プロジェクト概要

開発途上国の暮らしを

日本の子どもたちへリアルに伝えたい!

話題のメディア VRを使った

映像制作に挑戦します。

 


はじめまして、セカイ・メディアラボ事務局の古田亜以子です。聞いたことのない団体だな・・・と思う方がほとんどかもしれません。そう、私たちは、まだ活動をスタートしたばかり。本、写真、映像などさまざまな“メディア”を通じて、「日本の子どもたちにセカイを伝えたい!」という思いを持つメンバーが集まって生まれたグループです。

 

発案者は、『物乞う仏陀』や『絶対貧困』などの著作で知られる作家の石井光太。そこに、貧困や災害をテーマに、アジアやアフリカ、中東、日本を飛び回るフォトジャーナリストの安田菜津紀をはじめ、映像制作会社、出版社、NPOなどで“伝える”仕事に携わるオトナたちが参加しています。

 

今回はイラクを主な活動拠点とするNPO法人JIM-NET(鎌田實代表、佐藤真紀事務局長)のご協力を得て、イラクと日本をつなぐ、新たなメディアの形に挑戦します!

 

ヤジッド教徒として国内避難民となった少女 ©Natsuki Yasuda

 

 

注目の最新メディアVRを使って、途上国の生活を伝えます

 

私たちが挑もうとしているのは、今話題になっている最新メディア「VR(バーチャル・リアリティ)」を使ったメディア制作。テーマは「途上国の生活をリアルに感じてみよう!」です。

 

インターネットが普及し、グローバル化という言葉が一人歩きする時代。でも日本で暮らしていると、アジアやアフリカ、中東などの国々について、教科書やテレビでは見たことあるけど、どうも身近に感じられない・・・。そういう方々も多いのではないでしょうか。

 

私たちは、その解決策をVRに見いだしました。

 

VR専用のゴーグルをつけると・・・

 

こんな風に、映像が立体的に見えます!


VRとは、専用のゴーグルがあれば、360度、立体的に映像を映し出せるというもの。これを使えば、日本にいながら、途上国のリアルな生活を再現できるのではないか。2016年は「VR元年」といわれ、新たなメディアのツールとしてVRへの関心が高まっているのです。

 

とはいえ、最新技術であるVR関連の機材はまだまだ高額で、活動資金が不足しているのが現状です。日本のたくさんの子どもたちが、途上国の生活をリアルに感じることができる。そんな映像づくりへのご協力をお願いしたいと思っています!

 

といっても、VRってよく分からない・・・という方がほとんどだと思います。すでに海外には、VR技術を使って作られた映像がたくさんあります。その中で、私たちが目指している、そして、超えたいと思っている映像の一つをご紹介させてください。 

 

※ネパール大地震の被災地のVR映像です。スマートフォンを上下左右に動かして見てみてください。

 

少しはVRをイメージしていただけましたでしょうか。まるで自分がその場にいるかのように、360度の世界を感じることができる―。私たちは、そんな映像を目指しています。

 

 

途上国にも、私たちと変わらない「日常」があることを伝えたい

 

「世界の貧困をテーマに、日本で博物館をつくれないかな」

 

石井光太のこの一言が、セカイ・メディアラボ誕生のきっかけでした。日本には「切手」「たばこ」「寄生虫」など、さまざまなテーマを扱った博物館があるのに、「途上国」や「貧困」をテーマとした博物館はないじゃないか、と。

 

セカイ・メディアラボのメンバーは、これまでそれぞれ途上国に何度も足を運び、さまざまな形で発信を続けてきました。でも日本のメディアでは、貧しさや秘境だけが強調されて表現されてしまうことが多いことに違和感を覚えていたのです。

 

ヤジッド教徒の国内避難民。建設途中の住居に家族で身を寄せている ©Natsuki Yasuda

 

貧しさだけではない、私たち日本人と変わらない人々の生活がそこにはあるのだということを、日本の人たちに、中でも未来を担う子どもたちにもっと伝えていきたい―。

 

目に見えないものを再現し、体感するのに最適なツールである博物館を「貧困」をテーマに作りたいと走り始めた私たちですが、いきなり大規模なインフラを作るのは難しいという現実にぶち当たることに・・・。また、東京一カ所に作っても、首都圏の子どもたちしか訪問のチャンスがないなどの課題も見えてきました。

 

議論に議論を重ね、行き着いたのが、VR(バーチャル・リアリティ)を使った映像制作でした。VRであれば、大きなインフラがなくとも、よりリアルに現地を見てもらうことができると考えたのです。

 

 

最初のフィールドはイラク


そして今回、私たちが最初のフィールドとして選んだのは、中東のイラクです。イラクと聞くと、日本では”戦争”のイメージが強いかもしれません。湾岸戦争、イラク戦争、そして、今や世界中の脅威となっているいわゆる”イスラム国(IS)”。人々はさまざまな苦難と向き合いながら、日々を懸命に生きています。

 

 アルビル郊外、1万人以上のシリア難民が暮らすキャンプ ©Natsuki Yasuda

 

メンバーの石井、安田も現地での取材経験があります。いまだ先が見えない国内避難民の生活があるのも確かです。でも、そこで暮らす人々は”特別”ではありません。現地には、戦争のイメージを覆す美しい風景や、困難な状況から人々が見つけ出した幸せや豊かさもあふれているのです。

 

どこまでも広がるナス畑。一部は生活のため、難民たちが耕している ©Natsuki Yasuda

 

そんな人の生活や心に最も寄り添って活動しているのが、現地で奮闘されているNGOの方々です。そこで、長年にわたりイラクの人たちに寄り添い支援活動を続ける日本のNGO、JIM-NETの佐藤真紀事務局長にご協力いただくことになりました。

