こんばんは、ヤラブの木の三輪智子です。

たくさんの方に応援していただき、”スタートから5日間で目標の20%を達成せよ”という最初のハードルを乗り越えることができました。ご支援を下さったみなさま、また、拡散にご協力くださったみなさま、本当にありがとうございます。


本プロジェクトの支援募集は12/14までの長丁場となります。その間、タマヌオイルの商品化に向けた実際の活動や進捗状況を随時ご報告してまいりますので、引き続きシェアなどで応援をよろしくお願いいたします。

 

集めてきた種はいま、殻のまわりを大急ぎで洗ってから天日に干して乾燥させています。


さて、今回は「よみがえりの種」についてご紹介します。

地域の中に眠っている、未来の可能性を宿した「種」のことを、わたしたちは「よみがえりの種」と呼んでいます。その種は、言語や食文化、祭祀、在来作物、農業や漁労の技術、集落の景観にいたるまで、様々です。島の80〜90代のオジイ・オバアたちにお話を聞いていく中から、これらをていねいに拾いあつめ、蒔いて育ててみようという取り組みをしてきました。

 

上段はササゲの一種で「っふまみ(黒アズキ)」と「あかまみ(赤アズキ?)」
下段は池間島の「6月まみ(旧暦6月に収穫の黒アズキ。8月まみもある)」と「うつまみ(下大豆)」


まず注目したのは、「うつまみ」と呼ばれる在来品種の大豆の復活でした。池間島ではおそらく琉球王府時代から作られてきたというこの大豆、味噌や豆腐はこの豆で作られ、とても美味しかったというお話を聞きます。とても小さな豆で脱穀に手間がかかるので、戦後に「高アンダー」「低アンダー」といった大豆が導入され、次第に作られなくなっていったようです。

 

うつまみの枝豆。立春のころに種を蒔き、収穫は11月〜12月。地を這うようにツルが伸びていくで台風にも強いのだとか。

 

現在は豆としてはほとんど栽培されていませんが、緑肥としてキビ畑の地力回復に使っていた宮古島の農家さんから種を分けていただき、2014年から池間島での栽培を再開させました。まだ思うような収量は採れていませんが、何かの形になったらいいな・・・と思いながら毎年栽培にチャレンジしています。

 

うつまみの脱穀に使うのが「マミッタツバウ(豆叩き棒)」と呼ばれる道具で、なんと!テリハボクの木から作られています。
 

 

もう一つ、私たちが大きく着目したのが「アダン」でした。池間島でアダンは、人々の暮らしに欠かせない植物No.1といってもいいほど、様々に利用されてきました。幹は建材に、気根からとれる繊維は頑丈なロープや海用のぞうりや網袋に、葉は焚き物に、実は子どもたちのおやつや燻製用のまきに、、、という具合に。さらに、防風防潮林として島の周囲に植樹されてきた歴史もあり、池間島には「アダンニー」という地名もあります。また、アダンの林はオカヤドカリやヤシガニ、オカガニなどの生き物たちのすみかにもなっています。

 

アダン料理を作るための実を収穫しているところ。昔の子どもたちは、どこの木に美味しいアダンがなるかを知っていたのだそうです。

 

島の自然と暮らしを見つめ直すひとつの手がかりとして、このアダンに着目し、実際に食べたり、道具を作ったり、薪にしてみたり、植えたり、といった活動を島の先輩方と子どもたちと一緒に行ってきました。少ない資源をうまく利用した知恵と技術、自分たちは何によって生かされてきたのか、という原点に立ち返ってみると、いつもアダンがあったのです。

 

「アダナス」と呼ばれるアダンの気根から繊維をとって縄をなう練習をしています。オバアたちを先生にして習いました。

 

自分たちの足下を見据えた環境保全や地域づくり活動を行っている他の島々でも、同じようにアダンに注目している方々が多いことがわかってきて、それらを持ち寄ってアダン文化について考える機会を持ちたいと、昨年は「琉球弧アダンサミット」を開催しました。このサミットには、沖縄本島、宮古・八重山、そして日本全国から関心を持ってくださった方が集まり、アダンづくしの2日間を過ごしました。今年は石垣島が名乗りを上げてくださり、第2回目の開催が準備されています。

 

第1回アダンサミットの様子。ご参加くださった皆様、ありがとございました!

 

アダンも含めて、島の「在来樹木」の種を集め、苗木を生産して販売したり、島内に植樹して防風林を再生する取り組みを事業化できないかと模索していた時期もありました。アダンやフクギ、ビロウ(クバ)、クロヨナ、イヌマキ(キャーギ)、ブッソウゲ(アカバナ)などなど、たくさんの苗ポットを作り、高齢者のお宅の庭先でお世話をしてもらえるような仕組みを考えていました。

 

ヤラブの種を集めて苗ポットを作っているところ。

 

たくさん作った苗木は、民泊などで来島する方々に購入していただき、記念植樹をしてもらえるようになりました。島の行事として、島民みんなで植樹をしよう、という機会も増えてきています。このような取り組みの中から、テリハボク(ヤラブ)の種の持つ可能性に出会い、タマヌオイル作りへと繋がっていきます。

 

池間島に来島してくださった方に記念植樹をしていただいているところ。クバやヤラブ、アカバナなどを植えていただきました。

 

「よみがえりの種」は無数にあります。これらをていねいに蒔いて、育てていくことができるかで、島の未来が大きく変わっていくと思っています。

 

タマヌオイルのプロジェクトは、数ある「種」の中の一つですが、この種を育てていく、という挑戦に今とてもワクワクしています。このワクワクをより多くの方と共有することができたら、きっと島を支える大木に育てることができるのではないかと思うのです。

 

 

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