先月より、九州鉄道記念館に保存展示されています、初代月光型、581系先頭車のクハネ581-8が補修を始めたとのお話を伺いました。

昭和42年製で、設計されたのはクハ489-501をはじめ、ボンネット型特急電車と同じ、故、星 晃さんです。

車体構造こそ似ても似つきませんが、お互いにモーターや制御方式、電気接続方式などは共通で、兄弟と言われています。

 

特急形として使命を終えた489系に対し、581系は昭和58年には一部を除く車両が715系近郊型に改造されてしまいました。

下の写真は、現役末期のクハネ581-8、改造後の車番はクハ715-1になります。

 

主に鳥栖から西の長崎本線を走っていました。

特急時代には縁の無かった路線です。

ただ、コンセプトとして念頭にあったのが、寝台特急「あかつき」として肥前山口駅で分割し、長崎と佐世保へ向かうというものでした。

これには問題があったそうで、長崎本線電化が昭和51年まで待たれたことと、昼夜兼用として走る為の寝台セットの組立解体の人員確保が佐世保側、長崎側が難しいと判断された事などだそうで、715系として入線した時にはその時代に検討された国鉄内部の思いが反映されたのかもしれません。 正に車両コンセプトに地方のインフラ整備が間に合わなかった悲運も重なります。

 

 今ではクハネ581-8として「月光」当時の雰囲気が蘇り、車内開放も行っています。

車内はどちらかというと715系のままで、北陸でも同じように419系電車がありましたので、珍しいというよりも、寝台車と近郊型の両面の設計がミックスされた楽しい雰囲気になっています。

 

ただ、車体はかなり劣化しているそうで、展示場所の近くが門司港という海辺にもあたりますので、潮風などもあり屋根があっても錆は進行しているようです。

今後どのように整備されてゆくかを見守りたいと思います。

 

私個人としては、運転席前面窓の中心部分の水切りが、他の先頭車とは異なり山型に尖っている形が気に入っています。 何となく試作というか遊び心というか、設計図にも無かった要素がこの車両に見られます。

 

参考に、同じクハネ581型で残っているもう1両、-35の現在の写真です。

京都鉄道博物館で保存展示されています。

前の汽笛カバーがシャッター式となった昭和43年製の先頭車で、系式も583系に属します。

この時代には汽笛カバーが従来のステンレスのスリット蓋のタイプと2種が製造されているのですが、前者は主に東北特急用の「はくつる」「ゆうづる」「はつかり」「みちのく」に使用されました。

このー35は、月光や「明星」「金星」と同じ南福岡電車区に配置されましたが、もう一つの特徴として、屋根の上に常磐線入線用アンテナの設置があり、今もちゃんと残っています。 広域な転属使用を考えていた当時の国鉄ならではの装備で、この点からもー35は、実際には使用されなかったにせよ形態的には「ゆうづる」型に感じます。

元々‐35は保存対象車では無かったそうで、同じクハネ581-22が当初は選定されたのだそうですが、青森に新製配置され「はつかり」などでデビューした由来をJR西日本が嫌がったのではないかとする憶測もあり、ナルホド昼夜兼用、二つの顔を持つ電車らしいエピソードです。

 

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