誰もが楽しめる落語のユニバーサルデザイン絵本を制作したい！

ご支援者の皆さま

いろいろな業界の専門家や有識者が集って進めてきた、

この「ユニバーサルデザイン落語絵本（UD落語絵本）」プロジェクト。

今回は「制作メンバーからのメッセージ」として、

社会福祉法人日本点字図書館 理事長　長岡英司さんからのメッセージをご紹介します！

◆長岡さんからのメッセージ◆

～落語を好きな人にも、視覚障害の子どもたちにも、より深い楽しみ方を～

視覚障害者には「落語ファン」が多くいます。噺家や演目にとても詳しい「落語通」も少なくありません。私自身も、盲学校の中学・高等部に在学していたときから落語を聴いています。以来、落語を楽しむことが、私の心のリフレッシュに大いに役立ってきました。

改めて記すまでもなく、落語ではストーリーの多くの部分が言葉で伝えられますので、視覚障害者にとってバリアが少ないのです。しかも、噺家さんは話術を駆使して、ときに面白おかしく、ときに迫力満点に語ってくれますから、十分に楽しめます。

しかしながら、最近はラジオの寄席番組も減り、視覚障害児たちが自然に落語に接する機会が乏しくなりました。そのようななか、昇吉師匠のプロジェクトは子どもたちや若者に落語への関心を持たせる有効な取り組みです。すでに落語を楽しんでいる人たちにも、その知識を深め、より質の高い楽しみ方ができるようにする効果を持つのではないでしょうか。

◆プロフィール◆

社会福祉法人日本点字図書館 長岡 英司（ながおか ひでじ）さん

1951年生まれ。1970年、点字受験で立教大学理学部数学科に入学。

1977年、立教大学理学研究科修士課程修了とともにキヤノン株式会社に入社。

1979年9月、国立職業リハビリテーションセンターに転職。情報処理科の職業訓練指導員として、10年間で約30人の視覚障害者の就職・復職を実現した。その間、情報処理技術者試験の点字による実施を関係方面に働きかけて実現し、自らも２種試験と１種試験に合格した。

1990年4月、筑波技術短期大学情報処理学科助教授となり、2000年4月には同短大教育方法開発センター助教授、2003年同教授。

2005年10月に筑波技術大学障害者高等教育研究支援センター教授。

2016年3月同大学定年退職。4月より名誉教授。2016年4月より日本点字図書館勤務。

2022年4月より現職。著書『数学＆情報処理点訳ガイド』（国立大学法人 筑波技術大学 障害者高等教育支援センター、2015年）ほか著作多数