御礼 プロジェクト終了のご報告と感謝
この度は、3回の聖林寺のクラウドファンディングにあたたかいご支援・応援を賜り、誠に有難うございました。
2020年10月15日に始まった第一弾は、不安な気持ちを払拭できぬままのスタートでしたが、結果として当初の目標金額を上回り、1700万円以上のご支援を、800名を超える皆様からいただくことができました。
また、東京国立博物館での特別展「聖林寺 十一面観音ー三輪山信仰のみほとけ」の際に第二弾に挑戦させていただきました。980名以上の方から、目標の150%弱の2100万円以上の御支援を賜りました。
そして、最終章と称した2022年の2月~4月の挑戦でも600名を超えるあたたかいご支援は、目標金額を大きく超えた1750万円以上となり、クラウドファンディングでの勧進の幕を下ろしました。
3回のクラウドファンディングは、延べ2400名の方々にご支援いただき、総額は5600万円を超えました。
奈良時代に造像された、麗しく尊い観音さまとの御仏縁が結ばれた方が増えたことを、大変有難く感じます。改めて感謝申し上げます。
大和の地でお生まれになり千二百六十余年、2021年の東京オリンピックの際に生れてはじめて東京にご出座された観音さまは、今春は奈良国立博物館も巡回され、1年3か月ぶりに大和 桜井の聖林寺にお戻りになりました。
御堂は、改修前と同じく、本堂からさらに階段を上がった場所にありますが、新たに前室(外陣・げじん)が設けられました。そこにはゆるやかに弧を描くようなベンチがあります。そのベンチや壁、内陣(ないじん)への階段や内陣の床には吉野杉が使われています。
そして、観音さまは高さ5.6メートルの宇宙を象徴するかのようなドーム型の空間(天蓋・てんがい)の元にお立ちになられ、大型地震に対応する免振装置を兼ね備えた「硝子の御厨子」に安置されております。ドイツ製のガラスケースは反射を抑えた透明度の高いガラスで、観音さまとの隔たりを感じずに360度拝観いただくことが可能となりました。
「祈りの場」に相応しい、安寧な御堂で奈良時代から護り紡がれた観音さまを、皆さまからのお浄財によって、この先の百年~紡がれますこと、心から感謝申し上げます。
是非、あたたかいお力を注いでいただいた観音堂で、尊い観音さまを拝していただけますよう、お願い申し上げます。
不安の多い昨今ですが、携わっていただきました皆さまのお心とお身体が健やかなることを、世界が安寧で平和であることを祈念してやみません。
心からの感謝を込めまして 合 掌
聖林寺 住職 倉本明佳 拝