日本刀の製法解明へ。日本刀を作り出す鋼の強さの評価研究にご支援を。

寄付総額

2,615,000

目標金額 2,000,000円

寄付者
113人
募集終了日
2022年4月28日

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2023年03月15日 19:49

切断機購入のご報告

 先日,ご支援いただきました資金を用いて、精密切断機を購入しました。購入した切断機は株式会社マルトー製のマイクロカッターMC-250となります。当初は,この種の装置としては定番の海外メーカー製品を購入予定だったのですが,昨今の社会情勢により購入予定だった切断機も値上げとなりました。そのため,機種選定を再度行い,昨年の春に新発売となった国内メーカーの本製品が目に留まり,購入しました。こちらの製品価格も当初の予算を上回っていたのですが,性能や機能はこちらの製品の方が優れているため,結果的には良かったと思っています。予算額を上回る機材を購入できたのも,皆様から多くのご支援をいただけたおかげとなっております。重ねて御礼申し上げます。

 納品に時間を要したため分析用の日本刀の切断には間に合わなかったのですが(この切断は専門の業者さんに外注),手持ちの金属を用いて試運転を行いました。以下のその結果です。なお,外注した切断と分析するためのサンプル加工も先日終わり,現在分析中です。

 

製品の写真。当初の購入予定品は本品よりも二回りほど小さい製品でした。大型化した分,切断能力が上がり,オプション(今回は未導入)で細いワイヤーを用いて切断することもできます。

 

 

切断時の様子。今回購入した刃の厚さは0.3mmとなっています。この刃は,表面に微小な工業用人工ダイヤモンドの砥石(砥粒)が埋め込まれたダイヤモンドブレードとなっており,このダイヤモンド砥粒で切断していきます。切断時に刃と切断物に冷却液をかけることにより,摩擦熱による発熱を抑えつつ,冷却液による潤滑効果も加わり滑らかに切断することが可能です。

 

 

切断面の写真です。切断後に磨きなどは行っておらず,切断ままの状態です。光沢のある面が購入した切断機で切断した部分,右端の白く曇った部分が汎用的な切断機で切断した場所です。色が異なる銅,黄銅,白銅などを重ねた金属となっており,新しい切断機の切断面はとても滑らかなため,色の違いがハッキリとわかります。

 

 

汎用的な金属用の切断機(バンドソー)の刃の一例です。山型の刃によって表面を削り取っていきます。

 

汎用機で切断している様子です。切りくずが発生していることからも「削っている」ことがよくわかるかと思います。刃が高速で当たり続けているため,小さいサンプルは摩擦熱によって発熱し,素手では持てはないほど高温となります。

 

 

 以下,切断に関する補足説明となります。

 金属の切断方法には様々な種類がありますが,最も汎用的なのはのこぎりのように山型の小さい刃を多数持つ刃物で切断する方法です。ただ,このような刃物を用いた切断の仕組みは,小さい刃で金属を削り取る作業を連続的に繰り返すことによって長い距離を削り,切断をする,「切削加工」の一つとなります。削られた部分はなくなってしまうため,包丁やハサミ,あるいは日本刀で切ったときと比べて切りしろが極めて大きくなります。

 金属は木材などの比べると硬いため,刃物の耐久性を上げるため刃が分厚くなり,それに伴い削りとられる部分も大きくなります。さらに,硬く分厚い刃を使ったとしても,一度に削れる範囲はごく僅かなため,機械を用いて刃を高速で動かすことによって,切削速度を上げています。これによって生じる問題は,切断対象に刃物が高速で接触し続けるため摩擦熱が生じ,刃物も切断対象も温度が上昇することです。これらは金属を科学的に分析する上で大きな問題となり,日本刀を分析する上でも大きな障害となります。切断時の切りしろが大きく削り取られる部分が大きいことは,肉厚が薄い日本刀にとって無視できない量が失われることになります。さらに,日本刀の内部構造は複雑であるため,切断時に分析したい領域も切りしろとして失われる可能性があります。また,摩擦による発熱は熱処理と同じ様な効果を与える可能性があります。日本刀の刃は薄く,熱の逃げ場がないため温度が特に上がりやすいです。さらにこの部分は緻密な熱処理よって焼入れが施され,他の部位と比べて金属の状態(組織,鉄と炭素原子の並び方や結合状態など)が大きく変化しています。この部分が再度加熱させることは,焼入れの効果を打ち消す焼戻しに類似した現象を招く可能性があり,刀匠が緻密に制御した焼入れ・焼戻しの結果を台無しにしてしまう可能性があります。

 今回購入した切断機用の刃物は厚さが最小で0.2mmとなり,刃の表面に微細な人工ダイヤモンドの粒を利用して切削します。このダイヤモンドブレードを用いた場合でも,切削によって削られてしまいますが,刃が薄く,人工ダイヤも微小なため切りしろはごく僅かとなります。また,本装置は切断中に冷却水によって刃物や切断対象を冷却し,さらに潤滑効果によって切断物を傷めずに滑らかに切断することが可能です。横方向に限りますが,切断位置を0.01mm単位で調整することができ,目標の位置を正確に切断することも可能です。

ギフト

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お気持ちコース

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45人
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10,000


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【スタンダードコース】研究成果の報告 + ホームページ内へご芳名掲載

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36人
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【ブロンズコース】日本刀の製法を科学的に解説する講義のオンライン配信

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【ゴールドコース】学会発表・論文などの謝辞へのご芳名掲載

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300,000


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【プラチナコース】カスタム講演会の開催

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寄付者
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2023年3月

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