【セカイ・メディアラボ】メンバー紹介②（石井光太）

こんにちは。石井光太です。

私は作家として、これまで海外の貧困地域をはじめ多くの国を歩き、海外ルポを書いてきました。

ただし、海外で起きていることをつたえるという点に目的を置いた場合、活字というのは一つの手段でしかありません。他に伝達する手段は数多くあります。

そこで、私は今までルポルタージュの他に、写真集、フォトエッセイ、講義録、児童書、ドキュメンタリー番組という様々な方法で見聞きしてきたことをつたえてきました。

今回VR（バーチャル・リアリティ）というものに着目したのは、この先これがもう一つの表現手段になりえると考えたためです。

 

VRの長所は、体感できることだと思います。

私が海外ルポを書くようになったのは、十代の頃にアフガニスタン難民キャンプを訪れたのがきっかけです。その時に受けた衝動に突き動かされるようにして、何十カ国とまわり、多くのルポを執筆してきたのです。すべての源には「体験」があります。

 

実際の体験と、VRの体験はかならずしも同じではありません。
しかし、どちらが優れている、劣っているということではありません。
VRの体験には、VRでしか受けられない衝動があります。
そして、私はその衝動もまた、多く人を動かす原動力になりえると信じています。

 

今回のVRをつかったプロジェクトで、私はより多くの人に海外の現実を「体験」してもらい、何かしらの原動力を得るきっかけを生み出したいと考えています。

8月20日（土）、8月28日（日）のイベントでは、それを実際に体感してもらえるような企画を準備中です。

どうか、ふるってご参加のうえ、ご協力いただければ幸いです。

 

＜PROFILE：Kota Ishii＞

1977（昭和52）年、東京生まれ。国内外を舞台にしたノンフィクションを中心に、児童書、小説など幅広く執筆活動を行っている。主な著書に『物乞う仏陀』『神の棄てた裸体』『絶対貧困』『レンタルチャイルド』『地を這う祈り』『遺体』『浮浪児1945─』など。近年は児童書の執筆にも力を入れており、『ぼくたちはなぜ、学校へ行くのか。』『幸せとまずしさの教室』『きみが世界を変えるなら（シリーズ）』など著書多数。