試験の経過と寄付金の使途についてのご報告
ご寄付を頂いたみなさまへ
3年前のクリスマスの夜。3000万円の目標金額に到達し、皆様方に本臨床試験の遂行に関して多大なるご支援を頂いたことに深く感謝いたしております。
おかげさまで、谷野と秘書、医局員で行っていた試験の準備、登録業務、書類管理などを、専任の事務局員を一人雇用することで、計画的に、また厳しい特定臨床研究法に基づいた手順で、滞りなく行うことが出来ました。更に、データセンターの費用、治療費などに当てることが出来て、開始直後は医局のカツカツの研究費で行うことになりそうであった本試験が、更に増してスムーズに3年間経過してきたことをご報告いたします。今後は、2024年3月に登録を終了し、その後3年間の経過観察に入ります。データの確定と統計処理は2027年の夏を想定しています。今後も、よりよいトリプルネガティブ乳がんの治療を目指して、手を抜かずに関係者一丸となって試験を遂行していきたいと思っています。
今後も引き続き、応援をお願い致します。
【報告】
トリプルネガティブ乳がんの治療法については、その後、遺伝性乳がんの治療薬、免疫チェックポイント阻害剤などが新しく承認され、この3年で、術前後の化学療法はかなり新しくなりました。しかし、依然として免疫チェックポイント阻害剤とは別にカルボプラチンを使っている海外とは異なる治療が日本では行われています。この臨床試験の結果が、日本でのトリプルネガティブ乳がんの治療に寄与することを願っています。
【試験の経過について】
当初、各群135例、総数270人を予定していた登録症例数は、カルボプラチン群と経過観察群を2:1にしたこと、期間延長などの変更で108人と54人の総数162人となりました。登録期間は2024年3月までですが、前述のような術前化学療法の変更により、登録が徐々に減少し、現在はエントリーが63人に到達したところです。
【寄付金の使途について】
寄付金総額 30,719,600円
大学事務手数料、クラウドファンディング手数料等 7,280,545円
カルボプラチン(薬剤) 無償提供(日医工)
病院での治療費 1,766,210円
薬剤輸送費 21,340円
データ管理費 3,449,298円
事務員人件費 3,316,193円
事務費用 870,229円
臨床試験の監査費用 853,000円
支出合計 17,556,815円
残高 13,162,785円
今後の必要な予算:データ管理費用4年分、事務局4年分、統計解析費用、論文化費用など、約1300万円を予定。