 

いつもはペンを持って取材する石井、カメラを手に撮影を続ける安田が、VRという新たなメディアに挑戦します。現地ではVR撮影用のカメラを持ち、JIM-NETの支援現場である学校や病院、難民キャンプ、家の中などを中心に撮影していき、イラクでの人々の”リアルな生活”を映像化しようという試みが動き始めました。

 

シリアからガンの治療にやってきていたハーバル君(7)。
戦闘に伴って治療が受けられなくなり、その間に症状が悪化した ©Natsuki Yasuda

 

このプロジェクトは、厳しい現実だけを伝えようというものではありません。戦争をしている国の中にも、恋愛があり、結婚式があり、出産があり、誕生日会がある。私たちが作ったVR映像でそうした「現実」を見てもらうことで、ただ悲しいだけの世界ではなく、本当に人が生きている世界を知り、そこから平和とは何か、自分にできることは何かを考えるきっかけづくりをしたいのです。

 

 

日本の子どもたちに「世界のリアル」を届けます

 

さらに本番は、VR映像が完成してからだと私たちは思っています。石井、安田が日本各地を駆け回り、取材時のストーリーとともにVR映像をお届けしたいと意気込んでいます!

 

これまでも日本各地で、現地で撮影した写真などを織り交ぜながら話をしてきた2人は、「講演を聞いて、人生が変わりました」「私にもできることがあると自信がつきました」といった子どもたちの言葉が、活動の原動力になっているといいます。だからこそ、もっともっとしっかりと伝えていきたい、そう思っているのです。

 

東北の子どもたちに写真を通じた伝え方を教える安田

 

日本では「総合的な学習の時間」などを使って、国際理解教育を行っている学校はたくさんあります。しかし「遠い国のことをどう伝えていけばいいのか戸惑うことがある」、「実感が持てるような教材が少ない」という現場からの声も耳にします

 

インターネットなどを使って集めた資料で授業を組み立てただけでは、途上国はただ“貧しくてかわいそう”で終わってしまい、そこで生きている人たちと同じ時代を生きている感覚すら持つことができません。世界とつながることができない・・・これは、子どもたちの未来の可能性を狭めてしまうことにもつながります。

 

小さな住居に身を寄せているシリア難民一家。
難民が集中するアルビル郊外では、停電は日常茶飯事 ©Natsuki Yasuda

 

セカイ・メディアラボのVR映像を通じて、日本と世界がつながる―。そんな場面を、私たちは日本全国、さまざまな子どもたちに体験してほしいと考えています。もちろん、大人の方でも満足していただける映像にしていきます。ご協力よろしくお願いいたします!

 

 

皆さまから頂いた資金の使い道

 

集まった資金は、VR再生機材やカメラの購入、編集や音響にかかる費用などのVR映像制作費と、イラクへ実際に撮影に行くための渡航費として大切に使わせていただきます。VR映像の撮影・編集の過程や完成後には、本ページの新着情報の機能などを通じて適宜ご報告させていただきます。

 

 

メンバーからのメッセージ

 

 

■石井 光太

「子どもや若い人に、世界の『現実』を多面的に実感してほしい」

 

一言で表せば、それにつきます。これまで私は、活字を使って世界の現実を伝えてきました。これからもそれをやることに違いはありませんが、特に「子どもや若い人に見せたい」と考えた時、VRという映像を使って示すことに、活字とはちがう意味があるのではないかと考えました。児童書やトークイベントを通して大勢の子どもたちと触れ合う中で、もう一つちがう方法で、子どもたちに世界を感じてほしいと思ったためです。


安田さん、JIM-NETの佐藤さんのご賛同もあって、多くのパートナーと一緒に、その実現に向けて動き出すことになりました。今後さらに大きくしていくつもりです。ご協力のほど、お願いいたします。

 

 

■安田 菜津紀

ある小学校で、シリア難民の取材のお話をさせていただいたときのこと。美しかったシリアの写真に歓声があがった。「どうしてこんな綺麗なところ、人間って壊しちゃうの?」と1年生の女の子が私に問いかけた。子どもたちに伝えることで、希望がつなげる。そう思えた瞬間でした。

 

ISや戦闘から逃れてきた人々を取材する度に、「なぜこれほどのことが起きているのに、世界は私たちに気づかないのか?」と問いかけられてきました。だからこそ日本で暮らす子どもたちと、イラクで出会った子どもたちのつながりを築きたい。そんな願いをこのプロジェクトに込めています。

 

 

■JIM-NET・佐藤 真紀事務局長

2003年、イラク戦争が始まる直前に、僕は、日本の子どもたちとイラクの子どもたちに自画像をたくさん書いてもらいました。フォトショップで合成させて握手させる。たとえ、それがパソコン上での握手でも、1,000㎞を飛び越えて、なんだか友達になれたような気がしました。

 

「友達が死んでいく戦争なんていやだよね?」

僕は、日本の子どもたちにそう語っていました。当時もバーチャル・リアリティという言葉がはやっていて、僕は、そんな活動を「バーチャル・ピース・プロジェクト」と呼んでいたのです。

 

子どもたちも戦争に反対して自画像を送ってくれたけれど、自画像同士が握手しても戦争は止められなかった。あれから13年、技術はとても進歩したようだ。その技術(VR)を使って、戦争をなくしてみたい。

 

 

想定されるリスクについて

 

本プロジェクトは、イラクの中でも治安の比較的安定しているクルド人自治区を選び、十分に危機管理をした上で行うことと予定しています。予定の撮影時期(2017年1月)に情勢悪化によるリスクが認められた場合、渡航を延期してプロジェクトを実施します。


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