みなさま、こんにちは。

私は、吉村教授率いる「太陽の船復原プロジェクト」のメンバーで、現地エジプトで保存修復を担当している西坂です。

 

クラウドファンディングが開始から25日経過し、皆様にたくさんのご支援をいただいていることに胸を熱くしています。

 

一日でも早く、船の復原というゴールにたどり着けるように、日本ではゴールデンウィークですが、こちらでは休まずに作業を続けています。

 

さて、今回は、私たちコンサバター(保存修復師)の日々の仕事についてご紹介したいと思います。

 

前回は、現場主任の黒河内宏昌先生が「船の病院?」というテーマで現場の様子をご紹介しました。

この病院にいるお医者さんにあたるのが、文化財の分野で保存修復を担当するのが「コンサバター」と呼ばれる専門家です。

 

 

私たち、船の現場のコンサバターは、エジプト人と日本人の混成チームで、現在合計14人のメンバーで作業をしています。エジプト人メンバーの多くは、カイロ大学考古学部の保存修復学科の出身者、大エジプト博物館保存修復センターに所属する若手の精鋭たちです。

 

日々の作業は、ピット(船坑)から部材を取り上げ、現場の保存修復ラボに運び込み、取り上げ直後の部材の状態を記録することから始まります。

 

具体的には、重さ、寸法、含水率の測定をし、通常光や特殊光も用いての様々な角度から写真を撮ります。まずは身体測定といったところでしょうか。

 

そして、肉眼で観察し、なにか病変らしきものがあれば、組織や化学物質を調べるため、サンプルを採取します。サンプルは、大エジプト博物館保存修復センターに送られ、精密な分析機器で診断分析を行います。

 

 

こうした情報も踏まえながら、コンサバターは、部材1点1点について、患者のカルテに当たる「状態調査記録」を作成します。

 

 

いよいよ修復の介入処置(いわば外科手術)に取り掛かる段階では、主任修復師のリチャードさん、アイーサさん、復原考察チームの黒河内先生などが呼ばれ、1点1点について処置方法を確認、議論してから、作業にとりかかります。

 

 

協議しながらチーム内で合意していくことが非常に大切なプロセスになっています。

外科手術だけでなく、予防保存、処置後の経過観察も我々の重要な仕事です。

 

保存修復ラボの中にいると、つぎつぎと部材が運びこまれます。ラボの中は、最前線の野戦病院さながらですが、木材保存のために空調が効いているため涼しく、ピラミッドの麓にいることを忘れそうです。

 

しかし、一歩ラボの外に出れば、ピラミッドの麓。

外はいつも快晴で、既に気温35度を超す陽気です。

 

 

これから夏に向けて暑くなりますが、エジプト人、日本人、一丸となって、引き続き、保存修復作業を頑張りたいと思います。

 

どうぞご支援いただけますようよろしくお願い申し上げます。