「成長する絵画」展〜脳性まひの若者達の作品展を開催したい！

こんにちは。
一昨日、皆さまのおかげで目標金額を超えることができました。
初めて挑戦したクラウドファンディング、
どうなるのか、具体的なイメージを持たないまま歩き出してみましたが、
こんなにも多くの方に応援していただけるということを
目のあたりにすると、感動にも似た喜びを感じるとともに、
今回も作品展がんばろう！　という気持が強くなります。
本当にありがとうございます。

数日前、3年前の作品展のポストカードをあらためて見ていて
気づいたことがありました。
それは、今の方がそれぞれの “作風” みたいなものが色濃くなっているんです。
今回、出展している丈太郎さん、翔生さん、亮也さん、わかなさん、
皆、作品には本人らしさというか、本人にしか表現できない何かが
浮かび上がってくるのですが、3年前のポストカードは今に比べると
それが若干薄かったというか、つまり、この3年間で、
彼らは自分の中にあるものを自分らしい、自分が心地良い色やカタチで
外に出すことができるようになっているのではないかと思うのです。
そして、それがどれも何とも良いんです。
どれも素敵なんです。

では、彼らは多くのひとがめったに持てない、特別な才能を
持っているのでしょうか。
あるいは、描くための専門的な知識や、技術を獲得したのでしょうか。
おそらくそうではないと思います。
彼らは、ひとりの少年であり、少女です。
それは、私たちの在り方と何ら変わらないと思うのです。

私たちatelier le matinは、ひとは誰しもが表現者であると考えています。
誰もが自分の中にある何かを、その人なりの方法で表すことができ、
それは時に、人のこころを動かす力をも持っている。
そう考えています。

表現するための知識や技術だけではなく、
率直に自分を表現できる安心感、すべての人の表現を
そのまま受けとめることができる関係性、これが大切だと思います。
もちろん、これは絵画に限ったことではありません。
表現方法は、この世界に星の数ほどあります。
普段の何気ない会話も表現といってもいいでしょう。

でも、上手い・下手、能力がある・ない、正しい・間違っている……
そんな評価や判断ばかり下される世界にいると、
きっと私たちは自分の中にある大切なものを外に出すのがこわくなるのです。

しまいには、その大切なものが見えなくなることもあるように思います。

今回のReady Forの冒頭にも書きましたが、
大人になると描くことが苦手、あまり好きではない、という方は
少なくはありません。
これはおそらく物心ついたときから描いたものを評価され、
他者と比べられ続けてきた結果ではないかと思います。
でも、本当はどの絵もこの世界で唯一の良さを持っている、
絵はすべてその人自身、自画像なのです。
評価や比較できるものではありません。

現実の世界で見えている色やカタチにそっくり似せる必要はないのです。

『成長する絵画』で描いている彼らは、
私たちにそんなようなことを教えてくれています。
彼らは私たちの友人であり、仲間であり、そして師でもあります。
彼らの表現にはいつも勇気づけられ、喜びや、感動をもらいます。
今回、クラウドファンディングで、こうして多くの方に
応援していただけたのも、そんな彼らの存在があってのことだと思います。

作品展まで10日間あまりとなりました。
私たちも、とても楽しみです。

2015.09.30