なぜセブンサミットに挑戦するのか？

 

僕が登山をはじめたのはいまから6年ほど前の30歳のときです。

20代半ばに仕事上のミスから信用と自信を失って以来、

自分を表に出せなくなり人間関係に悩み続けていました。

そんなとき、友人に誘われて筑波山へ行ったことが私の人生を変えました。

 

山の魅力に魅了され、そこから毎月のように山に登りました。

山登りの魅力は自分が諦めなければ「絶対に成功体験が味わえる」こと

だと思います。努力が必ず報われます。

 

テントを担いでの縦走や雪山を歩き続けて、

目の前のことに全力を傾けている内に、悩みを手放し、

自信を取り戻しました。

 

33歳の夏、仕事、プライベートで良くない出来事が重なりどん底のなか

独りでテントを担ぎ4泊5日で北アルプスへ行きました。

25キロの荷物を背負って黒部ダム側から登る

一般的ではない過酷なルートに挑戦。

 

炎天下の中12時間歩き続け、もうキャンプ場に目前というところで、

体力が尽き完全に動けなくなりました。

人はエネルギーが０になると死んでしまうのかな…と初めて思いました。

それでも、座り込んでエネルギー補給をして30歩進む。

それを繰り返し、1時間後にようやく

キャンプ場に辿り着くことができました。

出発して13時間「自分でやるって決めたらできるんだ」と

強烈な体験をしました。

 

それまでは自分がエベレスト登れるなんて思ってもいなかったし、

口に出すことすらも怖かったんです。

「ただ単に世界で一番高い所からの景色が見たい！」って思ったんです。

そのことを決めたらできるかもしれないって思ったんです。

 

そして、ある言葉が僕に勇気をくれました。

登山家の山田昇さんの言葉です。

「情熱があれば　努力さえすれば　登山ほど夢を叶えてくれるスポーツは他にはない」

 

北アルプスでの体験と山田昇さんの言葉がキッカケとなり、

エベレスト登頂が自分の夢となり、この夢を追いかけることになります。

 

そして、エベレストについて調べる中で

「セブンサミット」という言葉に出会いました。

そのとき宝物を見つけたようなワクワクを今でも覚えています。

寝ても覚めてもセブンサミットのことで頭がいっぱいになりました。

よく山に登る理由を聞かれますが

正直なところ、よくわかりません！

 

ただワクワクするから。

そのことを考えるだけでハッピーな気持ちになれるから。

 

その気持ちに素直に生きているだけなんです。