創業天保三年和菓子処小松屋又三郎の再建

再出発の門出の舞台づくりは、上棟式を迎えました。かつて便利な工具や重機のない時代、身の危険に接する工事を済ませ、注文通りに棟上げできた時の匠たちの感慨は想像を超えるものでした。｢千代に八千代に栄ゆべし　千歳棟(せんざいとう)！｣、｢万代(よろず)に八千代に栄ゆべし　万歳棟(ばんぜいとう)！｣、｢天地(あまつち)と共永遠(いやさか)に栄ゆべし　永永棟(えいえいとう)！｣。その声に合わせて匠が｢えーい！｣の掛け声と共に｢掛けや｣で棟木を打ち付け、槌音が鳴り響きます。昔ながらの賭け声と槌音が鳴り響いた瞬間、新たなスタートの舞台の息吹が芽生えました。この舞台を伝承菓子の手作り工房として、先代の思いを背に、心を込めて菓子づくりに取り組んでまいります。長い歴史を経て日本人に親しまれた和菓子の魅力に向き合い、ふるさとの皆様に親しまれ、これからも愛される和菓子を作り続けるのが、今は大きな夢となって膨らんでいます。これからも見守っていただければ幸いです。