しあわせになった卒業生　イーリオ里親さまより

　私たち夫婦は最初、ペットショップから柴犬を迎えるつもりでいました。でもいざ自分の家族として迎えようと真剣に見た時に仔犬の『命の値段』に様々な条件で大きな差があること、SALEと金額を貼られた仔犬に違和感を覚えました。これではいけないと思い、保護犬を迎えるきっかけとなりました。

　そこで保護犬や保護団体について調べ始め、出会ったのが湘南1レーベンさんと、私たちのずっとの家族となったイーリオです。

　イーリオは香川県の出身の野犬の仔で、増水した川の中洲に取り残されていたところを4兄妹で保護されました。
　兄妹揃って臆病で、お散歩練習で会いに行くたびに脱糞して逃げ回っていました。

　トライアルを開始してからも、少しの物音に驚きケージに閉じこもる、テーブルに手を伸ばしただけ、お散歩中に風で草が揺れただけ…本当に些細なことに敏感に反応してかわいそうなくらいビクビクしていました。人も犬も苦手で全てを避けていました。

　今、正式譲渡から1年半が経ちますが、まだまだ家の中でも物音に驚き逃げます。毎日会う人だって苦手です。

　でも、できることも増えました。
犬とは友達になれます。上手に遊べます。姉妹犬のママからはおやつももらえます。最近はお散歩中にお水が飲めるようになりました。

　水を飲んだくらいで？と思われるようなことも、いろんな経緯で保護され、社会化期を逃してしまった仔たちにはとっても大きな成長です。

　譲渡後すぐに相談したトレーナーさんに「この仔の場合は年単位で成長を考えるように」と言われ、最初は愕然としましたが、本当にその通りゆっくりだけど、確実にイーリオのペースで成長してくれています。

　人間よりも早く歳をとってしまうため、もどかしく思うこともありますが、せっかく繋がった命のバトン、今は無理せずイーリオが楽しい毎日を送ってくれたらそれでいいと思っています。

　そして、なんてことないようなほんの少しの成長を毎回「すごいね！できたね！」と祝ってあげられることが今は私たち夫婦の幸せになっています。

　保護団体もいろいろあり、最初見た時は正直、レーベンさんは譲渡条件が他より厳しいと思いました。
　でも、いざ一緒に生活してみたら思ってたのと違ったなんてことがあってはいけないのです。そのためにも面談からお散歩練習としっかりステップを踏んでミスマッチを防ぐことは大事なことです。

　そして、保護してそのまま引き渡すのではなく、ボランティアさんたちが協力して、保護した子たちの社会化の下地づくりに取り組んでくださっています。
　おかげで、私たちのような初めて犬を飼う夫婦でも保護犬を迎えることができたのだと思います。

　せっかく繋がった命のバトンを途絶えさせないため、これからも活動を続けて行くためには車はとても大事な道具の一つです。
　レーベンさんの愛あふれる活動にご理解いただき、ご協力いただけると嬉しいです。