその知識をハンガリー人の先生にシェアすることができれば、教室のなかのロマの子達はクラスへの「居心地」がよくなりドロップアウトが減る。ひいてはそれがロマの貧困転落の予防になるということですね。

 

ただね、ラスロー先生。そんなロマの子達の取扱説明書どこにあるんですか?

誰が知ってるっていうんですか。

 

ラスロー先生はふっと微笑んだ。

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